オーストラリア アデレード

2003年10月22日~10月28日  

ラグビー・ワールドカップ
 第5回ワールドカップ、オーストラリア開催だ。ジャパンはやはり全敗だろうし、決勝戦ツアーは高いし、どうしたものかと考えていた。開催地を眺めているとアデレードで2試合ある。オーストラリア対ナミビア、これはオーストラリアの楽勝。もう1試合のアイルランド対アルゼンチンは実力が拮抗していてどちらが勝つか分からない。面白そうだ。
 アデレードにはインディアン・パシフィック号に乗った時にちょっと寄り市内観光しただけ。行って見たい街だ。よしアデレードに行こう。
 ワールドカップの日本総代理店は航空券とラグビーチケットの抱き合わせのツアー販売しかしない。そして高い。またアデレードの設定もない。個別に手に入れていくしかない。この計画段階で平山鉄工の平山さんが一緒に行きたいと言い出す。同じ22年生まれだが1学年下。うちの奥さんと中学校が同級。
 航空券はカンタスに電話をするとすぐに取れる。保険料込みの¥101,790/人。ホテルはe-トラベルでアクセスするが市内のホテルは2〜3倍の料金でなおかつ満員。3ヶ月以上前でこの状態。旅行社が押えてしまっているのだろう。
 南オーストラリア州政府観光局のホームページから、市内から30分離れたビーチにあるホテルに何とか予約が入る。
 ワールドカップパッケージと銘打って$280/日。5泊で$1,400。 「ワールドカップパッケージとは何か。ラグビーのチケット代が含まれているのかどうか、含まれていないならチケットを取っておいて欲しい。」とメールを打つが返事はなし。多分含まれていないだろう。
 8月のバルト3国の旅行中にオーストラリア国内でラグビーチケットが発売される。友人に日時を教えその時にインターネットで申し込んでくれるよう頼むが、アクセスするとすぐオーストラリア国外の人には売らないと表示されたそうだ。
 まあ何とかなるさ。最悪ラグビー場でダフ屋から買えば良い。
10月23日 アデレード市内
 レンタカーは三菱マグナ。トランクの開け方が分からず荷物は2つとも後部座席に。結局は助手席前のグローブボックスの中にボタンがある。
 11:00頃とまだ時間が早いのでホテルには向かわず市内を目指す。位置関係は市内から西南西に車で30分程のグレネルグ・ビーチにホテル・スタンフォード・グランド・アデレードはある。そして10分程手前右側にアデレード空港はある。アデレード空港から見ると市内とホテルは反対側に位置する。
 とりあえずエイビスのカウンターで貰った地図を頼りに市内のビクトリア・スクエアーを目指し、近所の駐車場に車を入れる。
 最初に入ったのはビクトリア・スクエアーのすぐ横のセントラル・マーケット。野菜、果物、肉、魚。キューピーマヨネーズやキッコーマンの醤油もある。中華街の一角にあるだけあってアジア系調味料は種類が多い。でも何箇所か見るが塩辛はない。塩辛が好きなんだけどな〜。
 裏側から出て、向かい側にある中華料理屋に入り私の定番、焼きそばを食べる。
マーケット 野菜売り場
 そのあとタンダニア・アボリジニセンター、ランドモール、博物館と廻る。
 ランドモールでは本屋に入り世界地図を購入。やはり北が上で、次女が期待している南が上の地図はない。
 スポーツ用品店には各国のジャージが置いてある。ジャンパータイプが好きなのだがない。来年1月にはアルゼンチンに行くのでアルゼンチンのジャージを購入。アルゼンチンではイグアスの滝とパタゴニアの氷河を見るつもり。長袖がなく半袖になる。
 6年前ケアンズで購入したワラビーズの黄色いジャンパーはペラペラなくせに高かったが、海外旅行、ラグビー観戦、朝の散歩と大活躍をしている。特に朝の散歩では、目立つ色だから車にはねられる心配が少ないので愛用している。
 今回のアデレードでは、さすがにラグビーのワールドカップだけあって、色々な人がこのジャンパーを見て声をかけてくれる。スチュワーデスや税関職員までも声をかけてくれる。充分に元は取った感じ。
 アデレード市街は、オーストラリアがイギリスの流刑地だった時に(アメリカが独立して囚人を送れなくなったため)、囚人ではない自由市民が移民してきて初めて作った街で、道路は碁盤の目のようになっている。街を囲んでいる四方の通りをノーステラス、イーストテラス、サウステラス、ウェストテラスと呼んでいる。歩いた感じでは東西4km、南北3km程か。
 南北を2つに分けて真ん中を東西に走るのがグロート・ストリート。縦に走り街を東西に2分するのがキング・ウィリアム・ストリート。この2本の大通りが交差するところがビクトリア・スクエアーで街の中心に位置する。2本の大通りで4分割された地域の真ん中にもスクエアーがある。スクエアーと呼ばれる公園は都合5箇所あることになる。
スーパー・コールズ
 夕方グレネルグの街に入りスタンフォード・グランド・アデレードを捜すが、1番高い建物なのですぐに分かる。一風呂浴びそれから近所を散策。スーパー・コールズがあるので入ってみる。
 魚売り場に生牡蠣があるので、晩飯はこれにしようと2ダース購入。$10.59/打。そしてカニ風味サラダ。
 生牡蠣にかけるのに平山さんは醤油、私はレモン。レモンを切るのにナイフ、食べるのに割り箸は見当たらないのでフォーク、そしてクロワッサンも購入。アルコールは成田の免税店で購入したものがある。
生牡蠣2ダース
 魚売り場は結構込んでいて順番制。銀行と同じように番号札を取り呼ばれるのを待つ。他の品物は日本と同じように適当に籠に入れられる。
トラム
 グレネルグと市内とはトラム(路面電車)で結ばれている。グレネルグの発着場はホテルのすぐ横。市内側はビクトリア・スクエアー。
 間に19箇所の駅がある。両端は一般道に軌道があり車と併走し信号もあるので飛ばせないが、通常の軌道では結構飛ばす。最高速80km/h位か。片道30分弱。市内発の最終は平日で23:50。グレネルグ着は00:14。15〜20分間隔で発着し1日往復で132本動いている。とても便利。料金は片道$3.3。客は持っている切符に車内の改札機でパンチを入れる。私たちは手ぶらで乗り車掌にお金を渡すと、切符にパンチをいれ渡してくれる。
 早速着替えてカジノへ。もちろんトラムに乗って。出発して200m位線路の両側は商店街。バーもあればケバブ屋もある。映画館もある。シャッター閉めっぱなしのところはひとつもない。ただ “For Lease” の看板は見かける。
10月24日 朝の散歩
 平山さんはよく寝ているので1人で散歩。ホテルの西側はすぐ海。桟橋が200m程海に突き出ている。ホテル前の砂浜に大きなテントが建っている。私たちの部屋の真下だ。入り口を見てみると “Jazz Festival” と書いてある。これが日曜日の夜まで毎晩ブンチャカブンチャカと騒音を撒き散らす。
 南オーストラリア州のナンバープレートを見ると、数字の下に “SA Festival State” と小さく書いてある。州全体でお祭り好き、騒音大好きなのだからしょうがない。
 海岸南の方は小規模なフラットや住宅。北の方にはホテルやマンションが建っている。マンションの1階はレストラン街。イタリアン、オイスターバー、シーフード、回転寿司まである。
桟橋から見たホテル・スタンフォード・グランド・アデレード
海岸沿いのマンション(海と反対の入江側から)
ハーンドルフ
 私が事前に立てた予定では、今日はフリュウリュウ半島のビクターハーバーに行くことになっている。その前にチケットショップに寄らなければならない。昨日ホテルのボーイにラグビーチケットの話をすると、電話をしてくれてまだあるから予約をしたと言ってくれる。忙しいので自分で取りに行けとも言う。
聞いた住所、場所に行くが見当たらない。電話ショップのテルスターに入って聞くと若い男性がチケットショップまで連れて行ってくれる。大きなビルの中のごちゃごちゃした所。
すぐに買えるかと思ったが大違い。10人以上並んでいて40分以上かかる。
ハーンドルフの店屋
 遠回りにならないのでドイツ移民の街ハーンドルフにも寄る。ハーンドルフの街は道路の両側にただただ土産物屋が並んでいる感じ。ソーセージやジャムを売っている店は結構繁盛している。人出も金曜日の割には多いと思う。年寄りばかりだけれど。もっと奥に入れば違う印象を持ったかもしれない。
ビクターハーバー
 車の運転は平山さん。いくら運転しても苦にならないと言って進んで運転席に座る。当然私がナビゲーターとなる。ハーンドルフからビクターハーバーに向かっているはずなのにどうもおかしい。標識に出て来る町は地図にない町ばかり。道路の番号は合っている。もう一度地図をよく見ると、標識に出てきた町は皆反対方向にある。逆方向に走っていたのだ。
 ビクターハーバーの売り物はホエールウォッチング、ペンギンパレード、鉄道馬車。ホエールウォッチングは6〜9月、ペンギンは19:00からとタイミングが合わない。
 まずiに行きこの近辺の地図を貰う。そして腹ごしらえと思い聞くと、イタリアレストランを教えてくれる。ボランティアらしき老人が親切に教えてくれる。このようにボランティアが運営しているiは多い。
 ピザを頼むと何か言っている。なかなか理解できなかったが大きさを聞いているのだ。壁にアルミ製の皿が掛けてある。一番小さいのが9インチでレギュラーサイズ。次が12インチのラージ、その次が15インチのエクストララージ、最大の物が18インチのファミリー。当然レギュラー。隣のテーブルは地元の若者3人。運ばれてきた物は15インチのエクストラ3皿。若いとはいえよく食べる。
 鉄道馬車はiの前からグラニット島まで2km程か。木製の橋に線路を敷いてある。馬も人もそして車とも共用だ。
 往きは歩いて行く。島に着き左側は海、右側は山。山の麓に穴がありペンギンの巣になっている。
ペンギンの巣
 岩山には遊歩道があり島を一周出来るようになっている。少し登る。
 帰りは馬車。キャビンは結構大きい。重そうだが引く馬も大きい。天気が良いので皆キャビンに入らず屋上のベンチに腰掛けている。
鉄道馬車
 寒いかと思ってセーターを持ってくるが不要であった。日本は秋、こちらは春。こちらの方が暖かい。
カジノ
 ノーステラスの道路沿い北側、キング・ウィリアム・ストリートから1ブロック置いた西側にカジノはある。アデレード駅の建物の1階の1部。アデレード駅は地下になる。でもこれはノーステラス側から見たもの。反対のトーレンス川から見るとカジノは2階で駅は1階になる。
 規模は中規模。ブラックジャックは21台、ルーレット10、バカラ4、ポーカー2、ビッグホイール2、大小1、クラップス1台、そしてスロットは沢山とゲームは揃っている。これは私が数えたもので、インターネットのカジノシティーにはブラックジャック40台、ルーレット20台と出ている。他にも部屋があるのかもしれない。
 カジノ内の階段を上がっていくと2階はスロット専用、3階はバフェ形式のレストランになっている。
 入り口入って正面はホール。右側がカジノ。左側にはATMコーナー。ホールでは昨日はディスコ、今日はライブのよう。覗いて見ようと思ったらチケットなしでは駄目と断られてしまう。
 最近シティーバンクの世界中どこでもおろせる預金というのに入る。日本円で預金しておいて世界中どこでも現地通貨でおろせる。オーストラリアに来て両替所を見ると、AU$の買いで¥86、売りで¥73と13円もの差がある。売りで1割、買いで1割、往復で2割も儲けている。ATMでは買いだけだけれど¥81.5であった。シティーバンクの説明書には人通りの少ない道路に面したATMではお金をおろさないように書いてある。ここではすぐそばにガードマンもいるし人の目も多く安心だ。以前カジノのそばにATMなんてと批判したが、便利ではある。
 平山さんは確率5割のものしかやらないと言って、ルーレットの赤黒、バカラをやっていたが、赤黒に相性が良かったらしくこればかりやっている。1度私の隣に座ってブラックジャックも始めるが6回続けて負けると、面白くないと言ってまた赤黒に戻っていった。この赤黒で結構稼いでいる。
「ルーレットでは俺以外の人は皆負けている。」と豪語している。
 気分転換に大小(サイコロ3個使うもの)に行くと、電光掲示板に1,1,1と1のぞろ目が何回か表示されている。よしこれで勝負だ。当たれば190倍。
 何回かやっているうちに1つのサイコロが他のサイコロの上に寄りかかり正常に着地していない。これはノーゲーム。するとディーラーは1のボタンを3回押し、1,1,1が電光掲示板に表示される。1,1,1はノーゲームの印だったのだ。
 あほ、そんなもの表示するな、と心の中でどなって大小は終わりにする。
10月25日 ポートアデレード
 インターネットのどなたかの旅行記にポートアデレードが出ている。そこを目指して出発。海岸沿いを北上する。
 飛行場横に赤と黄色を主体にした大きな平屋の建物があり車がどんどん入って行く。寄ってみるとアウトレットモール。服、バッグ、靴、ガラス製品等色々な店がある。入り口横にはATMが2台あり6人が並んでいる。ATMは消費を増大させるのにも役に立っている。
アウトレットモール
 桟橋があるので寄る。奥のほうに結構な数の人がいる。見てみると紐で編んだ籠(バスケットボールのゴールのバスケットの下を閉じた物のよう)に生の魚の切り身を結わきつけて海に投げ入れている。カニを取っているのだ。魚の匂いに引かれてカニが寄ってくるのだという。平山さんは日本でも同じ方式でワタリガニをとっていると言う。これがおいしいんだよねとも言う。
 ポートアデレードは基本的に工業地帯。歴史的建物も2〜3あるが大きな工場が沢山ある。奥のほうには高炉らしき物も見える。
 のんびり住むには適していない。
釣れたカニと照れてそっぽを向いているおばさん
フードコート
 今日のラグビーは15:30から。アデレードに戻って植物園にでもと思っていたが、アデレードに着いたとたんに大雨。傘を持って来てはいるが、朝晴れていたのでスーツケースの中のまま。
 大通りで車を止め、私は傘を買いに降り、平山さんは車に残る。あちこち捜して傘を買い車に戻ると平山さんがいない。どこへ行っちゃったかな、はぐれるたらまずいなと心配しながら待つ。だいぶ待ったようだが5〜6分か。戻ってきた平山さんが言うには、警察が来てここに車を停めてはいけない他へ行けと言われたそうだ。
 雨のかからないランドルモールをぶらぶらしているうちに昼。デパート メイヤーの地下のフードコートに入る。壁際に店が並んでいて中央にテーブル、椅子が置いてある。
 マクドナルド、サンドウィッチ、日本食、中華、タイ、コーヒーショップと色々ある。人も満員。A taste of Asiaというところで肉と野菜を煮込んだものを注文。これを焼きそばかチャーハンにかけるとひとつの商品になる。チャーハンにかけてもらう。$6.8。
 いつだったかうちの奥さんとブリスベーンのフードコートに入ったときはひどい味だったが今回は充分食べられる。
オーストラリア対ナミビア
 会場のアデレード・オーバルはビクトリア・スクエアーからキング・ウィリアム・ストリートを北上し、ノーステラスを横切りトーレンス川を渡り左側にある。ビクトリア・スクエアーから歩いて30分程。Ovalを辞書で引いてみると卵形の競技場とある。オーストラリアではクリケットをやるせいかこのオーバルが多い。スコアボードもクリケット用だろう。
 席はせっかくだからと、売り出している中では1番高い$60の席を購入してある。メインスタンドは真ん中、北側、南側と3ブロックに分け、それぞれ人の名前が着いている。私のはサー・エドウィン・スミス・スタンド。南側の1番端っこだ。椅子も古く、細長い板を少し隙間を開けて釘で打ち付けてある長椅子だ。タッチラインとデッドゴールラインのコーナーの後方に位置する。
 とても$60とは思えない席。おまけに入場するときに手荷物検査をして望遠レンズを見ると、これを使ってはいけないと言う。目の前に手で丸を2つ作り、双眼鏡で見張っているからとも言う。
 外国でトラブルを起こしてもしょうがないので望遠レンズは使わないにする。
 チケットは昨日でも買えたし、ワラビーズの主力選手は温存だろうから、客はそんなに入らないだろうと思っていたが、そんなことはなく立見席もいっぱいの満員だった。
 試合は思った以上のワラビーズの楽勝で142-0。今のナミビアならジャパンでも勝てるだろう。
トライシーン(多分No15レイザム)
オイスターショップ
 今日の予定金額を負けてしまったので平山さんを置いて先に帰る。またコールズに寄るが閉まっている。ドアには土曜日は17:00までと書いてある。トラムの線路沿いを歩いているとオイスターショップがある。オイスター1ダース、シュリンプカクテル1パック。$15。レモンも少しと言うと、切り分けてあるレモンを4切れ付けてくれる。
 反対側にホットドッグ屋。1個購入。$3.2。近くにワインショップはあるかと聞くと、「沢山ある。どちらに行くのか。」スタンフォードへ帰るところと言うと、「100m先、左側にボトルショップがある。」
 先ほどバーかと思っていた店だ。多くの人がテーブルに着いて酒を飲んでいる。カウンターの端っこでワインを買うことも出来る。白を1本注文。どんなのが良いか聞くから、「ドライタイプ。」いくら位のが良いか聞くから、「アバウト テン。」$9.5の物を出してくれる。栓も抜いてくれるように頼むと、少し残して抜いてくれる。
 ちょっと失敗をしてしまう。ホットドッグとオイスターを同じ袋に入れてしまい、ホットドッグが部分的に冷たくなってしまった。それを除けばおいしく食べられた。
 平山さんはピザ屋に入るが何が何だかわからず立っていると、厨房に連れて行かれどれが良いか聞かれたと言う。指をさすと焼いてくれて食べてきたと言う。
 「ほら英語がしゃべれなくても何とかなったじゃない。どこへ行っても何とかなるもんだよ。」
10月26日 バロッサバレー
 今日のラグビーは18:00から。予定通りにバロッサバレーに行く。市内から北東方向に車で1時間ちょっと。
 この地方最大級のワイナリー オーランド・ワインズへ行きワインを試飲。何種類か試飲するが結局ワールドカップのマークの着いたワインを赤白12本ずつ注文し送ってもらうようにする。
 成田のカンタスのカウンターで搭乗券を発券する時に聞きもしないのに、預ける荷物は20kgまで、機内に持ち込む荷物は7kgまでと言う。お土産で重くなっても駄目なの、と聞くとやはり駄目。持って来るのは諦めた。安いワインだったので送料、保険料の方が高くなってしまう。
アルゼンチンのジャージを着て
 ひとつの建物の半分が試飲場、あと半分はレストラン。ここで昼食を食べる。ビーフステーキ、赤ワイン1本、アイスクリームで$91(2人分)。ここでステーキを食べなかったらまともな食事は1回もなかったな、とは肉好きな平山さん。私はオイスターの1ダースも食べれば充分満足なんだけれど。
 日曜日のせいか客も多くレストランのテーブルはすぐにいっぱいになってしまう。車で来ているから1杯だけ飲んであとは瓶ごと貰っていこうと思っていたが、少し減るとウェイターが注いでしまうから結局全部飲んでしまう。充分休憩してからささやきの壁へ。
 バロッサバレー内のダムのコンクリート壁が弧を描いている。端から端まで100m程か。片方の端で小声でしゃべると(1坪程のささやき場がある)もう一方の端でその声がよく聞こえる。
 1人の女性が未知(多分)の男性と話しをしていて、よく聞こえるのでだんだん興奮していっている。2〜3m先の足元から聞こえるよう。
ささやきの壁
アイルランド対アルゼンチン
 市内に戻り動物園に行く。たまたま無料で駐車できた所に近かったから。入場券を買う時に、17:00までだから30分しかないけど良いかと聞かれる。時計を見るとまだ15:30。
 今日から夏時間で1時間早くなり今16:30だと言う。いやー知らなかった。来てよかった。へたしたらラグビーに遅れるところだった。
 17:20頃オーバルに入る。圧倒的にエメラルドグリーンのジャージを着たアイルランドのサポーターが多い。数の少ないアルゼンチンサポーターは私を見ると、親指を立てて手を握り体の前で軽く上に挙げ挨拶してくれる。
 今日の席は$45。バックスクリーンやや後方。10mラインと22mラインの中間あたり。足元も広いし昨日よりずっと良い。
 ラグビーは見ていて楽しいのだが番狂わせというものが殆どない。前回のワールドカップの覇者が今回は予選落ちなどというサッカーみたいなことはない。
 予選リーグではどちらが勝つか大体予想がつく。でも今日の試合は実力伯仲、どちらが勝つか全く分からない。予選リーグ随一の好カードだ。前回の1999年ワールドカップで対戦した時は28-24の小差でアルゼンチンが勝っている。
 試合はアルゼンチンがペナルティーゴールを決め先制。アイルランドはNo2のキャプテン キース・ウッドの突破からアラン・クインランがトライ。このキース・ウッドは良い。フッカーながら80分間駆けっぱなし。第1列の常識を変えた男だ。
 アイルランドにはもう1人世界に通用する男がいる。No13オドリスコルだ。まだ24歳。でも有名になりすぎてマークがきつい。今日も2人がかりのタックルを受けてなかなか突破できない。最終的には16-15でアイルランドの辛勝。ラグビーが初めての平山さんも昨日よりずっと良いと言う。
 地元のワラビーズが出ていないのに今日も満員。前回のイギリスでのワールドカップの時に、スコットランドのマレーフィールド・ラグビー場では地元のスコットランドが出ていない時にはガラガラだったという。
 同じ楕円球を使う競技でもオージーボールの人気の高いオーストラリア南部でこれだけ客が入るのだから、関係者が大成功といっているのが分かる。
オーバルの横のトーレンス川
10月27日 ゴルフ
 当初の予定ではカンガルー島観光だったが、12時間掛かると言うと、平山さんは「そんなのいやだ。どうせ今までと同じだろう。ゴルフをやろう。」
 ホテルのボーイにゴルフをやりたいがいい所はないかと聞くと、ボーイは大丈夫任しておけと言うが、忙しくてゴルフ場に電話をする暇もない。
 2〜3箇所廻ればどこかでやらしてくれるだろうと、出発する。
 ポートアデレードに行く時にゴルフ場があったからそこへ行ってみよう。
 5分ほどで空港の横にあるゴルフ場に着く。アデレード・ショアーズというスポーツクラブのゴルフコースだ。ソフトボール場やテニスコートもある。
 管理棟に入りゴルフをやりたいと言うと、“No problem.”
 クラブがないけれど、“No problem.” 貸しクラブがある。
 靴がないけれど、“No problem.” 今履いている靴で構わない。
 グリーンフィー$15/人。貸しクラブも$15/人。クラブはカートに乗せ自分で引っ張っていく。ボールは5個くれる。平山さんが、ボールが5個では足りないあと10個欲しいと言うと、“No problem.” とはさすがにいかなかった。ボール10個とティー2袋で$34。
 待たされることもなくスタート。生まれて初めてのゴルフだ。大学を出て就職をした時に、はやっていたひも付きボールを打ったことは何回かある。
 チョロッといったり、ゴロになったり、うまく飛んだりとにかく前には行く。しょうがないのがアプローチだ。ホール近くなってからが難しい。かえってホールから離れたりする。
 飛行機の爆音を聞きながら廻る。
アデレード・ショアーズ ゴルフコース
 ベテランの平山さんの話では芝の手入れなどは良い方らしい。
 「クラブハウスがなあー。」と不満そうだがグリーンフィー$15のパブリックコースでは贅沢は言えない。
 私たちの前は3人組。実力は私たちと同程度らしい。1人多い分だけ時間がかかるが、私にとってはゆっくり出来てかえって助かる。後ろの2人組が早く、前がゆっくりでなければ、プレッシャーになっていただろうから。
 3mのパットが外れて6mになったりするが、だんだん収束して最後にはホールに入る。人の倍も叩いただろうか。9ホール終わってくたびれたのでもう終わりにしようと言うが、平山さんは
「なーに最後までやるんだ。」
 結局18ホール全部廻って5時間歩き通しだった。翌日筋肉痛にもならず手に豆も出来ていない。引退してから平日に誰気兼ねなくゆっくりやるぶんにはいいかもしれない。
 カジノはいいとこなしだったが全体には楽しめたアデレードであった。グレネルグは海の前だし、お店もいっぱいあってロングステイにはいい所だと思う。トラムがあるから自家用車も不要だろう。
第30報終わり
エイビスのアデレード地図

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