
青森
2022年7月
7月18日 曇り時々小雨
JAL143便にて青森に11:10の到着。オリックスにてレンタカーを借り入れる。グーグルマップによると美鈴大滝は石神神社のそば。ナビには美鈴大滝は登録されていないが石神神社なら登録されている。石神神社は空港から20分くらい。神社に着くが滝などはない。別の神社で作業をしている人に聞くと、もっと奥に同じ神社がある、と言う。さらに進んで行く。道路沿いの畑で収穫作業をしているおばさんがいる。美鈴大滝はと聞くと、あと12,3分、と教えてくれる。

美鈴大滝入口

美鈴大滝 落差15m
このそばには入繰りの滝もあるはずだ。そばまではいけないが道路から見える、と書いてある。いくら探しても分からない。木が生い茂って見えなくなってしまったのだろうと諦める。今日の宿の八甲田リゾートホテルへと向かう。途中コンビニがある。空港のそばからここまで何にもなかったから、コンビニもないところかと思っていたが助かった。コンビニでサンドウィッチとコーヒーで昼食。
途中岩木山展望所がある。車を停め先客に、岩木山はどこですか、と聞くと、こっちの方向ですが小雨で見えませんね。残念。
八甲田リゾートホテルには15時過ぎには着く。チェックインすると、隣の八甲田ロープウェイの10%割引券をくれる。山頂駅のそばには高山湿原の散歩道もある。時間が早いから行ってみようか、と言うと、視界30mだからやめた方がいい、という返事。
7月19日 小雨
朝レストランで水筒に氷と水を貰う。この水がおいしい。これがうちの自慢です、専用の井戸で水をくみ上げています。
今日はまず駒込川にある大滝を目指す。あおもり今・昔の自然よもやま話に、
田代平に通じる道路を大滝平から駒込川に降りると上松沢発電所がある。そこから500mも川を下ると地響きがするような音がする。大滝である。
という記事が出ている。
地図を探し地図通りに動くと、県道から上松沢発電所に降りる道には通行止めの鎖が掛かっている。看板があり“勝手に入るな、用のあるものは連絡をせよ。東北電力”と書いてある。連絡先に電話をし、通行許可を貰う。車を邪魔にならないところに置き、鎖を跨いで歩き出す。下りを45分。ようやく発電所へ到着。誰もいない。建物の横を通り、下流を目指して進んで行くが行き止まり。川の中を歩くかと思うが、川辺に降りる道もない。
諦めて戻ると、東北電力の人が5人ほど車でやってくる。
滝を見に来たと話すと、“もう30年くらい誰も滝など見に来ませんよ。道ももうないでしょ”
案内のあおもり今・昔の自然よもやま話を見ると、1,999年8月の記事ではあった。登りは1時間半かかるかなと思ったが1時間で済んだ。

上松沢発電所への入り口 鎖が掛かっている。

上松沢発電所
高原湿地帯の田代平(たしろたい)へと行く。尾瀬などと同じにボードウォークが設置されている。案内図の北側ルートを進み、中央ルートで戻ってくる。

田代平案内図



赤いのは睡蓮
城ヶ倉大橋の先にある九重の滝を目指す。城ヶ倉大橋を過ぎて左側に案内板があるはずだと思い、ゆっくり走る。しばらく走ると黒石市に入ってしまった。これは来過ぎた、Uターンしよう。城ヶ倉大橋のちょっと手前にありました。崖から県道に落ちてきているし、手前にフェンスがあるから見過ごしてしまったのだ。

林の中の崖をチョロチョロと落ちてきている。

九重の滝 落差22m
城ヶ倉大橋が掛かっている城ヶ倉渓谷には遊歩道があり何か所かに滝がある。歩いてみようと思うが立ち入り禁止になっている。


城ヶ倉大橋と遊歩道進入禁止
八甲田フィールドマップを眺めていると、ホテルのそばを通っている国道103号線を十和田湖方向へ進んで行くと猿倉温泉、猿倉大滝が出ている。先ほどの城ヶ倉大橋は103号線から分かれて黒石市方向へ行く国道394号線上にある。
猿倉温泉に入って行くとちょうど山奥から、自然維持管理車と書かれたトラックが降りてきた。運転席の窓から大きく手を振って停まってもらう。
“猿倉大滝へ行きたいんですけどご存じですか”
“ここからは行けないよ。国道へ出てしばらく行くと右へ入る狭い未舗装道路があるから入って行く。あとは歩いて行くのだが案内板は何もないよ。川も渡らなければいけないし、藪もかき分けて行かなければだめだよ。やめた方がいいよ”
諦めて途中にあった睡蓮沼へ行こう。



名前は睡蓮沼だが睡蓮は咲いていなかった。これからなのかな。狭いがボードウォークがあり東屋もトイレも完備していた。
7月20日 小雨のち薄日
今日はまず、東北森林管理局の三八上北森林管理署の見所として紹介されている三階滝を目指していく。交通アクセスとして以下の記述がある。
“国道4号線沿いにある道の駅「しちのへ」から西方へ約10㎞。作田ダムの湖岸を過ぎると作田川林道と殿上沢林道との分岐点がある。殿上沢林道を約1㎞進み、そこから徒歩30分”
目標として道の駅「しちのへ」をナビに登録する。道の駅に近づくと大銀南木(子守いちょう)の看板が目に付く。ちょっと寄ってみよう。


説明書きによると樹齢700年以上、樹高26m、幹回り12mとある。青森県指定の天然記念物。
三階滝を目指していくが、分岐点に着いてもどちらが殿上沢林道か分からない。作田川林道らしくない方向へと進む。車幅一杯のでこぼこ道を進むも、三階滝の案内は出てこない。三八上北森林管理署へ電話しようにも電波が届いていない。だいぶ戻って電波の届くところから電話を入れる。
わかる人がいません、管理は青森市に移管しています。という返事。何年前の記事かもわからないし、やはり何年も人が訪ねていないのだろう。諦める。道の駅で奥さんに頼まれていたにんにくを購入。結構な量があって1,800円。やはり東京の何分の一かの値段だ。
月光の滝は県道123号線沿いにあるのですぐに分かった。どうも月光の滝そのものが信仰のご本尊のようだ。


月光の滝 落差6m
月光の滝の南方には三重の滝がある。がグーグルマップで見ると滝の場所は示すがそばには道路がない。どうやって近づいて行くか分からないので諦める。
三内縄文遺跡にでも行ってみよう。ナビに登録されているので迷わずに行ける。




三内丸山遺跡はかなり広い。建物内収蔵庫には縄文土器類のものすごい数が保管されている。発掘現場も見学できますと書いてある。行ってみると四角い枠の中を50㎝程の深さに掘ってある。そばでおばさん二人が3時の休憩を取っている。
7月21日 曇り時々小雨
八甲田リゾートホテルをチェックアウト。3泊する。夕朝食付きで12,650円/日
今日はどちらに行かれますか、と受付で聞かれる。
五所川原市から送ってもらった五所川原広域地図を眺めていたら、左の上の方に“七ツ滝”というのがある。そこへ行ってみよう。津軽半島のずっと上の方だ。七ツ滝は国道339号線沿いにあり、落ちてからは国道339号線を潜って海へと流れ込む。


七ツ滝 七段で落差21m
ここまで来たなら竜飛埼はもう少し。行ってみよう。

竜飛埼 灯台とその向こうには北海道
青森はいまアジサイが満開。
やはり五所川原広域地図には中泊町に不動の滝が載っている。不動の滝とホタルの里が一体になって大きな公園を形成している。案内も良く迷わずに行ける。鎌倉時代には修験者の荒行の場だったという。


道標が頻繁に出て来て助かる。
青森市の滝にはあまり案内が出てこない。考えるに世界遺産になった縄文遺跡群に力を入れて、滝を整備するまでの余力がないのだろう。

遊歩道もよく整備されているが、滝の手前一か所だけロープ伝いに昇り降りする。


不動の滝 落差10m
五所川原市金木町にも七ツ滝があるという。やはり東北森林管理局のホームページからだ。発信元は津軽森林管理署金木支署。説明には、国道339号線から県道2号線を分岐し喜良市川林道を進むと“十二本ヤス”がある。さらに林道を5分進むと“母沢なつかしの渓流砂防公園”が見えてくる。その周辺に七つ滝があり、そのそばに昭和28年に作った水力発電所の跡地もある。国道や県道は分かるが喜良市川林道は分からない。津軽森林管理署金木支署はそばだから行って聞いてみよう。役所だからナビには出てくる。
東京からの観光客で七つ滝を見に来た。七つ滝は竜飛埼の方にあるけど。そこには行ってきました。金木町にもあるはずです、
と東北森林管理局のホームページのコピーを見せる。十二本ヤスでも構いません。
どうぞ中でお待ちくださいと、ソファーへ案内してくれる。汚い恰好をしているから遠慮をするが中に通してもらう。地図を描いて持ってきてくれる。街なかを通って行くと分かりづらいから一度国道へ出て、このコンビニのところから入って行った方がいいでしょう。
いう通り国道へ出てコンビニのところから県道2号線へ入って行く。地図通りに2度曲がると十二本ヤスの表示が出てくる。


十二本ヤスはヒバの木。12本に枝分かれしている。13本目が出ても1本は枯れてしまい12本に戻る。魚を突くヤスに似ているから十二本ヤスと呼ばれるようになったと案内に書いてある。樹高33.5m、幹回り7.3m、樹齢800年以上。五所川原市指定の天然記念物。
さらに5分ほど進むと“母沢なつかしの渓流砂防公園”がある。車幅一杯のでこぼこ道を何分も来るんだよ。こんなところにある公園に来る人がいるのかね。でも公園には駐車場もあるしトイレもある。渓流散歩道もある。散歩道を歩きたかったが時間がない。



七ツ滝 落差7m
この七ツ滝で発電していたという。今こそこういう発電が必要なのではないだろうか。ダムを造らずに済む。小水力ではあるが、太陽光や風力にエコでも負けないだろう。
関東平野は広く平らだが、神奈川県も東京都も埼玉県も西方は山だ。発電できる急流は結構あるはずだ。
例えば東京都の桧原村。ここにはたくさんの滝がある。檜原村に入って一番先に見える滝は中山の滝。落差はあまりないが、北秋川、南秋川が合流してからの滝なので水量は多い。十分発電できるのではないかと思う。
今晩から宿は五所川原市のサンルート五所川原。18時近くの到着。
7月22日 小雨
今日はくろくまの滝を目指す。五所川原から国道101号線を西に向かい五能線の陸奥赤石駅手前で左折南下していく。県道191号線を走って行くと、どんどん山の中に入って行くのが分かる。くろくまの滝へ近づいて行くのが実感できる。

案内板を見るとくろくまの滝は3本ある。第2、第3の滝は遊歩道閉鎖のため行くことができない。行ければ3時間ほどで回ってこられるようだ。

くろくまの滝(第1) 落差85m 100名滝
青森県には100名滝があと一つある。松見の滝だ。でもこちらは駐車可能な場所から往復20㎞、6時間以上歩かなければならない。最初から無理だと諦めている。

くろくまの滝(第1)も滝近くでは遊歩道が崩落していてすぐそばまでは行けない。
101号線を五所川原方向へ戻っていると“日本最古のリンゴの木”という案内板がある。行ってみよう。指示通りに入って行く。

日本最古のリンゴの木は当然ながら個人の所有物。塀の奥深くにありそう。でも周りのリンゴの木も幹が太い。

古そうなリンゴの木
五所川原市金木町へ戻り鹿の子滝を目指す。鹿の子滝は県道2号線沿いにある。昨日行った十二本ヤスの1本下の通りだ。

鹿の子滝は道路から一段低いところを流れる川からさらに落ちていくから見えづらい。下に降りる道はなし。

鹿の子滝 落差18m
落ち口は2本に分かれている模様。下から見上げることが出来れば見ごたえのある滝だと思う。
藤の滝へ行く道を探すのは難しかった。交番で聞いてもはっきりとは分からず、あの辺の道を行ってみたらどうですか、という返事。言われた道を入って行くと集団で川の草を刈って手入れをしている。そのうちの一人のおじいさんに藤の滝を尋ねると、うん、この先にあるよ、2㎞くらいかな。
どんどん進んで行く。2㎞を過ぎ3㎞も過ぎ4㎞も過ぎた。まだかな、違う道だったのかな、と5㎞過ぎた所にありました。

太宰治の“魚服記”の舞台とされている。

藤の滝 落差14m
やはり下に降りる道はない。水量が豊富なので下から見上げられれば結構迫力があると思う。
あと不動ノ滝があるはず。飯詰ダムに流れ込む不動沢にある滝とのこと。だけどいくら探しても分からない。不動沢自体がチョロチョロとしか流れていないので、滝もたいしたことないかと適当なことを思い諦める。
沖飯詰という地域に立派な黒松があるという。飯詰ダムから西に進み津軽鉄道を超えたあたりだ。


沖飯詰の黒松 樹高10m 幹回り6.8m 推定樹齢400年
五所川原市役所観光課から送ってもらった地図に手書きで梵珠大滝と記されている。車のナビには当然登録されていないけど、スマフォのグーグルマップには登録されていた。やはり車幅一杯のでこぼこ道を進んで行く。車が進めなくなったら傘をさして歩いて行く。ぐちゃぐちゃの道でトレッキングシューズに水が入ってくる。藪をかき分け進むが道がなくなり、もう限界。諦めて戻る。
7月23日 曇り
帰宅日。サンルート五所川原をチェックアウト。ここは安く、朝食付き2泊で14,000円。当然部屋は狭い。スーツケースを広げるスペースはない。ベッドの上に置いて広げるしかない。飛行機は青森空港発15:10。それまで何をしようか。予定の滝はすべて廻ってしまった。
送ってもらった津軽広域ガイドマップを見ていると、日本一の大イチョウ、という字が目に入る。行ってみよう。
昨日行ったくろくまの滝の最寄り駅の陸奥赤石のもう少し先だ。北金ヶ沢駅を目指す。駅が近づくと国道沿いに“日本一の大イチョウ”の案内板が出てくる。



日本一の大イチョウ 国指定天然記念物
樹高31m、幹回り22m、推定樹齢1,000年以上
樹高31m、幹回り22m、推定樹齢1,000年以上
このそばに杉の巨樹があるという。101号線を少し戻ったところだ。


関の杉 樹高35m 幹回り7m

関の杉 青森県指定天然記念物 推定樹齢1,000年以上
青森市に戻り源常林の銀杏を見る。青森市の指定天然記念物だがそばまで行くと案内板が出ている。


源常林の銀杏 樹高19m 幹回り6.7m 推定樹齢300年以上
次は宮田のいちょうを目指す。こちらも青森市指定の天然記念物。宮田の部落に入っても案内板は出てこない。洗車しているおじさんに聞く。あそこに見えるスタジアムの右側を入って行く。神社の手前右側だよ、と教えてくれる。
2本あると言いますけど。さあ1本しか知らないな。

西株が手前にある。


宮田の大いちょう西株 樹高18m 幹回り9.2m 推定樹齢800年
東株はもうちょっと奥、150mくらいか神社に近づいた方で少し高台になる。


宮田の大いちょう東株 樹高28m 幹回り8m
これで回れるところはすべて廻った。まだ13時前。どこか涼しいところで待機しようと考えるが、空港のロビーが一番涼しいだろう、ということになる。空港はすぐそばで搭乗2時間前に到着。図書館で借りてきた文庫本を読みながら待つ。
自宅には18時前に到着。お疲れさまでした。