
スイス
2009年5月3日~5月13日
5月3日 ファースト
ただ券のときはビジネスでと思っているが、思いのほかマイルが貯まっているので思い切ってファーストで申し込む。
日航のマイルが85,000でヨーロッパにビジネスクラスで往復、120,000マイルだとファーストクラスで往復できる。
日航を使うとロンドン、パリなど日航の飛んでいる地点までの往復で、ジュネーヴやチューリッヒまで行くには追加料金を払わねばならない。日航と提携関係にある英国航空は主なヨーロッパの都市までならロンドンまでと同じマイルで連れて行ってくれる。
こういう理由で英国航空(BA)のファーストクラスでのスイス往復となる。最初で最後のファーストだ。
機内に乗り込むとフルフラットになる椅子があるだけ。エミレーツ航空のファーストクラスの体験記を読むと、スライドドアーが付いていて個室状態になる、肘掛を開けるとエビアンやジュースなどが並んでいる、足元の上目の前に大型のテレビがある、など書いてある。
こういうものはなし。エコノミーの前の座席についているより少し大型のテレビが肘掛の横から出て来るが、窓が開いていると画面が見づらい。
ビジネスで初めてフルフラットシートを導入したのがBAだと思うが、そのビジネス席に毛の生えた程度だなと一瞬思う。
でも暇で散歩にビジネス、エコノミーと歩いて行くが、やはりファーストとビジネスでは全然違う。
ビジネスでは縦はフルフラットになるよう充分な長さがあるが、横は2-4-2の8列だ。ファーストの一番前は、当然狭いから1-1の2列。最後尾でも1-2-1の4列しかない。横の余裕が全然違うのだ。
ワインを頼むともういいと断るまで注ぎに来るし、ベッドメイクもしてくれて、厚くはないが敷き布団、掛け布団を敷いてくれる。パジャマも用意してくれる。

BAのファーストの椅子
成田空港のラウンジは飛行機会社5,6社の共同使用でファーストもビジネスも一緒だが、ロンドンのヒースロー空港はBAの本拠地、ファースト専用のラウンジがある。入って行くと広い部屋にバーのカウンターがありバーテンがいる。ビジネスのラウンジにある軽食などのカウンターはない。全テーブルの上にメニューが置いてある。メニューを見て注文するのだ。バーで注文した物もテーブルまで持ってきてくれる。
ジュネーヴ到着
予定通り20:30頃ジュネーヴ着。ベストウェスタン・ホテル・ストラスバーグへタクシーで。38.5スイスフラン(CHF)。
ホテルでは部屋のキーと一緒にジュネーヴ市内の公共交通のただ券をくれる。でも明朝すぐに出発だから使うことはない。
今回のホテルは全部ベストウェスタン(BW)。ビジネスホテルチェーンだが私1人が泊まるには充分。2人で泊まるのなら3万円/泊のホテルでもいいのだが、何てたって1人だからもったいない。1.5万円/泊で充分なのだ。
5月4日 曇り時々小雨 ジュネーヴ出発
朝食は予想されていたことだが、パン(クロワッサンのみ)、ハム、チーズ、フルーツポンチ、コーヒー、紅茶これだけ。あとから来た人がウェイターに何か言い、ヨーグルトを貰っていたから注文すれば出て来る模様。
9:00にレンタカー会社出発。(昨夜タクシーに乗っている時に予約を入れてあるヨーロッパカーを見つける。ホテルから歩いて3分ほどだった。)予想したとおりナビはなし。最初ハーツに予約を入れるが、借りる所と返す所が異なるとナビを着けられないと言う。メールで問い合わせると、借りる所と返す所が異なるレンタカーにナビを着けると違法になる、罰金は3万円と言う返事。
ヨーロッパカーではナビ装着の契約で予約できたが、現地ではやはりナビは着けられないという説明。予約プログラムが完璧ではないのだ。
目的の街までは、道路標識を頼って何とか行ける。街に入ってからホテルを探すのが大変なのだ。ナビがあればホテルにピタッと付けられるが、違法では仕方ない。
モンタンヴェール展望台
11:00前にフランスのシャモニーに到着。小雨が降っている。1回聞いただけでホテルに到着。チェックインは3時から。
シャモニー駅近辺をウロウロしていると、日本人夫婦が来て駅裏に登山電車の駅があってモンタンヴェール展望台に行くと言う。氷河がありトンネルも掘ってあると言う。くっついて行くことにする。往復23ユーロ。(1ユーロ≒140円)

氷の応接セット
とにかく寒い。冬用のジャンパーを奥さんは入れ忘れている。シャモニーの街で何か買おうとウロウロするが、しゃれたサファリジャケットは320ユーロもする。厚手のジャンパーなども試着するが袖が長く身体に合わない。結局BAがくれたパジャマをシャツの下に着ることにする。
シャモニーのBWのLes Aiglons Resort&Spaはかなり良い。新しいし観光客相手にプールもジャグジーもある。この寒いのに泳いでいる人が結構いる。
どの部屋からも天気がよければモンブランが見えるようになっている。(シャモニーにはあとひとつBWのホテルがあるので注意。)
カジノ
シャモニーのカジノは街の中心部のバルマ広場の一角にある。
テーブルゲームの開始時間は20:00。
19:00よりカジノのそばのレストランで夕食。客が数組入っている。他のレストランは、さあこれから始めるぞという状態。
魚料理を頼む。カレイの香草蒸し焼きか。まずくはないけど味が濃すぎる感じ。付け合せのライスは全く駄目。野菜感覚で調理してあるのだろうが2,3粒口に入れて終わり。
途中アジア人の母親に娘2人らしい3人組がアイスクリームをなめながら入ってくる。ウェイターが注文を受けてから、私にあの3人は日本人だろうかと聞きに来る。日本人ではないと答える。日本人はあんなに行儀が悪くないとも言おうとするが、うまく英語で出てこない。言葉を飲み込んでおしまい。
20:00より早速カジノ。入ってすぐスロットマシーン。その奥に階段3段分高くなってテーブルゲーム。ルーレット2台、フレンチルーレット1台、ブラックジャック2台。
1台のブラックジャックに座ると、準備するから5分待ってくれと言う。ミニマム10ユーロ、客が私だけなので2箇所に賭けなければならない。
いい調子でチップは増えていく。1山でチップを高くしていくと、スーパーバイザーがひっくり返ると困るから山を低くしろと言い出した。関係ないんだろうけどここから目が変わりだんだんと減っていく。両替した100ユーロがなくなったところで終わり。
正味30分ほど。
21:00頃からようやく暗くなる。またこの頃から晴れ始める。
5月5日 エギュイ・デュ・ミディ
天気はまあまあ。部屋からモンブランが良く見える。
7:45頃ホテル出発。歩いて5分でロープウェイ乗り場に到着。8:10が始発。何人かのスキーヤーがもう待っている。
ロープウェイを1回乗り換えてエギュイ・デュ・ミディに到着。40ユーロ。ロープウェイの大きなゴンドラは77人乗りだが満員。
観光客は4人だけ。他は全てスキーヤー。ゴンドラの温度計は外気温0.7℃を表示している。
ミディには4箇所の展望台がある。カタログから抜粋する。シャモニー展望台は2,500m下のシャモニー渓谷が見える。アラヴィ展望台はシャモニー渓谷とボソン氷河が一望できる。モンブラン展望台はモンブランが最も美しく見える。頂上展望台からはフランス、スイス、イタリアにまたがるアルプス山脈の頂上を360°見渡せる。
4箇所ともガスが出ていて良く見えない。たまに薄くガスが晴れても下のシャモニーの町が少し見えるだけ。またとにかく寒い。手袋を持ってきて良かった。
スキーヤーがトンネルをくぐり外へ飛び出していく。後を付いていって様子を見ようとすると、雪かきをしている係員に、そんな格好でいったら駄目、と言う調子で怒られてしまう。
10:00過ぎには下山。
シャモニーの街の北側(モンブランの反対側)の山にもロープが張られている。こっちにも登って見ようと、急坂を登りロープウェイの発着場に行くが運休中。
グランド・モンテス
シャモニーから8km程北東にArgentiereという街があり、ここからグランド・モンテスに行くロープウェイが稼動している、とシャモニーの街中のロープウェイ情報板に出ているので、早速行ってみる。
(運休中のロープウェイに行ってからようやく情報板の見方が分かる。)
こちらも客はスキーヤーにスノーボーダーばかり。1回目のロープウェイで山の中腹に着く。
中腹は平らで広くレストランなんかもある。ここからグランド・モンテスへ行くロープウェイのほかに2本のリフト、小型ロープウィも出ている。
シャモニーのスキーはマニヤ向けという感じであったが、こちらは初心者も大丈夫という感じがする。もちろん上級者も楽しめるだろう。

グランド・モンテス スキー場
グランド・モンテス山頂の展望台には私しかいない。やはりガスが出ていて眺めはなし。中腹からグランド・モンテス頂上へ行くロープウェイはスキー客が降りてきては乗り、降りてきては乗りするから中は解けた雪でびしょびしょ状態。往復25ユーロ。
ホテルには14:30頃戻る。休憩の後市内散歩。シャモニーバスは観光客無料だが小さい町なのでバスに乗らなくても軽く一周できる。
17:30頃モンブラン方面を見ると上部の雲が所々途切れMIDIの展望台なども見えるようになる。よしもう一度MIDIに行こうとロープウェイの発着場に行くが、登りの最終は16:30であった。残念。部屋に戻ってモンブランとMIDIを共に写そうとベランダに椅子を出して座り、20〜30分粘ってやっとシャッターを切る。

モンブラン(中央やや右、なだらかな山)とMIDI(左上方、白く小さく尖っている)
夕食
夕食は持参したガイドブックに載っているル・サンジョン。
メニューはフランス語で書かれていてさっぱり分からないので、セット物を頼む。スープかサラダか聞くのでサラダ。メインについてもチョイスがあるらしく何か言っている。こっちだと適当に指差すとジャガチーズが出て来る。昼食と同じものになってしまった。でもこちらの方がアツアツでおいしい。目の前に出てきたときにはチーズは沸騰しているし、こげもある。
ワイン3dl(デシリットル)とアイスクリーム共で26ユーロ。
カジノは昨日よりもひどくあっという間に200ユーロの負け。悪態をついて帰ってくる。
5月6日 インターラーケンへ
今日は朝からめちゃくちゃいい天気。モンブランもMIDIもピッカピカ。昨日の写真の苦労はなんだったのか。もう一度MIDIに行こうか迷うが、今日は今旅行中の最長距離移動日。去年、世界旅行博に行ったときにスイスのブースで話しをしていて、シャモニーからインターラーケンまで車でどのくらい時間がかかりますかと聞くと、6時間は見た方がいいでしょうという返事。行かずに出発。

トンネルの向こうは雪の壁
これは参った。山を降り、分かれ道を左に来てGrimselpassに来たのだから右に行って見よう。でもこちらにもFurkapassがある。4人ほどおじさんがたむろしているので聞いてみる。
「インターラーケンへ行きたいがこの道は通れるか。」
「駄目だ、通れない。」
「どうしたらいいんだ。」
「列車に乗れ。」
「車はどうするんだ。」
「車も乗れる。5分ほど戻れば駅があってそこから乗れる。」
フェリーボートならぬフェリー列車があるようだ。
Oberwaldの駅に行き、インターラーケンへ車で行きたいと言うと、30CHF(スイスフラン、1CHF≒90円)と言って切符をくれる。
Realp行きになっている。車に戻り地図を見るとRealpはすぐ隣。
また駅に行き、Realpのあとはどうしたらいいんだと聞くと、地図のコピーを出し、このようにルツェルンを廻って行けとペンでなぞってくれる。
予定時刻ぴったりの12:00に出発。12:15に到着だが走っている間はずっとトンネルの中。山ひとつ越えたのではなくくぐったのだ。フェリー列車は床と屋根だけ。柱のあちこちにドイツ語、英語で張り紙がしてある。
サイドブレーキをかけろ。
ドアーを開けるな。
車から外に出るな。

フェリー列車に乗り込み
ルツェルン経由と遠回りをするが14:30にはインターラーケンに到着。
6月下旬にならないと道路の全線開通とはならないらしい。
インターラーケン市内散歩
ホテルはインターラーケンの西駅、インターラーケン・ベストのそば。東駅のインターラーケン・オストまでの2kmもないへーエ通りが繁華街。オスト駅まで歩いて行く。気温は19.5℃まで上がり半袖半ズボンが闊歩している。
オスト駅の北側にケーブルカーがある。乗ってみる。往復25CHF。

アイガー(上部真ん中よりちょっと左。全体に黒っぽいアイガー北壁が写っている)、メンヒ、ユングフラウとインターラーケンの街
ヘーエ通りの両側は土産物屋がびっしり。当然時計専門店もあるのだが、土産物屋でも時計を売っている。スォッチを別にして10万円、20万円もするものを土産物屋で買うという気にはならないけれど。チョコとオルゴールを購入。
カジノ

チーズホンデュ 小さく切ったパンをチーズに絡めて食べる
観光客も日本人より韓国人、中国人の方が多いよう。当然土産物屋の店員も韓国人、中国人のほうが多い。
カジノはヘーエ通りの中間点あたりの道路北側にある。

カジノ・クアザール
建物は大きいがカジノとして使っている部分は左側の一部だけ。入場料5CHF。スロット100台以上、ルーレット2台、ポーカー2台、ブラックジャック3台。床の絨毯は赤が基調。テーブルゲームのラシャは青。天井はグレー地に光がぽつぽつとあたっている。星座を意識しているふうでもない、ただぽつぽつと。
3台のうち唯一稼動しているブラックジャックのテーブルに座る。100CHF負け、100追加して400戻りで終りにする。200CHFの勝ち。
5月7日 ユングフラウヨッホ
オスト駅8:05発で出発。
切符売り場でユングフラウヨッホまで往復181.80CHFと言う。片道にして欲しい、と言うと変な顔をしている。うまく説明できないので、ちょっと待ってと頼んで地図を出し、Kleine ScheideggからMannlichenまで指で指しウォーキングしたいからと言うと、MannlichenはClosedだと言う。がっくりして往復を頼む。
切符売り場の駅員は1枚の小さな時刻表を出し、2Aに乗れと言う。2Aの時刻表を見ると、Interlaken Ost 8:05、Lauterbrunnen 8:25着、
同8:30発、Kleine Scheidegg9:14着、同9:30発、Jungfraujoch 10:22着。
同じ時刻表の下段には帰りの時刻をJungfraujoch、Kleine Scheidegg、Grindelwald、Interlaken Ostの順に書いてある。
行きと帰りのルートを替えてあるのだ。
この時刻表の裏には2Bとして行き帰り全く逆の時刻表が出ている。ルートを替えても出発時間が同じなら到着時間も同じ。
ユングフラウヨッホ駅は標高3,454mだが地下駅、という言い方はおかしいが現実に岩の中。
エレベーターで一気に3,571mの展望台スフィンクスへ。目の前には4,107mのメンヒが、顔をまわすと4,158mのユングフラウが見える。(ここからアイガーは見えない。)

目の前のメンヒ
雪の上に出ることも出来る。氷の宮殿と称して、シャモニーにあった氷の彫刻などを飾っているトンネルもある。全長はこちらの方が長いよう。
ウォーキング
帰りはGrindelwald方面には行かずに同じルートの列車に乗る。貰ったパンフレットに1.2時間の初心者用ウォーキング・コースがあったのだ。Lauterbrunnenで途中下車してロープウェイで1,489mのGrutschalpへ行き、そこから列車で1,645mのMurrenへ行く。

谷を見下ろしながらのウォーキング
夕食
ガイドブックに出ているウェストエンドというベスト駅近くのイタリア料理の店に行く。魚料理を注文。付け合せの野菜はジャガイモでいいか聞きにくるので、OK。Boiled Potatoes Please,Not Fried。と注文する。でも魚はヒラメのような白身のフライであった。白ワイン3dl共で49CHF。
ワインを注文する時にThirty Deciliterと間違えて言ってしまい、おばさんはこんなに沢山になっちゃうよと左右の手を上下に開いて笑っている。
カジノは1時間半やって元。
5月8日 ピラトゥース
インターラーケンから2時間もかからずにルツェルンに到着。まだ10:00前。
ピラトゥース山へ行ってみる。ルツェルンの街から道路標識に従っていくとロープウェイの乗り場に出る。ロープウェイを1回乗り換え40分ほどかけて山頂2,132mへ。64CHF。
街では23℃を超え暑かったので、ジャンパーを車の中に置いたままロープウェイに乗ってしまった。他の観光客も半袖の軽装だったから安心してしまった。山頂は10℃と寒く参った。半袖で来た人はリュックから上着を出し着ている。
眺めはやはり良い。山頂付近大きく開けたところは西側か。反対側は岩にトンネルを掘り、所々に見晴台を作り360°見渡せるようにしてある。でも山の名前など記したボードがなくちょっと残念。
カジノ
街をうろうろしているとカジノの看板がある。行ってみる。
フィアバルトシュテッテ湖に面してパレスホテルの隣にある。(ルツェルンの街自体がフィアバルトシュテッテ湖のほとり。)
主玄関は道路に面し、裏口は巾数十mの歩道を挟んで湖に出る。
主玄関を入って行くと左側に受付がある。ジーンズにカラーシャツ、カウボーイハットを被って運動靴を穿いている。運動靴は布も紐もブラウンで一見運動靴とは分からない。
テーブルゲームの開始時間を聞くと、12:00からでもうオープンしていると言う。
このスタイルで構わないかと聞くと、帽子だけ脱いでくれ、クロークは地下にあると言う。
帽子をクロークに預け入場。受付を通り越し突き当りを左に曲がると左側にテーブルゲームの部屋がある。(受付の裏側になる。)
その先にスロットの部屋。スロットの部屋は四方壁際が中2階になりやはりスロットが置いてある。
スロットの部屋には中央にソファー2席とテーブルがあり、コーヒーにクッキーを置いてある。昼食代わりに数枚のクッキーとコーヒーを頂く。
ブラックジャックを1時間弱やり80CHFの勝ち。
散歩
ルツェルンの街はフィアバルトシュテッテ湖の北西から西へ流れ出しているロイス川の付け根上下が繁華街。付け根にはゼー橋が架かっていてメインストリートの一部をなしている。
ゼー橋上部が旧市街。ゼー橋下部右側がルツェルン駅。ルツェルン駅とはメインストリートを挟んで反対側2本目の路地にBWホテル・フローラはある。まあ繁華街の真ん中に当たる。
とはいえ他のBWのホテルは150〜170CHF/泊なのにここは270/泊もする。その上バスタブもない。
ゼー橋から下流に向かって短間隔にカペル橋、ラートハウス橋、ロイス橋、シュプロイヤー橋と架かっている。カペル橋は1,333年建造。シュプロイヤー橋は1,408年建造。
シュプロイヤー橋を渡って旧市街へ。この橋の屋根の下の部分には屋根の形に合わせて三角の板絵が67枚掛けられている。全てのどこかしらに骸骨の絵が入っている。ガイドブックによると、この世の権勢、富、美など形あるものはすべて死によって消滅し、無に帰するものだから、永遠なる信仰のうちにこそ生きるべしとの教訓、だそうだ。

シュプロイヤー橋の板絵の1枚
坂を上ってムーゼック城壁へ。城壁は改修中。川岸へ降りてくるとレストランだらけ。店の前に椅子、テーブルを並べ店からテントの庇を下ろしている。店の中より外の方が人気で沢山の人がビールを飲んでいる。
大きな時計屋がある。今まで覗いていた時計屋では高そうな時計には値札が付いていなかった。
高級品には30,000CHFだの40,000CHFだの付いている。
ブランパンという時計メーカーがある。現存する中で世界最古のメーカーだそうだ。このブランパン製で安いものがあれば買おうかとも思っていたが、10,000以下はないのでただ眺めるだけ。
夕食
ホテルそばのロイス川のたもとにあるイタリア料理屋。ピザとワインを注文。道路のテーブルでワインを飲んでいると女の子がこちらを見ている。なんとインターラーケンで生チョコを買った土産物屋の店員さんだ。もちろん日本人。今日は休みなので友達とルツェルンに遊びに来たと言う。
こんな偶然は初めてだ。若い頃なら、きっと赤い糸で結ばれているんだよなどと言うところだ。(飛行機の中で読んだ佐伯泰英の時代小説にも出ている文句。)
何かの縁と彼女らにご馳走する。ついでに質問をひとつ。
「こちらの物価は食べ物始めすごく高いと感じるんだけれど、あなたたちの給料も高いのですか。」
「こちらにとっては私たちは外人ですから安いんです。こちらの人は私たちの倍くらい取っているんじゃないですか。」
通貨そのものが高いんじゃないかと思う。脱税資金を始めとした犯罪資金が流れ込み、独裁者の資金も流れ込んでいる。
PLOのアラファトさんが亡くなった時に、遺産が4,500億円程度あると聞いてびっくりしたのを覚えている。戦争が仕事だった人がどうやってそんなに稼いだんだろう。たぶんいろんなところからの寄付の半分くらいをその都度に懐に入れていたんじゃないかと思う。そしてスイスの銀行に預けていたんだろう。
お金なんて使って初めて価値が出てくるんだけどね。
北某国のあの人だって相当な金をスイスに預けてあるはずだ。偽ドル札の儲け、覚醒剤の儲け、総連からの仕送り。やっぱりその半分を懐に入れていると思う。
利息は非常に安いが因縁のある金がどんどんスイスに流れ込んでくるからCHF(スイスフラン)は高いんじゃないか。
でもアメリカ政府が脱税資金の調査のためスイスの銀行に圧力を掛け始めて、スイスの銀行も応じている。これからは多少変わってくるだろう。
妥当なところは1CHF=50円だろう。
カジノ
傘を持って歩いて行く。天候が変わりやすくいつ雨が降るか分からない。急にカミナリが鳴り出したりする。
Min10のテーブルでケツ(1番最後に札を貰う人)のおじさんが下手糞で私も負けてしまう。隣のMin20のテーブルに移る。20CHFチップで賭けていてブラックジャックが来た。20CHFと10CHFチップの配当だ。この10CHFチップをパーフェクトペアーに賭けるとハートの9が2枚来て25倍の大当たり。
さあこれから稼ぐぞ、と思うがうまくいかず今日は600の負け。
5月9日 リギ山
ルツェルンの街を挟んでピラトゥースと反対側にリギ山がある。1,750mと高くはないが回りに何もなく360°の展望が望めると言う。
8:00頃出発。道路標識が不十分であったがリギ山の頂上の鉄塔を目印に進んでいく。ゼー橋を渡りフィアバルトシュテッテ湖を右に見てぐるっと回り込んでいく。
ロープウェイの駅がありおじいさんが掃除をしている。客はまだ誰もいないが5分後には出発と言う。駐車場の世話もしてくれる。
なんと着いたところはまだリギ山の中腹。そして車の駐車場まである。ここまでなら車でも来れたのだ。山頂まで2時間10分と書いた道案内もあるが歩いて登る気はしない。
何かの名前が書いてありそこまでは25分とある。せっかくここまで来たのだからこっちへ行ってみよう。平坦な道で景色は良い。丁度25分歩くと休憩所兼レストランみたいな建物がある。まだオープンしていない。帰り道すれ違った車がオーナーかもしれない。
スイスではコンビニを見かけない。ミネラルウォーターなど買いたいのだが。インターラーケンのホテルの洗面所の蛇口に、この水は飲めます、と書いてある。山から湧き出た水ならミネラルウォーターだよね。ペットボトルに入れて持ち歩いている。

中腹の散歩道 右の山はピラトゥース
フィアバルトシュテッテ湖沿いをもっと進んでいく。登山電車がある。40分位で山頂。62CHF。こちらには山の名前が分かるボードが置かれている。快晴ではるか遠くにメンヒ、アイガー、ユングフラウが見える。街での気温は25℃まで上がっている。
帰りは山頂から線路沿いを歩く。10分ごとに小さな駅がある。時刻表を調べながら30分ほど歩いてから登山電車に乗る。これを逃すと次は1時間後だから。
夕食
まだ時間があるのでどこへ行こうかガイドブックを見る。
ピカソ美術館がある。ガイドブックを片手に行くが分からない。
タクシーが来たので聞いてみる。要領を得ない。
ロイス川沿いから細い道の坂を登ってきて旧市庁舎のそばにあるようになっている。細い坂道の脇にわずか3テーブルを階段状に置いたイタリアレストランがある。1つのテーブルにこのレストランの親父さんみたいな人が所在なげに座っている。聞いてみよう。
「移転したんだよ。下へ降り橋を渡ってまっすぐに行き、大通りへ出たら左へ曲がる。そうすれば左側にある。」
ピカソは2F全部を占めている。1F には少しずつだがミロ、セザンヌ、ルノアール、マチス、モネの作品もある。3Fには全然知らない人(スイス人か)の作品を飾ってある。
さっきのイタリアン、お客がそんなにいそうもなかったから入ってあげるか。
でも入ったらびっくりした。店の中はすごく広くお客も沢山だ。スパゲッティーのカルボナーラを頼む。おいしかった。
カジノ
昨日の下手糞な親父は今日もケツに座っている。その隣が空いたので座る。この親父は下手糞なだけでなくチェーンスモーカーでもあった。煙草をやめて10年もたつと、隣の煙草が効くこと効くこと。もう駄目。コーヒーをご馳走になろうとスロットの部屋に行くが、ない。どうも夜にはサービスがない模様。
昨日大負けした20CHFのテーブルに移る。
今日はパーフェクトペアーが結構出て、昨日の負けを取り返すまではいかなかったが500CHFの勝ち。とりあえずほっとする。
5月10日 シャフハウゼンへ
チューリッヒを抜けて、シャフハウゼンに入る前に7〜8km程ドイツ領がある。ドイツに入ると行け行けと合図してくれてそのまま停まることなく通過。再度スイス領に入ると車を停められパスポート、運転免許証(国際免許ではなくオリジナル)の提出を求められる。
アルコールは持っているか、煙草は持っているか聞かれる。5分ほどで開放される。帰りはやはりドイツは行け行けだが、スイスでは車を停められ酒、煙草について聞かれる。
これで分かることはスイスの方が酒、煙草の税金が高いということだ。安いドイツで沢山買われて持ち込まれては困るということだろう。
それでもヨーロッパ最大級の滝、ライン川にあるラインファル(Rheinfall)には10:00前に到着。
幅150m、落差23mとそれほどの規模ではないが、古くから観光地と知られゲーテも遊んだと書いてある。
対岸からボートが出ている。ボートは3種類出ている。
1番 黄色いボート 滝の中にある小島に行く。
2番 赤 対岸の船着場に行く。
4番 青 滝の前を通り周遊して帰ってくる。
3コース全部参加しても11CHF。これはスイスにしては安いので殆どの人が3コース参加を選んでいる。
まず1番。滝の中の小島に上陸する時にビニールカッパを出すと船頭は必要ないと言う。
カメラが濡れても困るからと思ってだが、本当に必要なかった。

ラインファル 島の上赤い点はスイス国旗
次に4番(どういうわけか3番はない)。
2番で対岸に渡り少し坂を登る。川岸小さい丘の頂上にラウェン城という小さい古城があり眺めが良い、というが工事中か入場禁止になっている。下流へ向かって歩く。15分も歩いたら戻ってくるかと思いながら進んでいくと橋が見える。橋を渡って戻り、丁度良い散歩道となる。何組かの人が歩いている。
カジノ
ホテルには14:30到着。シャフハウゼンの駅の前なので、ここは聞かないでも分かった。
少し休憩してから散歩。レセプションで貰った地図のメインストリートに印をしてもらってある。昔ながらの建物も所々残っている。
広場に出ると正面にカジノが入っている建物が見える。ラフな格好だが入ってみる。
ブラックジャックの客は私一人。2箇所から3箇所に賭け、ルツェルンと同じにパーフェクトペアーにも賭けている。良い調子に増え手持ちが100から300にも増えた頃だろうか、男のディーラーから若い女性に代わる。そしたら全然駄目。こんなに極端に変わるものだろうかというほど駄目。100の元になったところで終わりにする
散歩に復帰。ムノート城に登る。円形の建物。屋上からは街がよく見えるが、城というより監視砦みたい。
1軒の商店に沢山の人が並んでいる。アイスクリーム屋だ。あとで買いに来ようと離れるが、夕食後の散歩の時に見つけることが出来なかった。
夕食後再度カジノ。先程遊んだ1Fのテーブルには先客がいて煙草をぷかぷかふかしている。先程は開いていなかったが、禁煙の2Fもオープンしたようだ。ブラックジャックの禁煙テーブルを開けてもらう。また最初は調子がいいんだよね。どんどん増える。ディーラーが替わってまたさっきの女の子が来た。
「またお前か。」今度は負けるもんかと気合を入れる。
それでも駄目。だんだん減っていく。
「もう他の人に替われ。」と言っても替わらない。
手持ちが50程度に減ったときになってようやく交代要員が来る。
“Never come back.”と言ってやったが、チップはそのあとすぐになくなってしまった。100の負け。20:30頃だが再度財布を開ける気にはならずホテルへ戻る。
今までかわいい子ちゃんにはCome back soonと言ったことはあるけどNever come backは初めてだ。
悔しくてなかなか寝付けない。
年のせいか21:00前後にはカジノは終わらせている。でも負けて悔しがっているわけだからまだどこかに若さも残っているのだろう。
5月11日 チューリッヒ
チューリッヒには9:00頃到着。ホテルの位置を確認してそばの駐車場へ。
駅の隣の国立博物館は工事中で休み。ギルドホール・ツア・マイセンという1,750年に建てられた陶工のギルドハウスは月曜日で休み。
靴で有名なバリーの本店に行く。ここ何年も革靴は買っていないのでいいものがあれば2,3足買おうかと考えていたが、気に入った靴はない。買ってもいいかなと思うものはサイズが合わない。
いろんな靴を引っ張り出させああでもない、こうでもないと時間を取らせたから、コインケースを1個購入する。
チューリッヒ湖の遊覧船に乗る。8CHF。バス代わりにあちこちの桟橋に寄りながら一周する。うつらうつらしていただけ。
チョコレートで有名なシュプリュングリにも行く。チョコ購入後店内を見渡すと、チョコ売り場の反対側でカナッペを売っている。3ケ購入。5CHF/個。箱に入れてもらって外へ出るとシュプリュングリ直営のカフェがオープンエアーで営業している。このカフェにも客が結構来る。

1個5CHFのカナッペ
カジノ
チューリッヒにはカジノがない。一番近いカジノはバーデンになる。遠征することにする。遠征といっても車で1時間もかからない。大体向こう方面かとあたりをつけ高速道路に入る。
BASEL方面の標識は頻繁に出てくるがBADENの文字は出てこない。方向はあっているのだからとそのまま進み10分もたつとようやくBADENが出て来る。
BADENの出口で降り、市街地方面へ行くともうカジノの案内が出てきて迷うことなく到着。
グランド・カジノ・バーデンは山の中腹に建っている。でも車で山の上方から入って行ったので登った気はしない。15:30頃。
入場料10CHF。見返りは何もなし。月曜の昼間のせいか客も少なく、動いているのはルーレット1台だけ。
しばらく見ている。
次はこことあそこと他2箇所に賭けたらどうか、と考えながら見ていると、これが結構当たるんだよね。2回続けて当たったので実際に参加することにする。100CHFをチップに両替。
当然ながらただ見ながらあそこに賭けるというのと実際に賭けるのは違う。何回かは配当があるがやがてなくなってしまう。
その間にMin20のブラックジャックがオープンしたのでそちらに移る。
ここのブラックジャックの役物はディーラーのブラックジャックに賭けるもの。ディーラーのA、10札の形、色の具合により配当が異なる。
でもディーラーを負かしてこちらが稼ぐ、と言う意識でゲームをしているから、ディーラーがブラックジャックを出すなんて考えたくないよね。非常に賭けづらい
2時間半ほど遊んで300CHFの負け。チューリッヒが近いせいかミニマムが高いという印象。
道路挟んで隣は温泉施設のよう。寄ろうかとも思うがそのまま戻る。チューリッヒ街中でホテルが分からなくなり1回道を聞く。朝シャフハウゼンから来たときは1回も聞かずにホテルに到着したから、我ながらすごい土地勘だなと思ったが、ただの偶然だったのだ。
夕食
ようやく焼きそば。ホテルの斜め前に中華がある。えび焼きそばを頼む。28CHF。白ワイン3dl共で42.5CHF。

2,500円の焼きそば
5月12日 帰国
チューリッヒのBWホテル・ズエルチェルホフ(Zuercherhof)には駐車場がない。ホテルそばの駐車エリアに置きコインを入れようとするがコインが戻ってきてしまう。そのままにしておいたら駐車違反の切符がワイパーに挟んである。40CHF。
切符を取り隣の車に挟もうかと一瞬いたずら心を抱くが、やめておく。空港で車を返すときに係員に罰金を払ってくれるよう頼むが、どこどこへ行けば払えるという返事。
レンタカーの返却場からターミナルまで行きづらく、行き方を探しているうちに罰金のことを忘れてしまう。まあレンタカー会社に登録してあるカードから引き落とされるだろう。
出国審査のときに係員が私のパスポートを見て、入国時のスタンプがないと言い、別の係員を呼ぶ。そういえばジュネーヴではスタンプを押さなかった。拳銃持参の係員が来る。
5月3日入国してシャモニーに行き、インターラーケン、ルツェルン、シャフハウゼンと回ってきた等説明する。
拳銃の係員はパスポートを返しながら、次に来るときはスタンプを必ず押すようにと言う。
“I see.”
と返事はする。でもそんなこと言ったってスタンプを押す権限を私は持っていない。入国審査官に言ってくれ。
成田から直行ではなくロンドンから入ったから押さなかったのかもしれない。(ヨーロッパ各都市からの入国はスタンプを押さない協定があるのかもしれない。)
今回は有名なマッターホルンには行かなかった。最寄りの街ツェルマットにはガソリン車(ディーゼルも同じ)は乗り入れ禁止なのだ。隣の街に車を置いて列車か電気タクシーで行かなければならない。めんどくさいので次回にした。
第46報終わり

ベルテルスマン世界地図帳より拝借
2009年スイス旅行日程表 | ||
5月3日 | 成田発 10:55 ロンドン着 14:50 BA0006 | |
ロンドン発 17:30 ジュネーヴ着 20:15 BA0736 | ||
ベストウェスタン ホテル Strasbourg 1泊 | ||
5月4日 | シャモニーへ | |
ベストウェスタン ホテル Les Aiglons Resort & Spa 2泊 | ||
5月8日 | ルツェルンへ | |
ベストウェスタン ホテル Flora 2泊 | ||
5月10日 | シャフハウゼンへ | |
ベストウェスタン ホテル Bahnhof 1泊 | ||
5月11日 | チューリッヒへ | |
ベストウェスタン ホテル Zuercherhof 1泊 | ||
5月13日 | 成田着 09:10 BA0005 |