
宮城県、山形県
2020年8月
結構遠いので電車か飛行機で行ってレンタカーを借りる方がいいのかもしれないが、自家用車で行く。同行者はなし。
8月22日
家を8時に出て最初の宿泊地の福島県の飯坂温泉には13時に到着してしまう。宿は伊東園ホテルズ飯坂叶や。まだチェックインできないので、このそばに赤川滝があるはずだが行き方を教えてほしいと、受付の女性に頼む。グーグルの地図をプリントアウトしてくれるが、いまいちはっきりしない。
小さい湖の南側の道を行けばいいように思うのだが、なかなかその道に入って行けない。山の中の果樹園で作業をしているおじさんがいる。“仕事中ごめんなさい、赤川滝を探しているんですが”と尋ねると、“ここからでは行けない、向こうにあった橋まで戻らなければ”と教えてくれる。橋を渡って左に曲がればいい、と向かって行くがやはり分からない。うろうろしているとさっきのおじさんが軽トラで迎えに来てくれる。
“狭い道だよ、この乗用車では傷だらけになっちゃうよ”と言いながらも案内してくれる。“この道をまっすぐ行けば赤川滝神社に出るから、そこなら車もUターンできるから”と教えてくれる。赤川滝神社の前まで行ってくれたようだ。この道はすごく細く、さっきこの前を通り過ぎた道だった。
赤い鳥居があり赤川滝神社と書いてある。鳥居をくぐり神社(当然無人)の前を通り遊歩道へと入って行く。あら残念。遊歩道が10m以上にわたって崩落している。これ以上先には行けない。かすかに滝の音がしている。探すのに時間がかかり宿に着いたら15時を過ぎている。チェックイン。
以前に他の伊東園ホテルズで貰った割引券がある。有効期限が過ぎていたけれど、“コロナのために来られなかった、何とか使えないだろうか”と聞くと、“OKです” 1,000円引いてもらって入湯税共8,750円だった。バイキングだが2食とも付いている。
8月23日 三階の滝(宮城県)
宿を8時前に出発。ナビに三階の滝と入れると登録される。ナビの示すとおりに行くと、蔵王何とかリゾートというスキー場に着く。夏にでも人はいるんだね。必ず留守番はいるようだ。“三階の滝へ行こうとナビに入れたら、ここに着いてしまったんですが。ここからすぐですか”と聞くと、“この山の反対側だけどここからでは行けないよ。ずっと戻って大きな赤い鳥居をくぐって行くと、その道が蔵王エコーラインだから、そこから遠望するしかないよ”と教えてくれる。そういえば蔵王エコーラインに滝見場所がある、と書いてあった。

三階の滝 100名滝 落差181m
三階の滝の上方は雲に隠れてしまっている。3段に分かれて落ちているので三階の滝というそうだ。この滝見場所から不動滝も見えるが1㎞程先に不動滝専用の滝見場所がある。

不動滝 落差54m
この近辺には地蔵滝、不帰の滝があるはずだが蔵王エコーラインからは見えなかった。入り口らしき表示もなかった。
秋保大滝
秋保大滝には11時半頃の到着。秋保は“あきう”と読むそうだ。アキホオオタキではナビに登録されない。秋保大滝不動尊の横を入って行くと滝見場所に着く。でもそこから600mで滝つぼに行ける。林を抜け舗装道路を少し歩き、階段を降って行くと滝つぼに出る。降って行く階段のそばにも駐車場があるが狭く車でいっぱい。日曜日ということもあって滝つぼ周りは子供ずれなどの観光客であふれている。
不動尊の前には蕎麦屋がある。いつも昼食はコンビニのサンドウィッチやおにぎりで済ませているが、今日は奮発してそばにしよう。天ぷらそばがお勧めと書いてある。マイタケ天の天ぷらそばが1,870円。それでも客は続々とくる。

秋保大滝 落差55m 100名滝
姉妹滝
秋保大滝は名取川にある。この名取川上流に二口渓谷があり姉妹滝もある。滝が2つ並んでいると夫婦滝と名付けることが多いがここは姉妹滝となっている。二口渓谷キャンプ場の駐車場に車を停め、二口渓谷自然遊歩道を歩いていく。山道を40分くらいか。標識は常に姉滝方面となっている。でも先に目に入るのは妹滝。姉滝は昔、滝のすぐ上流に水の流れで出来たトンネルがあり、そこを通って流れていたので昭和9年に天然記念物になっていた。しかし昭和20年にトンネルが崩落しただの普通の滝になった。そのため姉滝の方が有名。
橋や川岸からは妹滝しか見えない。靴を脱いで川に入って行き姉滝も写真に撮る。

右側が姉滝 落差18m
もっと上流にも白糸の滝というのがある。道路に白糸の滝入り口の標識あり。駐車場はないが他の車の邪魔にならないように駐車し、急な坂を降りていく。

岩盤に水が少し流れている。これが白糸の滝らしい。
宿は秋保グランドホテル。大きなホテルだ。バイキングの2食付きで9,900円だが、生ビール1杯と入湯税で10,850円となる。氷サーバーが無料で使えるのがうれしい。
8月24日
秋保グランドホテルの裏側は二口渓谷の続きの磊々峡(らいらいきょう)。650mに渡り遊歩道がある。朝食前に少しの散歩をする。

磊々峡
白糸の滝(山形)
宿を8時に出発。白糸の滝がある山形県戸沢村には10時半頃の到着。白糸の滝の手前に戸沢村役場がある。観光関係の部署を訪ね“最上48滝といって最上川には48の滝があるそうですが、その滝の地図などはありませんか”と聞く。“特別にそういうものはない。川下りの観光船に乗れば船頭が案内します”と言う。観光船の出発時刻や所要時間でタイミングが合いそうもないので乗船はやめる。車をゆっくりと走らせながら対岸を見ているが滝らしいものはない。白糸の滝ぐらいのものだ。
山形県には73歳にして初めて足を踏み入れる。今まで通過したこともない。これで日本の全都道府県に足を踏み入れたことになる。

白糸の滝(山形) 落差120m 100名滝
次の目的の七つ滝のそばまで来ると道路沿いに米の粉の滝ドライブインというのがあり、裏側に米の粉の滝がある。ここも対岸から眺めるだけ。

米の粉の滝 落差25m
七つ滝
七つ滝はナビに登録される。駐車場のすぐ横に滝見場所がある。13時半頃の到着。滝見場所から見るだけ。
今日は3つの滝を見るが、すべて滝見場所からの観光。時間が余ってしまう。米の粉の滝ドライブインの観光案内図には、大日坊の境内には皇檀の杉という古木がある、と書いてある。境内というがかなり離れている林の中にある。Wikipediaで調べてみると、第12代天皇の景行天皇(日本武尊の父)の息子の御諸別皇子がこの地で亡くなったのにちなんで皇檀の杉と名付けたとある。推定樹齢1,800年。高さ27m、根廻8m。

七つ滝 落差90m 100名滝

皇檀の杉
今日の宿は月山温泉の五色亭。個人営業の小さい宿。古くはないのだが、部屋は6畳一間でトイレもない、エアコンもない。扇風機はある。今回の滝巡りの中では一番高い。と言っても2食付きで11,550円。
8月25日 滑川大滝
宿を7時半に出発。滑川橋を渡ったところに5,6台置ける駐車場がある。10時頃の到着。ここまでの道5,6㎞はすれ違い出来ないほどの狭さ。もっともめったに対向車は来ない。駐車場に車を置くとすぐにもう1台停車しておじさんが降りてくる。“こんにちは、滑川大滝にいくんですか?”と聞くと、そうだと答える。“後をついて行ってもいいですか?”OK。しかしすぐにおじさんはこう言った。“肝心のカメラを忘れてしまったから家へ取りに行きます。福島だから1時間くらいで家に着くんですよ”滑川大滝への行き方を聞く。“目の前の川を渡渉して、ピンクのビニールテープのあるあたりを上に登ると山道が出てきます。それを道なりに行けば山頂の滝見場所に出ます。反対側を降って行くと川に出ます。目の前の川とは別の川です。この川をさかのぼって行くと滝に出ます”
滑川大滝へ行くためにトレッキングシューズの上から履くオーバーレインシューズを購入してある。早速履き川を渡る。オーバーレインシューズを脱ぎ、藪をかき分けて急坂を登り山道へと出る。30分も登ると急に木陰がなくなり直射日光に照らされる。ここが滝見場所だ。反対方向の山道を20分も降ると川に出る。ここでまたオーバーレインシューズを履き川の上流へと川の中を歩いていく。川底は岩盤で比較的平らだから歩きやすい。岩ばかりのところもある。10分も歩くと滑川大滝に到着する。11時半頃。

山道からの滑川大滝

川底は岩盤で歩きやすい

滑川大滝 落差80m 100名滝
山からの帰り道、滑川温泉の建物が見え川に小さいけれど橋が架かっている。渡渉しないで済むのかなと思い行ってみる。橋は温泉宿の持ち物で、老朽化しているらしく通行禁止になっていた。さっきはこの辺から山道に出たなと思いながらもそのまま山道を降りていく。100mも行かないで川に出る。そうすると川に入らずに飛び石伝いに川を渡れるところがあった。無理して藪の急坂を登らなくても良かったのだ。最後にカメラを忘れたおじさんと会う。“2時間遅れです”と笑っている。
昭文社の分県地図山形県版には滝の表示が少ない。また車で走っていても山ばかりだが滝への標識があまりない。山形県は山ばかりだが滝は少ないのね、と思っていた。米沢市役所観光課へ行く。“今日は滑川大滝へ行ってきた。明日は白布大滝へ行く予定です。そのそばに赤滝、黒滝、火焔滝がありますが、何か資料はありますか”と聞く。
“赤滝、黒滝は西吾妻スカイバレーという道路から見るだけでそばには行けません。白布からロープウェイに乗って天元台へ行ったらどうですか。歩いて火焔滝(ひのほえのたき)や明道の滝への展望台への散歩コースがあります”あと手渡されたのが滝王国山形というパンフレット。“えっ、山形は滝が少ないと思っていたけれど本当は多いのね”
まだ時間があるので米沢城址へと行ってみる。“なせば成る なさねばならぬ何事も ならぬは人のなさぬなりけり”ということを聞いたことはあるけれど、上杉鷹山の言ったことだったのね。今日、明日とベストウェスタン米沢に2泊。夕食は付かないが2泊で12,540円と安い。

上杉鷹山像
8月26日 白布大滝(しらぶおおたき)
宿を7時半に出発すると白布大滝には8時に到着。滝の標識のそばには駐車場はない。でもT字路になっていて片側のコーナーに1台分のスペースがある。厳密には駐車禁止なのだろうが停める。標識から降って10分もしないで滝へと着く。

白布大滝 落差30m
米沢市観光課のおすすめのロープウェイに乗って天元台へ行こう。ロープウェイ乗り場には点検作業のため運休と出ている。車では天元台へ行けない。滝王国山形のホームページに出ていた繰返不動滝、関根大滝へと行ってみよう。
繰返不動滝、関根大滝
繰返不動尊は白布大滝に来る途中にあった。社の前に車を停め、小滝まで10分、さらに10分で大滝。小滝までは道路幅もあり勾配も緩やかであったが、その先の大滝までは山道となる。
関根大滝はナビに米沢市関根主要部を登録し関根地区に向かう。途中大滝沢不動尊への標識を見つける。関根大滝とは書いていないが何となく匂う。ぎりぎりの幅だが滝前まで車で入っていける。あとでホームページの写真と比べてみると関根大滝に違いない。

繰返不動滝の大滝 落差12m 滝下部右側に石製の不動尊がある

関根大滝 落差20m 中段に不動尊がある
三階の滝(山形)、くぐり滝
まだ昼前。宿に戻りiPadでまた滝王国山形のホームページを見る。三階滝は長井市寺泉地区、くぐり滝は南陽市小滝地区。
1時間ほどで長井市寺泉地区に着く。道路工事をしている人がいる。暑いから なかなか人が見つからない。とにかく人がいたら聞くようにしている。
“三階の滝って知っていますか”
“いや知らないな”
“あやめ温泉さくら湯のそばだというのですが”
“桜湯ならその看板にもある通りすぐそこだよ”
なるほど、桜湯はあっち、と看板がかかっている。ホームページにはさくら湯の駐車場から1.5㎞、40分と書いてあった。でももっと入って行けそう。1台やっとの道をゆっくりと進んでいく。ついに駄目。轍が深くなってセダンでは入って行けない。ジープタイプの4輪駆動車なら入って行けるだろう。まんいち他の車が来ても通れるように車を置き、歩いていく。20分ほどで三階の滝。ここには三階滝神社の社がこじんまりとある。

三階の滝(山形) 落差11m
ナビに南陽市小滝主要部を登録。小滝地区に入って街中に入る前にくぐり滝の標識が出てくる。県道から3分ほどだがやはり道は狭くすれ違いが出来ない。不幸にして1台の軽乗用車が来る。でも上手な人で何とか私の車が通れるように空けてくれる。駐車場には1台の乗用車があり若いアベックが帰るところだった。100名滝以外で人にあったのは初めてでないかな。岩にできた穴から流れ出てくるのでくぐり滝という、とホームページに書いてある。

くぐり滝 落差14m
宿には17時に到着。夕食は昨日と同じ、米沢駅前の“発酵料理こぶた” ここが結構おいしんだよね。
8月27日
ホテルを7時半に出発。途中昼寝、昼食を摂るも自宅には13時に到着。お疲れさまでした。
あらためて山形県の地図を見ると人の顔をしている。“こぶた”の女将と話をしていたら“俺の住んでいるところは顎のあたりだよ”と言うお客さんもいるんですよ、こういう会話も成り立つんですよ。
