海外での交通違反

  

1回目
 2001年8月のオーストラリアのフリーマントルだった。
沖合のロットネスト島に行くのに切符売り場の前のカフェの横にある駐車場にレンタカーをおいて島へ渡った。
戻ってくると車には駐車違反の紙が貼ってある。車を動かしてよく見ると、その場所は5分に限り駐車可であった。
 切符売り場のお姉さんに相談すると、紙を見て住所から大体の地図を描いて、ここへ払いに行けと言う。20ドルほどと記憶している。目的地近辺に車を置いて探していると、よぼよぼのおじいさんがどうしたかと声をかけてくれる。事情を説明すると紙の住所を見るのにメガネを出す。メガネを出すのにかなりの時間がかかり私はいらいらしてくる。このくらいのよぼよぼ度なのだ。それでもステッキを突きながらゆっくりと道案内をしてくれる。
でも目的地に着くと、その反則金納付所は開いていなかった。受付時間が終わっていたのだ。
 ホテルに戻りコンシェルジェに相談すると、コンシェルジェはレンタカー会社に電話をする。そしてレンタカー会社が代行くれるから帰りに紙とお金を渡すようにと言ってくれた。
2回目
 やはりオーストラリア。2003年の1月だ。ケアンズからタウンズビルへ移動中にネズミ捕りに引っかかったのだ。
 オーストラリアでは周りに何もないところでは制限時速は100kmほど。だがたまにある街の手前から50kmと落ちる。
この落ちたところの木か何かに監視カメラが付いていたらしい。
帰国してだいぶ経ってから50ドルの請求書が届く。
そのまま知らん顔をしようかとも思うが、次回行ったときに入国拒否にされても困るから支払うことにする。
 オーストラリアの法律では封筒に現金を入れてはいけない。反則金の50ドルを現金で封筒に入れて送ることは出来ない。近所の千葉銀行に行き50オーストラリアドルの小切手を作ってもらう。この手数料がなんと6,000円もかかってしまった。手数料だけですよ。
3回目
 2006年8月のチェコ。トシェビーチという街でバスターミナルの裏の駐車場に車を止め観光に出かける。帰ってくると前輪左側に輪がはめられて動かせないようにしてある。また運転席の前のガラスに駐車違反のステッカーを貼ってある。
 これは困ったと周りを見渡すとおじさんが駐車中の車にいる。貼られていたステッカーをおじさんに見せ車を指差すと、電話をしてくれる。すぐに警官が来るから、とチェコ語で言う。(分からないけどそういっていると思う。)しばらく待っていると警官が2人来る。年配といっても30代の警官が何か言うから国外免許証を見せる。また何か言うからパスポートを見せる。また何か言うけどさっぱり分からない。
 私はちゃんと駐車可の枠内に入れてあると主張する。私はつたない英語で、彼はチェコ語で主張する。
彼は駐車場にあるメーターを指差す。
また隣の車の外から良く見える所に置いてある領収書も指差す。
駐車料金前払いの領収書だ。
Oh sorry. I didn’t know that.
 警官は肩に掛けた無線で本署と連絡を取っている。そして
 OK、nothing.
 と言い若い警官に前輪にはめられた輪をはずすように指示する。
 大変な10分ほどだった。
4回目
 2008年5月のクロアチア。
ロビニの街で遊覧船に乗る。2時間ほどか、戻ってくると車には駐車違反のステッカー。現地通貨で80クーナ。遊覧船の切符売りのお姉さんに100クーナ札と納付書を渡しお願いする。おつりの20はチップで。どうも短時間の駐車可の場所らしい。
これと同じことをザグレブの街であと2回やる。
もうめんどくさくなって何の処置もしないでそのまま日本に帰ってくる。しばらくするとクレジットカードから引き落とされている。レンタカー会社経由であった。
5回目
 2009年5月のスイス。最後の宿泊地チューリッヒのホテルに着き駐車場を聞くと、なしという返事。
ホテル前の道路の駐車枠に車を入れ、パーキングメーターにコインを入れると戻ってきてしまう。そのままにしておくと翌朝には駐車違反のステッカーが貼ってある。
 飛行場に行き車を返しながら反則金納付書と反則金の40フランを係員に渡そうとするが受け取らない。どこそこへ行けと言っているようだが分からない。また広い空港の中で探す気は全くない。そのまま日本に帰ってくる。
 7月1日付けでスイスの警察から郵便が来る。英語で書かれている。辞書を引き引き解読すると、交通違反の反則金350フラン払えというもの。チューリッヒで駐車違反したのは事実だがそのときの納付書は40フランだった。40フランなら払うが350フランは払えないと書いて郵送すると、7月15日付けで40フランの請求書が再度送られてくる。
 これに対しクレジットカードの番号を記入し40フランが口座から引き落とされるようにした用紙をスイス警察に郵送する。友人の助言によりこの用紙を支払った証拠としてコピーしておく。
 これで終わったと思ったら8月になってからまたスイス警察からドイツ語で350フラン払えというらしき手紙が来る。
ドイツ語なので全く理解できず辞書もない。分かったのは数字の350フランだけ。そのまま放っておく。
 12月2日にスイスから配達証明付の郵便が来る。差出人は今までと違ってStadtrichteramtとなっている。今まではStadtpolizei。警察から検察になったのか。
やはりドイツ語で書いてあり数字は350、300、30合計680とある。延滞罰金、利息含めて680フラン払えということか。
 これ以上放っておくことはまずいと考え、日本語で今までの事情と、40フラン支払った証拠の用紙のコピーと、確かにスイス警察が40フラン引き落としたことが記入されているクレジット会社の請求書のコピーを12月4日に郵送する。
 そして日本語で書いた今までの事情のあとに英語で次のように書く。
 I don’t know German at all and I don’t know English very well.
 Contact me by Japanese speaker in the Switzerland Embassy in Tokyo please.
 2010年1月末現在反応はない。