山梨+長野

2022年9月  

2022年9月25日 同行者なし
8時過ぎ自家用車で出発。今回は山梨主体だが長野の南木曽地域の田立の滝にも寄ることにした。田立のそばには宿がなく、一番近くの宿を探すと岐阜県中津川市の“ホテル花更紗”となる。
 中央自動車道の中津川インターに着いてもまだ14時。宿に行く前に古木を1か所見て行こう。(NHKでは巨樹と呼んでいるが私は古木に統一しよう)最近では旅先で時間がある時には古木を見に行くようにしている。行く先の地域の古木を検索するとものすごい数がヒットする。その中から国指定、県指定の物を優先するようにしている。
 中津川市北部に加子母(かしも)の大杉がある。
幹回り12.4m 高さ31m 推定樹齢1,000年
加子母の大杉 国指定重要文化財
 16時近くになってホテル花更紗に到着。ここは日帰り温泉も経営。施設としては日帰り温泉の方が大きい。夕食は付いていないのでコンビニの場所を聞いて、ホテルから4㎞、アルコールや食事類を購入。
9月26日
 田立の滝駐車場には8時半前に到着。平日にもかかわらずすでに6台の車が駐車している。
案内図を見てわかるように田立の滝というのは存在しない。田立地区にある滝すべての総称として田立の滝と呼ばれている。メインは天河滝。
遊歩道内にはこういうところもある。
遊歩道から急こう配で降る道がある。案内板には螺旋滝とある。駐車場から1時間ほど。
螺旋滝 落差20m
螺旋滝
急こう配を登って元の遊歩道に戻る。さらに30分ほど登って霧ヶ滝。その手前に洗心滝の案内があるが位置的に写真がうまく撮れない。
霧ヶ滝 落差45m
霧ヶ滝から10分もしないで天河滝。
天河滝 落差45m
天河滝
 天河滝から遊歩道をさらに登って行くと吊り橋がありその先は不動岩との案内がある。
遊歩道から見た不動岩 ここまで登っていける。
もちろん不動岩方向には行かずに下山する。下山途中に遊歩道改修工事をしている人とちょっと話をする。
 滝巡りに来たけど遊歩道の山道が大変で筋肉痛になりそうですよ。
 大丈夫ですよ。私は改修のために30㎏を担いで毎日6往復ですから。
いやまあ大変な仕事だ。
 馬籠宿の蕎麦屋で昼食。13時半頃になっていたので、もう昼の営業は終わったんですけど、と言いながらもざる蕎麦を作ってくれる。
男滝女滝を聞くと、あと5分くらいですよと教えてくれる。滝前の通り道はう回路だが中山道(とは言っても遊歩道に毛が生えたくらい)。
女滝
女滝 落差8m
男滝
男滝 落差10m
Netで見ると女滝の落差8m、男滝の落差10mとなっているが見た感じは女滝の方が落差があるように見える。水量は男滝の方が豊かで迫力がある。女滝、男滝は別の川で、男滝の下で合流する。そして最後は木曽川へと合流する。
 今日の滝巡りはここまで。まだ時間があるので古木を訪ねる。中津川市の長楽寺にはいちょうがある。
長楽寺のいちょう 幹回り8.2m 樹高28m
長楽寺のいちょう 県指定天然記念物
 中津川市の街なかを通り宿へと向かう。今日はコンビニではなくスーパーにて夕食を調達。やはりコンビニより種類が多い。
9月27日
ホテル花更紗は2泊朝食付きで16,500円。ホテル花更紗を8時前に出て、長野県を素通りして、山梨県北杜市の精進ヶ滝の駐車場には11時前の到着。駐車場の案内板には精進ヶ滝まで40分となっている。
一の滝
二ノ滝
三ノ滝
途中の急流
一の滝、二ノ滝、三ノ滝を見ながら精進ヶ滝展望所には12時頃の到着。今日はコンビニで弁当を購入して来ている。滝を見ながら弁当を食べているとおじいさん3人組がやってくる。多分私と同年代。
 ここで滝を見ながらの食事はおいしいでしょうね。私らは買ってくるのを忘れましたよ。
上部が精進ヶ滝、下部は九段の滝
上部と下部で名前が異なっている。全部で精進ヶ滝でいいと思うのだが。
精進ヶ滝と九段の滝
精進ヶ滝 落差121m 100名滝
九段の滝
 遊歩道の途中にはフォッサマグナの案内板がある。帰路に寄ってみる。
フォッサマグナ 白い岩と黒い岩で断層が異なっている。
 今日の滝巡りはこれで終わり。
 この近所の古木巡りをしよう。一番近いのが同じ北杜市武川の実相寺。ここには山高神代桜がある。種類としてはエドヒガンと記してある。このお寺は桜が大好きなようで、身延山枝垂れ桜の子桜など各地の有名な桜の子を植えている。花の季節には大賑わいだろう。露天なども出るかもしれない。
山高神代桜は案内板を読むと1,922年に測定したよりも2,006年に測定して方が根廻、樹高その他の寸法が落ちている。周りの土を入れ替えたりいろいろな回復作業をしたと記している。
山高神代桜 国指定重要文化財 推定樹齢2,000年
 次は同じ北杜市でも旧須玉町のケヤキ。根古屋神社にある。
プレハブの車庫みたいなものが邪魔で見づらいが建物の両脇に1本ずつある。
根古屋神社 大ケヤキ 国指定重要文化財
同じ須玉町の比志地区に比志神社の大杉と比志のエゾノキがある。車で比志地区に着いたはいいがさっぱり分からない。道路に案内板など出ているものだが。さっき郵便局の前を通ったな、そこで聞いてみよう。郵便局では住宅地図を出して細かく教えてくれる。でも道は狭いですよ、車は途中までしか入れません。
比志のエゾエノキ
幹回り4.8m 樹高13m 県指定天然記念物
比志神社の大杉 幹回り7.2m 樹高33m 県指定天然記念物
 今日の宿はファミリーロッジ旅籠屋・韮崎店。17時頃の到着。
9月28日
 今日は南精進ヶ滝の日。スタート地点の青木鉱泉はナビに登録されている。青木鉱泉の駐車場には8時半頃の到着だが、もう10台くらいの車が駐車している。山登りの人は朝が早いよね。駐車料金は800円。
 案内書には青木鉱泉から南精進ヶ滝まで2時間と記してある。また青木鉱泉の標高は1,090m、南精進ヶ滝の標高は1,600mになっている。標高差は510m。登山慣れしている人にはたいしたことがないかもしれないが、私にはきつい。途中ロープや鎖につかまって登るところもある。3時間ほどかかって南精進ヶ滝に到着。
南精進ヶ滝 落差50m
南精進ヶ滝 上段
南精進ヶ滝 下段
南精進ヶ滝の1時間ほど上流には鳳凰の滝がある。そしてその上流には白糸の滝、五色の滝と続く。でもとても無理、南精進ヶ滝から引き返す。
帰りにこのロープを伝わって降りるときに足を滑らせた。しっかりとロープに掴まっていたから落ちはしなかったけど、右わき腹の上、あばら骨の右側を岩壁にぶつけた。でも当日は痛まなかったんだよね。翌日の昼過ぎから痛み出して10日たった今もまだ痛む。
 この韮崎には大村美術館とやはり大村博士が建てた日帰り温泉がある。行ってみると休みだった。ともに水曜日は定休日となっている。
 韮崎市内の古木を廻ろう。
永岳寺の大カシ 幹回り4,5m 樹高31m 県指定天然記念物
宮久保のクヌギ 幹回り4,1m 樹高20m 市指定天然記念物
今日はこれでおしまい。ファミリーロッジ旅籠屋へ戻る。
9月29日
 今日は尾白川渓谷。駐車場には8時半前の到着。やはりもう数台の車が停まっている。神社の横を通り吊り橋を渡ると、道は二つに別れともに山道だ。右は渓谷道、左は尾根道。ともに神蛇の滝へと行く。川沿いの方が景色が良いだろうと渓谷道を行く。これが結構大変だった。ロープ、鎖があり両手両足で登る場面が結構ある。
途中の旭滝 落差7~8m?
 神蛇の滝には10時半頃の到着。2時間ほどかかっている。40代夫婦連れと60代男性と行き合う。
神蛇の滝 3段で落差20m
神蛇の滝 最上段
神蛇の滝まえの滝見広場に案内板がある。下山は渓谷道ではなく尾根道を使うように記してある。渓谷道は登り専用のようだ。
神蛇の滝から1時間かけて不動滝に到着。位置的に眺めが良くない。よくないながらも写真を撮る。昼食を摂るような場所もない。吊り橋があるから渡ってみよう。大きな石があり、その上から滝も部分的に見える。ここで昼食にする。
不動滝 落差25m
不動滝からの帰り道水筒を落としてしまった。急勾配の降り道をお尻も使って降りるときに落としたのだろう。探しに行く気はしない。神蛇滝の前で休憩していると30歳前後の青年が来る。
こんにちは、ぶしつけなお願いですが、水に余裕があったら少し分けていただけないでしょうか。
 私も大して持ってはいないですが少しならいいですよ。
もう飲み終わったペットボトルに少し入れてもらう。
 韮崎大村美術館へと行く。まずは汗を流さないといけない。隣の白山温泉へと行く。
丁度いいお湯で長く入っていられる。年寄り主体に6人ほどの先客がいる。私が入ってから出るまで、ずっと湯に浸かっている人もいる。よほどこの温泉が好きなんだね。出た後受付のお姉さんに、この後美術館に行ってきます、と言うと、
ちょっと待って、割引券をあげますから。
 大村博士の胸像を見ながら入る。
大村博士の胸像
美術館は特別展示で女流画家の絵を飾ってある。私が知っていたのは上村松園だけ。あとは日展などの受賞者の作品。2階には大村博士の生い立ちなど博士関連の展示がある。ビデオでは“私の履歴書”の映像版を流している。このころには日経新聞の購入をやめていて、新聞記事の“私の履歴書”は読んでいない。
 山梨県で生まれ育って、卓球とスキーに明け暮れるが何とか大学に合格。大学では理科と体育の教員免許を取る。卒業後は、自分の時間がたくさん取れそうな、都立高校の夜間部に就職。都立墨田工業高校だ。当時私はこの学校のそばに住んでいた。高校に大きな横断幕が掛かっていて、“大村先生ノーベル賞受賞おめでとう”と書いてあった。
この後東京理科大学の大学院に入り化学の研究者の道を進んで行く。北里研究所(北里大学とは組織は別)に入り薬学の道を進んで行く。“他の人とは違うことをやろう。人間用の薬の開発はどこでも誰でもやっている。動物用の薬を開発しよう”
アメリカの製薬会社メルクと手を結ぶ。研究している情報をすべて教えるから、それをもとに薬を作って売れたら数パーセントのロイヤリティーが欲しい。
静岡県伊東市のゴルフ場に行ったときに土を採取してきた。その土の中の微生物を培養しメルク社に送ったら、寄生虫による牛の伝染病に画期的に効く薬が出来た。
この時に3億円事件があったという。メルク社から使者が来て“この薬に関するすべての権利を3億円で売ってほしい”
でも大村博士は最初の約束通りにロイヤリティーで払ってほしいと断ったという。この薬はとにかく売れて、動物薬品の売り上げNo1を20年続けたという。北里研究所に入ったお金は200億円。この一部で北里大学に校舎を建て寄進する。
この薬から人間用の薬が開発される。アフリカではやっていた、やはり寄生虫がもとで目が見えなくなりやがて死に至る病気の薬だ。年1回の服用で十分だそうだ。メルク社は無料で何億人の人に配り、2億人以上の人の命が救われたという。この人用の薬の開発が評価されメルク社の研究者とノーベル賞受賞を共同受賞する。
大村博士はスキー、卓球のスポーツも一流、絵画も収集したり女子美術大学の理事長もしたりと芸術にも秀でている。化学ではもちろん世界の一線級だ。すごいよね、敬服するよね。
蛇足だが、大村博士は薬学で博士号を取っている。出身大学は京都大学でも東京大学でもなく山梨大学だ。
9月30日
 3泊したファミリーロッジ旅籠屋・韮崎の部屋は広い。2m×2mもあろうかというベッドが2台ある。2mもあると寝そべって両手を広げても端まで届かない。バスとトイレも別になっている。食事なしの3泊で18,150円。食事なしと言っても、朝はパンとコーヒーがロビーに置いてあって好きなだけ食べられる。部屋の掃除やタオルの交換は不要ですと言うと、さらに千円ほど負けてくれた。
 北杜市大泉町の吐竜の滝の駐車場には8時半前に到着。15分ほど遊歩道を歩いて滝に到着。岩から染み出ているような滝だ。
吐竜の滝 落差10m
 次は北杜市高根町にある千ヶ滝。大門川の橋の手前に千ヶ滝の案内板がある。右に入って行くと駐車所がありそこから5分ほど。9時過ぎの到着。
千ヶ滝 落差20m
このそばに宮詞の滝があるはずだ。車でうろうろするが分からない。なんのことはない、先ほどの大門川に架かる橋の左手前側に案内の石柱が立っている。千ヶ滝の少し上流になる。遊歩道を15分ほど、最後に鎖があるがそれほど苦ではない。
宮詞の滝 落差8m?
次の滝は甲府市になる。まだ時間が早いのでこの近辺の古木でも見て行こうかと車を走らせる。“日本名水100選 三分の一湧水”の案内板が目に入る。行ってみよう。名前の由来は、湧水の分配でもめていたので3村に均等に分ける、という妥協案から取ったと言われる。湧水量は1日8,500トンという。
湧水池 右上石の下と中央左石の手前から湧き出ている。
この湧水からパイプで水を引き発電もしている。発電量は1.25kVAとなっているが、例えば60Wの電球が何個点くかとは分からない。でもこれからは小電力発電所を数多く建てることが必要になるだろう。小電力発電所なら自然破壊も少なくて済むだろうから。
三分の一湧水池の小電力発電所
 北杜市小淵沢町の神田の大糸桜を見に行く。道端に車を停め写真を撮っていると地元のお婆さんが歩いてくる。こんにちはと挨拶すると、私の車を見て、遠いところからありがとね、花の季節にはたくさんの人が来るんだけどね。
神田の大糸桜 県指定天然記念物
神田の大糸桜(枝垂れ桜) 根廻6.6m 樹高9m 
 次は北杜市白州町の本村の関の桜
本村の関の桜 市指定天然記念物
本村の関の桜 根廻5,3m 樹高15m
 もうお昼を過ぎたので甲府へ向かって行こう。県道112号線を走り荒川ダムを過ぎると板敷渓谷駐車場が左側に現れる。ここに駐車し県道をもう少し進む。二つ目のトンネルの手前に板敷渓谷の案内板が現れる。案内板の指示に従って渓谷へと降りて行く。遊歩道を15分も歩くと板敷大滝が現れる。遊歩道は整備され歩きやすい。
板敷大滝 落差30m
板敷大滝 1段目の滝つぼに虹が出ている
 この後は誰でも知っている昇仙峡の仙娥滝。
仙娥滝 落差30m
天気が良かったので昇仙峡ロープウェイにも乗ってみる。富士山がきれいに見える。
今日の宿の“ホテルルートインコート甲府石和”には5時近くの到着。
10月1日
 ホテルルートインコート甲府石和には1泊だけ。部屋は狭いが大浴場がある。それと氷サーバー設置してあり無料で使い放題。これが良かった。コンビニで購入するアルコールの選択の幅が広がる。朝食はバイキングだが種類が豊富だった。1泊朝食付きで7,350円。
 旅行前の予定では、西沢渓谷に寄ってから帰宅。でもあばら骨右側やその他体中が痛いのでどこにも寄らずに帰宅する。こういうところが自家用車での一人旅の良さだよね。10時半頃の到着。
精進ヶ滝が一番よかったね。滝そのものも良かったし、遊歩道もよく整備されていたし、滝展望台の広さもまあまあでベンチが設置されているし、何といっても駐車場からの距離が1時間というのが丁度いいよね。

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