
山形
2022年8月21日~25日
8月21日 同行者 奥さん
JALの夕方便で行く。山形には少し遅れて19時前に到着。オリックスでレンタカーを借り今日の宿“天童温泉 湯の香 松の湯”には19:30頃の到着。
松の湯は2本の源泉を引いている。一つは天童温泉全体で使っている源泉。これは硫酸塩泉と呼ばれているもので、陰イオンの硫酸イオンと陽イオンのナトリウム、マグネシウム、カルシウムが結びついて硫酸塩を作っている温泉。中風や傷に効用有りとなっている。もう一本の松の湯独自の源泉は弱アルカリ性の単純泉となっている。効用は神経痛や疲労回復などで天童温泉全体の源泉と変わらない。温泉は成分が多少異なっても効用はほぼ同じ。そりゃそうだよね、成分が多少異なると言っても全体から見ればほんの些細なものだから。
8月22日
今回の旅行は奥さんの発案。奥さんの意見が最優先。8:30頃の出発で山寺を目指す。山寺の正式名称は宝珠山立石寺。でも山寺で十分に通用する。というよりも山寺の方が圧倒的に通りが良い。何といっても最寄りのJRの駅名が山寺なのだから。有料駐車場は個人経営で500円。もっとお寺近くに行くと、1,100円以上の買い物をした人は駐車場料金無料、など書いた土産物屋がある。

山寺参道入り口

参道上がり切ったところの根本中堂

奥の院への入口 入場料300円
奥の院へは1,015段の階段を登って行く。9時過ぎに登り始めるが、もう降りてくる人がいる。

階段を延々と登って行く。

ようやく奥の院に到着
奥の院近くには展望所もある。

展望所からの風景 駅は仙山線山寺駅
宿に戻り、途中道の駅で購入した弁当を摂り昼食とする。奥さんの今日の予定はこれで終わり。休憩後市内の巨樹を見に行こうとNetで何件か候補を見つける。旅館の受付で、巨樹を見に行きたいが地図などはないか、と聞くと、旅館のご主人(かなりの年配、私は長老と呼んだ)が出て来ていろいろ説明をしてくれる。行った方がいいのはこことここで電話番号はこれです、とナビで検索しやすいように教えてくれる。

熊野神社の大ケヤキ 推定樹齢600年 根廻9.8m 天童市指定天然記念物 上部が欠損している。
次の向かったのが、市内田麦野地区の旧田麦野小学校で今は高原の里交流施設“ぽんぽこ”の裏にある赤松。このぽんぽこの電話番号を教えてもらいぽんぽこに駐車する。事務所に寄り、赤松を見に行きたいので駐車させてほしい、また赤松への行き方を教えてほしい、と頼む。

赤松へ行く途中にあるオオヤマザクラ 市指定天然記念物 桜はやはり花が咲いていた方が良い。

赤松 地元では“かさまつ”と呼んでいる。

かさまつ 根廻4.8m 樹高18.5m 市指定天然記念物
帰路もぽんぽこに寄りお礼を言う。年2回手入れをしているそうだ。高所作業車など入らないから莫大な費用が掛かるだろう。
宿の長老が、ここは絶対に行った方が良い、という東根の大ケヤキを目指す。東根市は天童市の隣。当初は天童市内だけを考えていたが長老の言葉で行くことにする。大ケヤキは東根小学校の校庭内にある。

東根の大ケヤキ 推定樹齢1,500年以上

根廻16m 樹高28m 国指定天然記念物

大ケヤキ 根本
松の湯に連泊。
8月23日
チェックアウトする時に宿の長老が出て来て、今日は何をするのですか、と聞いてくる。奥さんは銀山温泉に行くだけですと答える。では面白山の紅葉川渓谷がいいですよ、ぜひ行ってらっしゃい。昨日山寺に行くときに面白山の案内があったな、と思い出す。行ってみよう。宿の前で長老が私たちの写真を撮ってくれる。

山寺の前を通り道路標識に従って走っていると、紅葉川渓谷の案内が出てくる。

この案内図の前に何台かの車が停められる。ここに駐車し谷に降りて川沿いに上って行けばいいようだ。でももうちょっと先の面白山高原駅まで行ってみよう。面白山高原駅のそばにも駐車可能な場所はある。人は見えないが店舗もある。ここに駐車して渓谷を降って行こう。

仙山線面白山高原駅
渓谷を降って行く。遊歩道は狭くすれ違うのは大変だ。でも2㎞近くある遊歩道で誰にも会わなかった。奥さんは、なんでこんなところを勧めたんだろう、とブツブツ文句を言いながら付いてくる。ただ私もこういうところを歩くつもりはなかったので、トレッキングシューズを持ってきてはいない。注意して歩いて行く。


紅葉川渓谷 所々に滝もある。

帰り道は県道に登り舗装道路を歩いて駅まで来る。2時間ほどのトレッキングであった。長老は、山形は蕎麦がおいしいですから是非食べてください、とも言う。国道沿いにある道の駅で蕎麦を食すがどうもぴんと来ない。十割蕎麦は私には向かない。蕎麦よりもうどんの方が良い、という私だから。ただ松の湯で夕食時に出た少量のとろろかけ蕎麦(十割ではないと思う)はおいしかった。
15時前に銀山温泉に到着。Netで見ると、江戸初期に銀山が発見され延沢銀山と命名。寛永年間(1,630年代)に最盛期を迎える。元禄2年(1,689年)全山閉山。寛保年間(1,740年)に温泉保養地として盛んになる。銀を掘ってた頃からお湯が湧き出ていたのだろう。
余談だが、常磐ハワイアンセンター(今はスパリゾートハワイアンズ)も常磐炭鉱で石炭を掘っていてお湯が湧き出ていた。石炭をやめて(駄目になって)温泉地として発展した。
川の両側に旅館がびっしりと並んでいる。この旧市街と呼ばせてもらう街並みの中には車は入れない。今日の宿“旅館松本”に電話をすると、旧市街入口に旅館松本の専用駐車場があるのでそこに停めて歩いてきてほしい。15時前でも構わない。

銀山温泉旧市街
銀山川を少し遡ると白銀の滝がある。

白銀の滝
旅館松本の温泉は、湯船は狭いが、いいお湯だった。温泉でもどこでも湯に浸かると5分もたたずに出てしまう私だが、旅館松本の湯には長く浸かれた。
8月24日
奥さんの希望で最上川舟下りに行く。9:50発の舟に乗る。船長の他に女性ガイドが付く。最初から最後まで喋りっぱなしであったが結構楽しませてくれた。花笠音頭か何かの民謡をフランス語バージョンとかで歌っている。

乗船地

舟下り
救命道具を持っている人はしぶきがかかるのを防ごうとして、救命道具を手に持って構えている。

白糸の滝 落差120m 100名滝
10:50に下船。車は乗船地に置きっぱなしだが11:05に路線バスが来て乗船地へと連れて行ってくれる。また代行運転もあって下船地まで車を運ぶサービスもある。奥さんの今日の希望はこれだけ。
さあ次はどうしようか考える。昼食を最上川沿いの蕎麦屋で摂る。また蕎麦だ。ガイドブックを見ていると近所に“幻想の森”というのがある。タコ足状に幹が分かれた天然杉が自生し、樹齢1,000年を過ぎたものも数多くみられる、と記してある。蕎麦屋で聞くと、水害の後整備されず道がデコボコだ、今は誰も行かないので熊が出る恐れがある。
今回は熊対策は何もしてこなかった。熊対策と言っても鈴を鳴らすだけだが。幻想の森に行くのはやめて、“小杉の大杉(トトロの木)”を見に行こう。ナビに鮭川村小杉を登録し進んで行く。近所に入ると“トトロ”の案内板が出てくる。


小杉の大杉(トトロ) 根廻6,3m 樹高20m 推定樹齢800年 村指定天然記念物
今日の宿の銀山温泉“銀山荘”には16時頃の到着。昨日と同じ銀山温泉に泊まるのだが、予約した時点で部屋が空いていなくて連泊で取れなかった。ようやく1泊ずつ取れた次第だ。銀山温泉は人気が高く旧市街にはたくさんの人が行き違っている。
銀山壮は旧市街にはなく、もっと手前に位置していて旧市街までは少し歩く。銀山壮には部屋にプライベート風呂が設置されている。ただ大浴場は温泉だがプライベート風呂は沸かし湯とのこと。
8月25日
今日の奥さんの希望は寒河江市の慈恩寺。車のナビには登録されておらず、市役所をインプットし観光課へと行く。地図をくれ、丁寧に教えてくれる。
Wikipediaによると、慈恩寺は聖武天皇の勅に寄り創建された。時代と共に法相宗、真言宗、天台宗を取り入れ今は慈恩宗を称している。本山慈恩寺である。国指定の文化財は多いが、殆どは未公開。本堂で見られるのは木造阿弥陀如来坐像、木造聖徳太子立像(16歳時)など。隣の薬師堂には木造薬師如来及両脇侍像がある。
薬師堂の担当僧に、大日如来や阿弥陀如来などたくさんいるが一目見て何如来か分かるのですか、と聞くと、
なかなか分からないですよ、ただ薬師如来は薬壺を持っているのですぐ分かります。薬師様はお医者さんなんです。

慈恩寺案内図

慈恩寺本堂

慈恩寺薬師堂

慈恩寺三重塔 この中に国指定文化財の大日如来坐像がある。
奥さんの今日の予定は寒河江駅そばのGEAで昼食を摂れば終わり。昼食の前に熊野神社の大かつらを見に行く。


熊野神社の大かつら
昼食はGEAでスパゲッティ-。
さてこの後どこへ行くか。今日は帰宅日だから飛行場から見てそんなに遠くへは行けない。東根市に関山大滝があって、そのそばに大かつらが2本あると地図に出ている。国道48号線沿いにある。関山大滝はすぐに分かる。国道沿いにドライブインが出ていてそのすぐ裏にある。

関山大滝 落差10m
ドライブインのおかみに、このそばに大かつらが2本あると聞いたんですけどどう行けばいいですか、と聞く。
この先の廃業したドライブインの脇の道を入って行けばいいんだけど、もう誰も行っていないから大かつらだって分かるかしら。
指示されたとおりに入って行くと、橋を越えた先の道が10m程に渡って水没している。これはまずい、諦めよう。
48号線のもっと先、宮城県に入ってからやはり国道沿いに作並大滝があるはずだ。行ってみるが分からない。戻ろう。
飛行機の時間までまだある。空港は東根市にあるが隣の村山市には“おくまん様の杉”がある。ここも熊野神社だ。社そのものは大きいがやはり無人。入って行くとアブやその他の虫だらけ。写真を数枚撮り慌てて退散する。

おくまん様の杉 樹齢800年 根回り8m 樹高48m
空港にはフライトの1時間半ほど前に到着。
今回の旅行では3か所の旅館に泊まった。お湯が良かったのは、浴槽が狭かったけど、旅館松本。食事がおいしかったのは天童の松の湯。値段が一番高かったのは銀山壮でした。