
四国編
2015年5月
雨乞いの滝(徳島県、100選)
5月17日定刻通り13:20に徳島にてフェリーを降りる。
雨乞いの滝駐車場には14:00に到着。案内板には雨乞いの滝まで800m、20分と書いてある。坂は急ではあるが舗装はされている。雨乞いの滝までの800mの間にうぐいす滝、不動滝、もみじ滝、観音滝があるがいずれも小規模。雨乞いの滝は雄滝、雌滝の2本がある。遊歩道を歩いて行ってすぐ目に入るのは雄滝。右を見ると雌滝が見えてくる。雌滝の方が落差、水量共にある。3段滝で落差は45mとのこと。
大釜の滝(徳島県、100選)
雨乞いの滝駐車場を15:30出発して大釜の滝へ向うも、ナビで指示された道は狭く対向車とはすれ違い出来ない。道路の所々に退避場があり、狭いところで鉢合わせるとどちらかがバックして退避場まで戻らなくてはならない。おまけに崖崩れが発生していて回り道を余儀なくされる。16:30到着。

雨乞いの滝 右側が雌滝、左側は雄滝。
大釜の滝には駐車場など無く、国道わきにある展望台のそばの比較的広い場所に駐車する。展望台からも当然見えるが、すぐ横の階段を3,4分降りて行けば滝の近くまで行ける。滝壺までは無理。落差20m。17:00出発。

大釜の滝
四季美谷温泉
第1泊目は大釜の滝から20分の四季美谷温泉。ここは第三セクターの運営で、温泉は単純硫黄泉。大浴場1つでジャグジーが部分的に付いている。露天はなし、サウナ、水風呂あり。
料金は1泊朝食付きで8,100円。夕食は選択制になっている。私はアマゴ定食を頼んだが、鹿肉の定食もある。味噌仕立ての吸い物に肉が入っていて、匂いもなく柔らかくおいしかった。配膳のお姉さんに聞くとやはり鹿肉であった。宿代は生、冷酒も込みで11,310円。
5月18日 轟の滝(高知県、100選)
四季美谷温泉7:45発。車のナビに轟の滝をインプットし出発。轟の滝には9:50到着。駐車場から5分ほどで展望台。

轟の滝 (これは下部で上部はもう少し長い)落差82m
展望台より100mほど下がるが滝全体はカメラに収まらない。吊り橋があるので渡り、坂を昇って行くと神社がある。なんか見た神社だなと思い、道なりに進んでいくと駐車場がある。私が停めた駐車場だ。30分もかからない遊歩道だ。ネットで見た時には片道1時間の遊歩道がある、と出ていたのだが。
大荒の滝(高知県)
国道195号線に戻り次の竜王の滝を目指していると、大荒の滝の標識が目に飛び込んでくる。100選には選ばれてはいない。よし、行ってみよう。名前の通りに道路は大荒れ。当然狭いが舗装はしてある。ただ落石がそのままだ。

こういう落石が多い。ここはまだ道路が広い方。
大荒の滝そのものは、駐車場から500m程の遊歩道ならぬ登崖道を行く。そこも落石だらけ。そして車道は大荒の滝で行き止まりとなっているから、大きな落石があったら片づけず、道路閉鎖となる可能性が大きいと思う。北海道の羽衣の滝のように。

大荒の滝 落差40m
竜王の滝(高知県、100選)
15:10到着。車の左側、前のドアーを開けると異音がする。よく見るとタイヤの後ろ側の下部が凹んでいる。大荒の滝に行った途中の道で岩に乗り上げ、落ちた拍子に凹んだのかもしれない。まだ買い換えて半年なのに残念。
滝は駐車場から500m、10分。最初の300mは階段もなく杉並木の中をのんびりと歩ける。残りの200mは岩場の登りとなり大変。天気予報は、午後雨であったが霧雨が少し降った程度で助かる。15:50出発。
そうだ、轟の滝は100選に選ばれているのが2か所あったんだ。徳島県と高知県に。今日本当は徳島の轟の滝を廻ってから、高知の轟の滝へ行き、竜王の滝へと行く予定だったのだ。予定を立てたのが半年も前だからすっかり2か所あることを忘れてしまった。もうこれから徳島の轟の滝へは回れない。どじったなあ。山陰、山陽地方を回るときにまたフェリーを使い、最初に轟の滝へ行くしかないな。

竜王の滝 落差20m
サンリバー大歩危
サンリバー大歩危は市の指定業者の運営。吉野川沿いの高いところに建っている。
温泉はアルカリ泉。大浴場はガラス張りの展望風呂。露天はあるが屋根付きで狭い。私が入った時には風が強く入っていられなかった。料理は品数が多く食べきれないほど。宿代は2食、生、冷酒ともで12,200円。
5月19日 かずら橋(徳島県)
サンリバー大歩危を8:10出発。かずら橋そばの駐車場には8:35着。大歩危、小歩危、祖谷渓などでいい散歩コースはないかと探したがみつからなかった。吉野川のラフティングなどいいですよ、と言われたがパス。かずら橋しか思い浮かばなかった。
かずら橋は平家の落ち武者が架け、追手が来た時に簡単に斧で落とせるように葛を使って架けた、と言われているが他の説もあるようだ。現在は安全のために3年に1度架け替えられると言う。


かずら橋
かずら橋を渡るのは有料で550円。JAF加入者は割引で500円。
大樽の滝(高知県、100選)
大樽の滝駐車場には11:45着。一般道から600mで駐車場。そこから500m(15分)歩くと大樽の滝。一般道から駐車場までの600mが怖かった。舗装されてはいるが道狭く曲がりくねっている。今までは狭く曲がりくねっていても、谷底へ落ちる側の舗装の端っこにはアスファルトが高さ5cm程△に盛ってあった。それがない。脱輪して谷底に落ちるときには、何の前触れもなく落ちていくことになる。500mの遊歩道は整備されている。

大樽の滝 落差34m
四万十川(高知県)
四万十川は津野町不入山に端を発し、四万十町を経て四万十市で太平洋にそそいでいる。全長196km。車で走っていて、四万十町を過ぎると四万十市があらわれたのにはびっくりした。普通町と市の名前が同じなんてないよね。悠久と流れるイメージだが増水して暴れるときもあるようだ。沈下橋も結構な数がある。

ゆったりと流れる四万十川

四万十川 沈下橋
竜王の滝(高知県)
今夜の宿の星羅四万十を目指して国道381号線を走っていると、竜王の滝の看板が見える。12.6kmとある。時間もあることだし入って行く。16:00近くに到着。

旧十和村竜王の滝 落差15m程か?
ナビを再度星羅四万十に設定しなおして進んでいく。来た道とは違う道を行く。近道かもしれないと思いナビ通りに行く。山を越え、ダムの横を通り(来た道と変わらず狭い道)、右に曲がりそしてまた右に曲がり進んでいく。なんだか見たことがあるような気がする。出てきた、竜王の滝12.6kmの看板が。ナビはずっと遠回りの道を指示していたのだ。30分以上のロス。パイオニアは駄目だな。
星羅四万十には18:00着。
ホテル星羅四万十
星羅四万十の温泉は弱硫黄泉。風呂は1か所だけ。四万十川側の壁の下部がガラス張りで展望風呂となっている。今回の宿は、全国公共宿舎ガイドなる本を参考に選んでいる。星羅四万十もこの本に掲載されているのだが、運営は株式会社となっている。
午前中雨の予報であったがいくらも降らず、午後は快晴。夜になっても晴れている。同じ丘の上に天文台があるせいか、ホテルでは夜空を見上げることを勧めている。懐中電灯を借り隣のふれあいホールの駐車場へと行く。じっと見ているとだんだんと星が見えてくるが、天の川までは見られなかった。
生、冷酒込みの1泊2食付料金は13,794円。支払いの時にJAFのカードを見せている人がいるので聞いてみる。室料の10%が割引になるという。私の場合は700円の割引だ。
車を買うときにJAFに加入してくれとディーラーが言うから、今の車は故障しないから必要ないと断った。でも今はスペア―タイヤがないんですよね、パンクの修理くらいはただでやりますよ、と強引に加入させられた。でも少しずつ割引になりいずれ元が取れるかもしれない。
5月20日 雪輪の滝(愛媛県、100選)
星羅四万十を8:20出発、雪輪の滝駐車場9:50着。ゆっくりと写真を撮りながら遊歩道を歩いても40分で雪輪の滝に着く。遊歩道は整備されている。当然坂はあるが急ではない。
雪輪の滝は垂直に落ちるのではなく緩斜面(全長300m)を流れる滝。下から見えるのは80m。流れ落ちる滝に日が当たっていてキラキラ輝いてものすごく綺麗だ。周りの木には日は当たっていない。目で見ているとものすごく綺麗なのだが、写真にはうまく写らない。

雪輪の滝
駐車場に戻り靴を履きかえていると徳島ナンバーの車から若い女性が降りてくる。かなり軽装だ。タウン誌の記者をしていて滝の写真を撮りに来たと言う。長袖を着たほうがいいですよとアドバイスすると、薄手のパーカーを引っ張り出して着ている。虫除けスプレーも貸してあげる。
彼女は旧道(旧遊歩道)を歩いて行く。私が車を出し始めると、彼女は戻ってきた。もう帰ってきたのと声を掛けると、蛇がいましたと蒼い顔をしている。まあ蛇くらいいるよね。熊じゃないだけいいとしなければ。
こちらの川沿いの遊歩道を行けば、と教えてあげる。11:30頃出発。
高野展望所
国民宿舎古岩屋荘を目指していく。古岩屋荘の少し手前に高野展望所の看板あり。入って行く。個人が私有地に展望台を設けている。山の下の街が見える。ディサービスのマイクロバスでお年寄りが10人ほど来ている。どういうわけか全部女性。

高野展望所からの眺め
私有地であるので駐車料金200円を徴収している。展望所周りの草刈りだけでも大変だろう。滝巡りをしていると言うと、遅越えの滝というのがあってまあまあだよ、古岩屋荘のマネージャーに聞いてごらんよと言う。
遅越(おそご)えの滝(愛媛県)
古岩屋荘には14:00に着いてしまう。チェックインは16:00から。遅越えの滝の場所を聞いて出かける。県道に車を置いて150mほど山に入って行くとある。今までで車からの歩く距離が一番短かった。

遅越えの滝 落差24m
国民宿舎古岩屋荘
1974年の建造だから古い。部屋にトイレはなし。布団は自分で敷く。温泉は弱アルカリ性。岩風呂1か所のみ。置いてある洗面器が黄色でケロリンとプリントしてある。創業当時から使っているのではないかと思う。(ケロリン桶をネットで見てみると、丈夫で評判がいいから今でも出荷していると書いてある)
ついでに国民宿舎をWikipediaで見てみると、自然公園や温泉地等国民の休養に適した地に建てられた宿泊施設で誰もが低料金で利用できることを目的として1956年(昭和31年)に制度化された、とある。安い料金で泊めるから建て替えなどする蓄えが出来なかったのか、とにかく古いままだ。これでは当初の目的は果たした、として取り壊される運命が待っているだけにも見える。
でも古岩屋荘は平日にもかかわらず結構客がいるんだよね。話を聞いてみるとお遍路さんの利用が多いとのこと。44番札所と45番札所の中間に位置しているためと言う。だから朝も早い。朝食は6:30からで、6:30になるのを待って食堂にどっと入ってくる。古岩屋荘はさすがに安く1泊4500円、夕食1950円、朝食900円、入湯税150円。
5月21日 唐岬の滝、白猪の滝(愛媛県)
今日は100選の四国最後の御来光の滝を見て、面河渓谷を散策するだけ。宿もすぐそばの国民宿舎石鎚。
分県地図を眺めていると国道494号線のそばに滝が二つありそんなに遠くない。行ってみよう。古岩屋荘を7:20出発。494号線は国道とはいえ狭く、すれ違い出来ない場所が続く。(四国や九州の山の中の国道は皆そう)落石防止の工事も何か所かで行われている。最初はもっと広い道を国道にすれば、なんて思っていたが、そうではないんだ。国道だからこそ落石防止の工事もできるし、落石があったら速やかに片づけられるのだ。これが県道や市道、町道であったら速やかには行かない。
494号線のカーブのところが広くなり、駐車スペースとトイレがある。8:40着。その横に唐岬の滝への入り口がある。100mも入って行くと広場になっていて道は左へ登って行くのと、右へ下って行くのに分かれる。右へ下って行く。しばらく行くと標識が出てきて滝まで500m、往きは15分、帰りは20分と記してある。晴天が続いているが所々ぬかるんでいる。

唐岬(カラカイと読む)の滝 落差114m7段と言う人もいる
ここから20分ほど松山方向へ行くと白猪の滝がある。農作業をしている人に白猪の滝はもうすぐですかと聞くと、あそこの緑の屋根がトイレで周りが駐車場だよ。そこに停めると無料だがもっと車で入って行くとまた駐車場がある。そこは個人の物で駐車料金は300円、と教えてくれる。
無料駐車場から有料駐車場まで600mほど。管理事務所は留守で料金箱が置いてある。細かい300円がなくお釣りを貰いたいので、そのまま歩いて行く。
滝まで500m。唐岬の滝より遊歩道は整備されている。休憩所もある。また冬季には凍結するらしく、そのための注意書きもある。 唐岬の滝、白猪の滝には正岡子規、夏目漱石が訪れ句を詠んだとされている。

白猪(シライ)の滝 落差96m2段

白猪の滝を10:30出発。結局駐車場の管理人は戻って来ず、料金は未納のまま。
国道494号線を南下して面河渓谷方面への県道に入るが、ここまで食堂はおろかコンビニもない。もう12時は過ぎて腹が減ってきた。いろいろ考えた末、今晩の宿石鎚に電話をする。(山の中でも携帯は通じた)今晩泊まる者だけどお昼ご飯を食べさせてもらえるか?
うちでは出せないけれど石鎚スカイラインの終点の駐車場前にレストランがあるからそこで食べればいいでしょう、とのこと。
御来光の滝(愛媛県、100選)
石鎚スカイラインの途中に御来光の滝の展望所がある。御来光の滝へ行く道はあったのだけれど、今は熊笹に覆われて歩けない。地元のガイドを付けて行った人がいるけれど2日がかりだった、と言う。展望所から遠望するしかない。

御来光の滝 落差102m
面河(オモゴ)渓谷
面河渓谷の記事を読み、なかなか良さそうなところだと思った。しかしながらマダニの生息地らしい。マダニに咬まれて死んだ人もいる。マダニは面河だけでなく四国全般、山陰山陽、九州に多く生息しているらしい。とにかく虫除けスプレーのディート成分の多いものを探し出し、足元から始まり身体全体にスプレーする。当然帽子にもスプレーする。これは今までの滝全てで行っていて面河では2本目のスプレーになっている。その上になるべく草を踏まない、葉っぱの裏に触らない、を心掛けてきた。
古岩屋荘の支配人は、マダニよりブユを注意しないといけません。顔などに刺されると非常に痛いし、ぷくーっと腫れます。と言っていた。
面河の遊歩道を歩きだすが、道幅は広く整備されている。草、葉っぱに触らないで楽に歩ける。ブユもまだ飛んではいない。安心もするし、拍子抜けの気持ちも若干ある。
2時間強の散歩であった。

面河渓谷
国民宿舎石鎚
国民宿舎石鎚には16:30の到着。標高1,500mにある。眺めは良い、海まで見える。Wifiなし、温泉なし。古さでは古岩屋荘に負けていない(1,972年築)。でも客は結構いる。全員が石鎚山への登山客。
登り2時間半、下り2時間。昼休みを見ても往復6時間あれば十分という。昼食を摂ったレストランの周りの無料駐車場も一杯だった。
古岩屋荘には巡礼客、石鎚には登山客。二つの国民宿舎の間にはもう一つ国民宿舎面河がある。こちらには面河渓谷しかなく客は少ない、近いうちに廃業しそうだ。
石鎚は寒い。部屋にはまだ炬燵がある。この炬燵はありがたかった。値段は当然安く1泊2食、アルコールも入れて9350円。
5月22日 うだつの街並み
国民宿舎石鎚を8:00前に出発。フェリーの出発時間は11:30。1時間前の到着で10:30までに徳島のフェリー桟橋まで行かなくてはならない。とても無理なので途中の脇町のそばに宿を取ってある。
昼過ぎに脇町のうだつの街並みを観光。昔の建物を観光の目玉にしている街も結構あるが、建物がとびとびの場合が多い。ここは1か所にまとまっている。商店として営業しているところもあるし、していない所もある。うだつもそうだが、鬼瓦に皆凝っている。

うだつのある家 拡大して鬼も見てください
土柱
今夜の宿は土柱ランド新温泉。ここのみ全国公共宿舎ガイドには不掲載。ネットで探し、申し込む。15:00前に着いたので車を置かせて貰い、天然記念物となっている土柱を見に行く。そもそも土柱なるものを初めて知った。読み方さえも知らなかった。ツチバシラと言うとドチュウと訂正された。
向かい側の展望台から土柱を見ると、崖崩れの跡にしか見えない。何でこれが天然記念物なのかと思う。遊歩道が土柱の上方まで続いている。上部から見ると、あ、なるほど、と思える。風雨の浸食で崖が崩れていくのだが固い部分が残って独特の形状を保っているのだ。

土柱を正面から見る

土柱を上方から見る
土柱ランド新温泉は土産物屋が旅館も経営している形態。心配したが当たりであった。値段の割には、部屋は広くきれいだし料理も良かった。1泊2食で8,500円、生600円、冷酒700円、入湯税200円の計10,000円。お風呂は大浴場にサウナ、水風呂。
5月23日
土柱ランド新温泉に入館してすぐにはWifiが使えたが、昨夜、今朝には使えなかった。朝食時におかみに新聞を見せていただけますかと頼むと、聖教新聞を持ってきた。こりゃ参ったなと思っていると徳島新聞も出してくれた。
今回香川県には行かなかったが、四国は山ばかり。平家が四国へ逃げたのは当然だったのね。
11:30無事にフェリーに乗船。