
屋久島編
2017年5月
屋久島
屋久島にも100名滝の1つがある。熊、イノシシなどの危険な動物もいない。縄文杉が有名だが、往復10時間かかるという。ちょっとどころか絶対に無理という結論に達し、クラブツーリズムの『世界遺産・屋久島3日間』というツアーに申し込む。総勢21名。
5月14日
羽田発8:55のANAで鹿児島には10:40着。鹿児島港発13:20の高速船に乗り屋久島・宮之浦港15:10着。高速船は個人、団体で満員。
港から歩いて数分の屋久島ビジターセンター(環境文化村センター)へと行く。屋久島のジオラマには上から玉鎖がぶら下がっている。それはその地域の降水量を示しているそうだ。屋久島は山の島。標高1936mの宮之浦岳を始めとし、1800m以上の山が5座ある。人は海岸沿いの狭い平地に住んでいる。
ちょっと風が吹けば湿った海上の空気が山にぶつかり雨となる。年間降水量は日本一。これだけ雨が多いから杉も長生きするのだろう。杉の平均時寿命は5〜600年といわれている。屋久島には樹齢1000年を超えるものがごろごろしている。標高500m以上の高地に生え、樹齢1000年以上のものを屋久杉と呼ぶ、という。そしてそれ以外のものはただの杉だという。
16時過ぎに歩いて5分もかからずに宿のシーサイドホテル屋久島に到着。大浴場はあるのだが温泉ではない。露天風呂もない。今日は満員。鹿児島から同行した添乗員は夕食後、部屋がないから近所の民宿に泊まります、と言って出て行った。
5月15日
午前中は屋久島一周。海岸沿いの道路をどこにも止まらずに走ると、3時間で一周できるという。
まず立ち寄ったのは千尋の滝(せんぴろのたき)。滝の横の花崗岩の1枚板の横幅が広く千尋(1尋は人間が両手を広げた長さ)もあるだろうということで名付けたという。

千尋の滝 落差約60m
中間ガジュマル
次に寄ったところは中間ガジュマル。中間地区に生えるガジュマルの木。何本かがくっついて(1本かもしれない)門型になっている。連続テレビ小説『まんてん』のロケ地になったという。
隣のグループの添乗員は、カンボジアのアンコールワットの石積みを壊しているガジュマルと同種類の木です、と説明していた。なかなか分かりやすくて結構な説明だった。

中間ガジュマル
大川の滝
次は大川の滝(おおこのたき)。川と書くのだが、氾濫の危険のある川は、『こ』と読んだり『ごう』と読んだりする、とガイドは言う。
この大川の滝が日本の滝100選に選ばれている。雨の降り具合で左右の滝が繋がって1本になったり、左側だけになったりする。

大川の滝 落差88m
西部林道
文字通り屋久島の西部にある林道。屋久島一周道路ではこの部分だけ世界遺産に含まれている。道路拡張の話があったが、自然を大事にという反対運動で拡張されず、照葉樹林が広範囲にわたって残される。また山頂の気温は北海道の旭川と同じくらいなため、広範囲にわたるべき植生が屋久島だけで見られる、というのも世界遺産に指定された理由の1つという。
照葉樹をネットで調べると、夏季に雨の多い暖温帯に多く、葉の表面から分泌されるクチクラが表面を覆う膜となって日の光を反射するため、葉が光って見える常緑広葉樹の総称。そのため落葉樹の森よりも薄暗く、うっそうとした森となる、と書いてある。
森には鹿、猿が多い。いずれ鹿、猿による食害が問題になるだろう。

西部林道を歩く

ハイビスカスの原種
永田いなか浜
ウミガメの産卵で有名なところ。この線がウミガメが歩いた跡です、と言う。同じ宿に神奈川県の中学生が泊まっている。
ロビーのホワイトボードには今日の予定が書いてある。今晩はウミガメの産卵見学と記入してあった、が見られたかどうかは聞けなかった。

永田いなか浜 島は口永良部島
吉田集落
集落の中に大石がある、というよりも大石の間に家を建てたのだろう。なんでこんなところに家を建てたのか分からない。ストーンパワーというものがあったにせよ、信仰の対象になっていたにせよ少し離れた場所に家を建て、お参りに来るのではないかと思うが。

吉田集落
白谷雲水峡
宮之浦に戻り昼食。午後には白谷雲水峡へと行く。白谷雲水峡の料金所は標高620mのところ。ここから距離にして600m、標高差90mの登り道を行き、二代大杉で折り返しのコースだ。二代大杉に到着した時には、思わずもう着いたの、と言ってしまった。案内図にもある通りもっといろんなコースがあるのだが、一番簡単なコースを歩いたようだ。参加者は年寄りばかりだからしょうがないか。一組若いのがいたが、親を連れてきているよう。
二代杉とは切り株や倒木の上に杉の種が落ち成長したものをいう。何か所にもあるが、我々が行ったのは樹高32mの大きい物。二代大杉と固有名詞はついているから二代杉では最大の物だろう。

7番が二代大杉の位置

途中の風景

二代大杉下部
5月16日 ヤクスギランド
昨日白谷雲水峡からの帰り道に開聞岳が見えていた。ガイド曰く開聞岳が見えるのは珍しい、でも開聞岳が見える翌日は雨になることが多いので、明日は雨になるかもしれません、と言っていた。その通りに今日は小雨。
ヤクスギランドにも散策コースがある。仏陀杉まで行って、行き帰りが異なるコース。これが1.2kmで50分コース。他に30分コース、80分コース、120分コースとある。80分、120分コースは登山コースとなりそれなりの装備が必要となる。昨日と同様に苔むした山の中を歩く。

10番が仏陀杉の位置



紀元杉
紀元杉のすぐそばまで車道はある。バスから降りるとすぐ目の前にある。台風などでやられたのか上部はない。樹高19.5m、胸高周囲8.1m、推定樹齢3000年といわれている。今回行けなかった(もう行けないと思う)縄文杉は樹高30m、胸高周囲16.1m、推定樹齢3000年以上(7000年の説もある)という。
紀元杉にはヒノキ、ヤマグルマ、アセビ、ヤマシャクナゲ、ナナカマドなど12種の着生樹があるが、これらは寄生とは違い、紀元杉から栄養は取っていないという。ガイドが言うには無料でアパートを貸している大家さんみたいなもの。

紀元杉下部
屋久島安房港(あんぼこう)発13:30の高速船に乗り鹿児島には15:30着。鹿児島空港からの飛行機は19:30発。時間調整のため城山展望台、空港近くの焼酎工場に寄る。
羽田空港には21:15到着。

屋久島全図 黄土色部分が世界遺産