岐阜+長野

2022年10 月  

 今回は岐阜県下呂市小坂町を目指す。小坂(おさか)町は町内に落差5m以上の滝が、確認されただけでも、216あるという。下呂市に行くには飛行機でも電車でも便利ではない。自宅から車で行くことにする。いつもと同じ単独行動。
10月24日
 8時過ぎに出発。下呂市小坂町の下島温泉朝六荘には15時頃の到着。下呂温泉に泊まりたかったが、宿検索サイトに1人と入力するだけではねられてしまう。朝六荘は1人でも受け入れてくれる。
部屋は6畳に2畳ほどの板の間の広縁付き。トイレは共同。他に泊り客はおらず、私より年上のおじいさんが一人で切り盛りしている。料金は4泊で33,600円と安い。そのせいかおじいさんは部屋に案内してくれた時以外は部屋に入らない。掃除したりタオルの交換などはなし。私はそんなサービスはいらないから安い方がいいと思う派だから、何の問題もない。
全国旅行支援のおかげで実際に支払った宿代は20,160円。これにアルコール代、入湯税が加算される。また1泊あたり3,000円のクーポンが貰える。4泊で12,000円分のクーポンを渡される。このクーポンはコンビニなどでは使えなかった。道の駅にて使用する。リンゴとお菓子、漬物など段ボールに詰め込んで孫のところに送っても6,000円。結局後の6,000円は地酒になる。お酒なら日持ちはするし、純米酒ならそれなりの金額になる。地酒を4種4本購入すると6,000円を少し超える。何とかクーポンを使い切る。
10月25日
 小坂町の100名滝は根尾の滝。遊歩道途中のつり橋が流され自由に行くことができない。ガイドが必要という。事前に予約をするが、ガイド料は3,000円/人だが1人だけだと6,000円ほしいという。了解して申し込んでおいた。宿のすぐそばの“がんだて公園”が集合場所。集合時間の9時に行くと、参加者は3人に増えており、ガイド料は3,000円で済む。
がんだて
がんだては5万4千年前の御岳山の噴火により溶岩流が作ったとある。ついこの間も御岳山は噴火をして大惨事になったよね。
 ガイドは特定非営利活動法人飛騨小坂200滝の副理事長の田口さん。月に4、5回は根尾の滝まで来ているというベテラン。地元出身だが退職してから地元に戻ってきてこの活動をしているという。年は私より一つ若く74歳。根尾の滝駐車場には9:30の到着。
 平らなところを少し歩いてから下り坂に入る。16折との案内がある。下り坂を16回折れながら進んで行く。帰りが大変だ。
川にたどり着いたところが吊り橋のあったところ。10時頃。
吊り橋のワイヤーは残っているが踏み板はない。
ここで貸与してくれたフエルト靴に履き替える。フエルト靴は足が濡れることを前提にしている。ひざ下まで水に浸かる覚悟をするが、田口さんが“岩伝いに行ってみましょう”と言い、岩をひょいひょいと乗り越えていく。
田口さん
私も真似して行くが、ひょいひょいとは行かず、必死の思いで対岸に着く。根尾の滝には11:30頃の到着。ここで昼食。遊歩道そのものには危険な場所はない。ロープ伝いが1か所あるだけ。
根尾の滝 落差63m 100名滝
 帰り道に唐谷滝に寄る。車を停め、坂を下ると唐谷滝。5分ほどの歩行だ。
唐谷滝 落差15m
すぐ横に“あかがねとよ”という斜め滝がある。“とよ”とは雨樋のこと。私の田舎でも“とよ”と呼んでいたが、滋賀県出身の友人は“とゆ”と呼ぶという。今日は流れはなし。
あかがねとよ 落差14m 
この周辺の案内図
 宿に戻る前に、宿のそばにある県指定の古木を撮る。
岐阜県指定天然記念物 落合のトチノキ 幹回り7m 樹高25m
 宿には16時頃の到着。温泉に浸かり夕食を摂る。夕食にはイワナの刺身が出る。川魚の刺身なんて大丈夫かと思うが、食べてみる。結構おいしかった。夕食後はすることが何もない。もう1度温泉に入り寝る。20時頃。
10月26日
 今日の予定は午前中に三つ滝から唐谷滝、あかがねとよを廻るコスだったが、昨日の根尾の滝への帰り道に唐谷滝、あかがねとよを廻ってしまったので、三つ滝だけの見学となる。
 三つ滝までは遊歩道が整備され気楽に行けるようになっている。三つ滝の紹介の写真は上段の3本に流れる滝の絵を使っているので迫力は沸いてこないが、実際には水量も豊富でものすごい迫力がある。
三つ滝 中段と下段
三つ滝 中段落差11m 下段落差5m
三つ滝 上段落差6mと中段
 午後に行く予定だった横谷峡へと行く。事前に送ってもらった下呂市の観光資料の中に横谷峡四つの滝のハイキングコースがあったからだ。地図を見て黄金姫街道ハイキングコースの入り口前の駐車場に車を停める。案内板の指示に従って山道を進んで行く。
滝方面へ向かって進んで行く。
山を一つ超えると舗装された善心谷林道。滝方向へ歩いて行くと愛蓮の滝の案内板がある。ちょっと寄ってみる。
愛蓮の滝 水量はごく少ない。横谷峡四つの滝には入っていない。
もう少し舗装道路を歩いて行くと、真っすぐが善心谷、左へ行くと横谷川。今まで書いてあった滝の表示が亡くなっている。悩んだ末に横谷川方向へと行く。また山を越えると川が流れている。横谷川だ。石伝いに川を越えて周りを見渡すと、紅葉滝の案内板が見える。歩き始めて1時間ほどだ。
紅葉滝 落差9m
ここで昼食を摂っていると中年カップルが来る。奥さんらしき人の方が熱心に写真を撮っている。旦那さんらしき人のリュックサックにはピッケルが差し込まれているし、二人とも膝までのゴム長を履いている。本格的だ。“おさきに”と挨拶して上流の鶏鳴滝へと行く。
鶏鳴滝 落差33m
鶏鳴滝にも先ほどの中年カップルが来る。下呂市から送ってもらった地図を見せながら、山を二つ超えここまで来た。“あと二つの滝を見てまた山越えで車までも出らなければならない”と言うと、
“この鶏鳴滝にも下流の白滝にも駐車場はあるんですよ、ただ県道から白滝へ入る道は分かりづらいですが。鶏鳴滝の駐車場に車を停めてあるので、あなたの車のあるところまで乗せて行ってあげますよ”とうれしいことを言ってくれる。
鶏鳴滝駐車場の案内板。ここには白滝のそばにPの文字が書かれている。私が貰った地図にはPの文字はない。歩くものだとばかり思っていた。
 車に乗り、送ってきてもらった道を戻り、鶏鳴滝駐車場を過ぎ二見滝へと向う。
二見滝 落差13m
白滝 落差17m
 下呂市の国道41号線沿いには禅昌寺がある。住所は下呂市萩原町中呂だ。この禅昌寺には国指定の天然記念物の大杉がある。
禅昌寺の大杉 幹回り9.6m 樹高40m 推定樹齢1200年
同じく萩原町上呂には久津八幡宮があり、2本の杉(夫婦杉)が国指定の天然記念物になっている。
共に幹回り10m、樹高35m、推定樹齢1200年。
10月27日
 今日は山の中の温泉“濁河(にごりご)温泉”へ行く。根尾の滝を案内してくれた田口さんが言うには、仙人滝も吊り橋が流されて行けないですよ。仙人滝の他にも白糸の滝、緋の滝、材木滝がある。
 宿を出て、町とは反対方向へ行く。地図を見ると温泉宿が結構ある。昼食は何とかなるかなと思いコンビニには寄らないにする。(コンビニは反対方向に6㎞)ナビを設定すると、35㎞1時間半と表示される。細い曲がりくねった山登りだなと理解する。
道路途中の案内図
実際の御岳山
 温泉街に着く。狭い坂道に温泉宿が点在している。売店など何もない。温泉街を過ぎると道路は行き止まり。あとは御岳山の登山道だ。御岳山の登山客用の温泉宿なのだ。
 まず車を置いて白糸の滝を見る。道路から見るだけ。
白糸の滝 落差15m
登山道を登って行けば上流にある仙人滝。いつもなら行けるところまで行くのだが、今回は岩が苔むしていて、そして濡れている。滑りそうなのでやめにする車で少し戻って下流にある緋の滝へ。駐車場より5分ほど歩く。
緋の滝 落差20m
 材木滝は別の川になる。小坂町のパンフレットには駐車場から1時間と書いてある。パンフレットをじっと見ていると、駐車場から車で林道に入って少し行くと、材木滝への遊歩道の中間に合流する歩道がある。この道は分かりづらかったが何とか見つけ、路上駐車して入って行く。どんどん降って行く、最後は梯子に近い階段を降りて行く。30分ほど。
材木滝 落差23m
落差はさほどでもないが水量が豊富で迫力がある。ただ休憩するのに座る場所はない。山を降り町のコンビニに着いたのは13時頃。ようやく昼食を摂る。
 小坂町での滝巡りは終わり。今度は古木探しとなる。4件すべて小坂町内で岐阜県指定天然記念物。
長瀬の梅 幹回り2.8m 樹高8m 推定樹齢700年
𠮷原の桜 幹回り4.8m 樹高28m 推定樹齢400年
大洞の栗 幹回り5.8m 樹高18m 推定樹齢800年
坂下の十二本ヒノキ 幹回り6m 樹高23m
一本の木が12本に分かれている。
10月28日
 4泊もした朝六荘と別れて長野県の乗鞍方面へと向かう。国道158号線に銚子の滝の案内板がある。2020年にも来たけれど国道からすぐなのでもう一度行ってみる。
銚子の滝 落差25m
 やはり国道沿いにある平湯大滝にも寄る。
平湯大滝 落差64m 100名滝
 今回ようやく三本滝に行ける。前回の2020年は12月初旬になり、三本滝手前の乗鞍国民休暇村までしか行けなかった。それより上は雪のため通行禁止となっていたのだ。
三本滝レストハウス(休業中)の駐車場に車を停め案内板に従って歩いて行く。25分。遊歩道はよく整備され歩きやすい。ロープや鎖に頼るところはない。三本の滝はすべて異なる沢。それが一か所に集まっているので珍しい滝ということになり100名滝にも選ばれている。
左側の滝
真ん中の滝
右側の滝
落差は50m~60m。右側の滝の水量が一番多いように見受けられる。
見づらいが何とか三本一緒に写っている。
 前回行った善五郎の滝にも行ってみる。前回は半分氷結した善五郎の滝だったが今回はそれはなし。
善五郎の滝 落差22m
 宿は前回泊った乗鞍国民休暇村に泊まりたかったが、ネットで検索すると18,000円/泊だった。前回は確か10,000円でお釣りが来たと思う。季節のせいもあるだろうけれど倍もするのでは考えてしまう。
そばの美鈴荘は2食付きで10,450円(税込み)。こちらに申し込む。部屋は6畳一間。トイレは共同、でもきれいだった。料金は全国旅行支援のおかげでもっと安くなっている。3,000円のクーポン券をくれるが、その時にうちでのアルコール代などはこのクーポンで使えますと言う。これには助かったね。そんなに買う物はないもの。
10月29日
 乗鞍高原には大カエデがあり人気だという。宿で聞くと、すぐそばですけどもう終わりましたよ、と言う。でも行ってみる。
葉が散ってしまった大カエデ
 午後2時過ぎに自宅到着。走行距離は1,060㎞でした。

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