イタリア 美しい村と小さな街めぐり

2017年3月21日~3月31日  

3月21日
 今回はクラブツーリズム主催のイタリア・美しい村と小さな街巡り10日間というツアーに一人で参加する。参加者は21名。
 飛行機は成田発のフィンエアー。ヘルシンキ乗り換えでミラノへと行く。ビジネスクラス利用で申し込んだが、ヘルシンキ‐ミラノ間は当然エコノミー。この区間が3時間もかかり参った。過去2回のイタリア旅行はクラブツーリズム、ユーラシア旅行社であったがともにアリタリア航空を使い直行便であった。今回のツアーの広告を見たときに、おっ安いな、と感じたのを覚えている。やはり安いのには安いなりの理由があったのだ。
 ミラノの宿のヒルトン・ガーデンインには19時過ぎに到着。夕食はなし、と成田空港で添乗員の北橋さんが言っていたので、成田のフィンエアー(実際はカンタス)のラウンジから持ってきたクロワッサンなどを食べる。
3月22日 ミラノ
 ミラノから2時間ほどかけてトリノへ移動。今日からバス、運転手は28日まで同じ。
 トリノでの観光はカステッロ広場、王宮、マダマ宮殿。王宮、マダマ宮殿は外観のみ。大聖堂に入場観光後ローマ通りを南下。サン・カルロ広場で若干の自由行動。添乗員にくっついてチョコレート屋に行き、土産にイースターにちなんだ卵型のチョコ詰め合わせを購入。30ユーロとちょっと高め。再集合の時にもう10分遅れてきた夫婦がいる。これからが思いやられる。
 近所に古代エジプト博物館がある。エジプト以外では大英博物館と並んでの収蔵物だそうだ。話だけで通り過ぎる。
カステッロ広場に立つ市立古典美術館
ジェノヴァ
 昼食後3時間ほどかけてジェノヴァへ。着いたのは17時過ぎ。ガルバルディ通りを歩いただけ。1時間ほどの自由時間があったのだが、赤の宮殿、白の宮殿(入場料は2か所でいくらとセットになっている)を見るには時間が足りませんよと添乗員が言うので、近所をぶらぶらしただけ。
 細い路地には世界遺産的な建物だけでなく、近所の人のための小さい魚屋や八百屋がある。また昔からの港町らしくイスラム様式を残した建物もある。泊まったホテルのブリストル・パレスは繁華街の中にあり、商店の間に小さい入口があるが中は広い。
 ホテルのちょっと先にあるフェラーリ広場には噴水がありライトアップされている。
フェラーリ広場の噴水
3月23日
 ジェノヴァから100kmほど南東へいったラ・スペツィアへ行く。ここはもうリヴィエラ海岸の東端。ここからローカル列車に乗りチンクエテッレへ行く。
チンクエテッレには5つの小さい漁村があり全部で1つの世界遺産になっている。人口は多いところで1000人、少ないところで300人だそうだ。トンネルだらけの列車に乗り、少し視界が開けたなと思うとそこが駅になっていて村がある。5つの村はラ・スペツィアから遠い順にモンテロッソ・アルマーレ、ヴェルナッツァ、コルニグリア、マナローラそしてリオマッジオーレ。
 このうちまずヴェルナッツァに行く。両側にカラフルな4階建ての建物を見ながら歩いて行くとすぐに海岸に出る。港も当然狭い。建物が山の急斜面にへばりついている。建物の上はブドウ畑。
 村観光はガイドがいるが原則自由行動。自由時間は列車の出発時間に合わせて、出発の10分前に駅集合だ。大体1時間弱。
ヴェルナッツァの港
次がマナローラ。
この通りの先に港がある
 最後に寄ったのがリオマッジョーレ。ここが最大の村。今は線路も道路もあるけれど昔はなかった。1000年もの間各村は船で行き来していたという。リオマッジョーレと隣のマナローラの間には崖を削って道があり愛の小道と呼ばれている(全長1km)。いつ開通したか分からないが、こういう道がないとまずいよね。外部から血が混じってこないと大変なことになるから。2012年にがけ崩れが起き通行止めだったが、2015年より部分開通しているそうだ。
リオマッジョーレ
 列車でラ・スペツィアに戻り昼食。その後バスで3時間半かけてボローニャへ移動。今日の宿はボローニャ郊外のNHボローニャ・ヴィッラノーヴァ。このホテルのすぐ横がショッピングタウン。いろいろな専門店のほかに巨大なスーパーがある。オリーブオイル、生ハム、チーズ等たくさん購入。重くて持つのがやっと、というほど買っても100ユーロでちょっとお釣りがあった。
3月24日 サン・マリノ共和国
ボローニャから2時間ほどかけてサン・マリノに到着。サン・マリノは国としては世界で5番目に小さい(面積で)という。ちなみに小さいのは順番にバチカン市国、モナコ公国、ナウル共和国、ツバル、サン・マリノ共和国となる。
 サン・マリノのほとんどは山の上だが麓にも領地はある。産業としては観光、切手発行が大きなものだが、農業ではワイン、チーズの製造が盛んということだ。また小さい国なので国民のほとんどが知り合いなため、警察官や裁判官は国民と無縁な外国人を雇っているという。
サン・マリノ共和国 第1要塞(第3まである)
 今日の昼食はフリー。崖の上のレストランでシーフードパスタを注文する。ウェイターはグッドチョイスと言っていた。まずくはないけど感激するほどおいしくもなかった。
シーフードパスタは12ユーロ。一緒に頼んだビールは500ccで5ユーロ。
シーフードパスタ
ラヴェンナ
 サン・マリノから2時間ほどかけてラヴェンナへ。
ラヴェンナはモザイクの街。サン・ヴィターレ教会の内部のモザイクも素晴らしいが、付属のガッラ・プラチーディア廟も小さいが天井壁全てモザイクだらけ。また街の民家もモザイクで飾られている。
ガッラ・プチーディラ廟の石棺とモザイク
民家の飾りのモザイク
3月25日
 昨夜の泊りもNHボローニャ・ヴィッラノーヴァ。また隣のスーパーに買い物に。同じツアーのおばさんの真似をして、パスタソースとリゾットを購入。リゾットは水500ccを入れ煮込むと2人前できるレトルト。クノール製だ。とても安く1.54ユーロ。パスタソースも1.62ユーロ。でもリゾットはあまりおいしくなかった。パスタソースはまだ使用していない。
モデナ
 まずボローニャから1時間ほどのモデナに行く。最初に行ったのはバルサミコ酢の工場。工場といっても樽が並んでいるだけの展示場に案内される。そこで説明を聞き即売会となる。近所のマルエツで月1回くらい牛肉の4割引きセールをやる。1500円の物が900円になる。買って塩コショウで焼いて食べるのだがおいしく作れない。バルサミコ酢をかけるとおいしくなるというので1瓶購入。でも高くて100ccで47ユーロ。まだ試していない。
 モデナは大聖堂と市民塔、前の広場を合わせて世界文化遺産の登録を受けている。
市民塔から見た広場
 午後はボローニャに戻り市内は昼食も含め自由散策。ボローニャ大学は1088年創立でヨーロッパ最古の大学として有名。また工業都市でボローニャ発祥の企業にはドゥカティ、ランボルギーニ、マセラティ、ア・テストーニなどがある。
 歩行者天国のオープンエアーの席が満員でなかなか空かない。しばらく見ていると1席空いたので座る。店員が来て、パスタ?と聞くから、ウィ、アンドホワイトワインと注文する。まずくはない、でもやはり感激するほどでもない。
 ピサだけでなくここにも斜塔がある。高い塔はまっすぐ建っているように見える。すぐ横の低い塔が傾いている。低い塔に高い塔の影が映っている。それが斜めだからどちらかが傾いていることははっきりしている。高い塔には4ユーロで登れるのだが長蛇の列。集合時間まで戻れそうにないので諦める。
レンズのせいで傾いて映ることがあるが、影を見るとよくわかる
2時間かけてサンジミニャーノへ移動。宿泊はブドウ畑の中の邸宅風ホテルのヴィラ・サンパオロ。バスタブはジャグジーになっていてボタンを押すとエアーが4か所から吹き出てくる。もう少し勢いがあると申し分ないのだが。
 スーパーがあったのでワインを購入。こちらのワインは全てコルク栓だ。安くてもスクリュウネジの栓はない。1本買ったら飲みきれないので買うのを控えていた。ところが紙パックで、250cc入り3本で1.6ユーロというワインを見つけたのだ。白は売り切れで赤しかなかったが購入。値段が値段だから心配したが飲める。レストランで料理と一緒にワインを頼んでも全般に安い。ビールは安いと思わないがワインは水並みの値段のものがある。
3月26日
 サンジミニャーノの歴史地区には14の塔が残っている。10世紀〜12世紀にかけては富の象徴として72もの塔が建っていたという。
城壁の門からは観光客がどんどん入っていく
ホテル ヴィラ・サンパオロの前のブドウ畑
モンテリッジオーニ
サンジミニャーノから45分ほどでモンテリッジオーニに到着。ここに要塞に囲まれた村がある。Wikipediaを見るとシエナの街の防衛のための砦で直径170mの城壁に囲まれた村とある。
共に村の博物館の展示品
ピエンツァ
モンテリッジオーニから1時間半かけてピエンツァに到着。イタリア政府観光局の記事を見ると、時のローマ法王ピウス2世が1,459年に生まれ故郷を『理想の街』にしたいと建築家ベルナルド・ロッセリーノに命じ、街を作り直したという。だが2人とも完成前に亡くなったという話だ。私から見るとどこも同じに見える。
ピエンツァ 大聖堂へと行く
シエナ
 午後はシエナに入る。シエナはトスカーナ地方では大きい町で、中世には金融業で栄えた都市国家だったが、50?離れたフィレンツェに負けてメディチ家の傘下となる。
 世界遺産になっているカンポ広場では毎年2回競馬が開かれる。シエナの街は17の地区に分かれていて、この地区対抗の競馬で、何でもありの競争という。他地区の騎手を買収してもいいし、レース中に他騎手を鞭で叩いても構わない。ただそのため騎手が落馬して重量負担のかからない馬が先頭を切ると、この馬が優勝となる。わざとゴール前に落馬して馬の負担を軽くする騎手もいるそうだ。
コースはカンポ広場の外周部に土を入れて作るそうだ。広場の内部は観客席の一部となる。一周300mを3周して勝負を争う。時間にして1分。この1分のために町中が大騒ぎになるという。
カンポ広場 グレーに見えるところがコース、中や周りのビルは観客席
後ろの塔はシエナのドゥオーモ(大聖堂)
 今日の夕食もフリー。カンポ広場に面したスーパーでピザの切り売りを買う。ホテルのヴィラ・サンパオロで、昨日買ったワインと一緒に食す。
今日もやはりおいしくない。でもおいしいものが食べられないと言っているけど、お金を使わないんだから話にならないよね。今日のピザだって1.6ユーロ。おいしく食べる努力をしていない。
今日の夕食はホテルでも食べられますと添乗員が言っているので、ホテルのレストランで食べればいいんだよね。きちんとお金を使って、そうだねやはり100ユーロ以上使ってから文句を言うべきだよね。
3月27日 カスティリオーネ・デル・ラーゴ
サンジミニャーノから2時間ほどでカスティリオーネ・デル・ラーゴ。『美しい村協会認定の村』ということだ。要塞は大きな湖トラジメーノ湖のほとりにある細長い長方形の街。どこもそうだが要塞内店舗の入り口は花など飾りきれいにしてある。
バスを降りてカスティリオーネ・デル・ラーゴの要塞内の観光へ行く。城壁の上に入口がある
ウルビーノ
 2時間半でウルビーノに着く。山間部にある城塞都市。領主が建てたドゥカーレ宮殿もあるが、ここには行かずラファエロの生家や町中の散策をする。山間部の高いところにあるので当然坂が多いが、眺めはいい。
ウルビーノの街
アッシジ
 3時間かけてアッシジへ。ホテルはアッシジの旧市街が眺められる位置にあるオラ・ホテル・チェナコロ。ホテル着後数人でアッシジの街の撮影スポットへ行く。
 夕食はホテル内レストラン。やはりワインが安い。ボトルで12ユーロ。すぐそばに座った40前後の男性と横浜から来た夫婦の奥さんの方(60ちょっとか)の3人でワインを2本開ける。もう出発から1週間もたっているのでだいぶ打ち解けてきている。
アッシジ旧市街全景
世界遺産となったサンフランチェスコ聖堂
3月28日 チヴィタ・デ・バーニョレッジョ
 アッシジから2時間。小さいバスに乗り換えて橋の手前まで行く。凝灰岩の上に建つバーニョレッジョの村は手前の村とは橋で繋がっている。話を聞いた時には吊り橋かと思ったがきちんと舗装された橋が架かっている。冬の人口は10人、夏になると100人を超えるという。観光客目当てで増えるのだろう。いずれは雨風で削られて崩落する運命なんだろうな。ここも『美しい村協会認定の村』となっている。
チヴィタ・デ・バーニョレッジョ チヴィタとは小さいという意味だそうだ
気候が良くなればこういうお店も繁盛するようになるんだろうね。
オルビエート
 45分でオルビエートに到着。ここも凝灰岩の丘の上に建っている。ケーブルカーで登っていく。ケーブルカーの入り口にはWelcome to Orvieto と書いてある。
ここには陶器を売っているお店が多い。大聖堂の前のお店のおばさんは、うちの亭主が作ったものだと言って、皿の裏側のサインを見せる。でも高い、直径20cm程の皿が50ユーロもする。また来ると言うとおばさんは途端に不機嫌になった。客商売に向いていないのかもしれない。
同じ大きさのお皿をほかの店では25ユーロで売っている。でもピンホールがあったりしていていまいちだ。アッシジのホテルで見た楕円の大きな深皿を買いたいと思ったが似たような物はなかった。ただ直径20cmで50ユーロとすると、大きな深皿はいくらするか分からない。
アッシジのホテルに展示してある、欲しかった深皿
オルビエートの大聖堂正面
ローマのホテル・カパネーレに宿泊。
3月29日
ローマからヘルシンキ、そして成田へと帰国。
第66報終わり
日程表
   3月21日   成田発  11:55  AY0074
ヘルシンキ着 15:20
ヘルシンキ発 16:05  ミラノ着  18:05  AY0795
HILTON GARDEN INN MILANO MALPE 泊
3月22日トリノ市内観光 カステッロ広場、王宮、マダマ宮殿
ジェノバ各自散策
BRISTOL PALACE 泊
3月23日東リベラ海岸に面したラ・スペツィアから列車でチンクエテッレへ
リオマッジョーレ村、ヴェルナッツァ村、マナローラ村散策
ヨーロッパ一古い大学のある学芸都市ボローニャへ移動
NH BOLOGNA VILLANOVA 泊
3月24日世界で5番目に小さいサン・マリノ共和国へ リベルタ広場、要塞観光
モザイクの宝庫ラヴェンナへ サン・ヴィターレ教会、ガッラ・プラチーディア廟観光
NH BOLOGNA VILLANOVA 泊
3月25日交通の要衝モデナへ バルサミコ酢工場見学 モデナ街並み散策
学芸都市ボローニャ散策
サンジミニャーノへ移動
VILLA SAN PAOLO 泊
3月26日中世の街並みが残るサンジミニャーノ散策
要塞都市モンテリッジオーニ散策
ルネッサンスの理想都市ピエンツァ散策
シエナ歴史地区観光 カンポ広場、ドゥオーモ
VILLA SAN PAOLO 泊
3月27日『美しい村協会認定の村』カスティリオーネ・デル・ラーゴ散策
ラファエッロ出身の街ウルビーノ散策
アッシジへ移動
ORA HOTEL CENACOLO 泊
3月28日アッシジ観光 サンフランチェスコ教会
『美しい村協会認定の村』チヴィタ・デ・バーニョレッジョ散策
丘上都市オルビエート散策
ローマへ移動
CAPANNELLE 泊
3月29日ローマ発 11:20   ヘルシンキ着 15:45  AY0782
ヘルシンキ発 17:15   AY0073
3月30日成田着 08:55
ベルテルスマン世界地図帳より拝借

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