
オーストラリア タスマニア州(ホバート、ローンセストン)
2001年1月5日~1月14日
1月6日 ホバート到着
16:30ホバート空港着。例年のとおり正月は奥さんと二人連れ。もう5回目になる。シドニーまではJAL。荷物を受け取り空港の端から端まで歩くとカンタスの国内線カウンターがある。荷物を預け搭乗券を発券してもらう。ずいぶんと狭く、おかしいなと思っているとここはただの連絡通路。バスで滑走路を挟んだ反対側の国内線ターミナルへ移動。
荷物を引きずりながら歩いている途中トーマスクックで両替。US$500≒AU$810(AU$1≒¥72)。
シドニー-メルボルン、メルボルン-ホバート共に便名はQF453だがシート番号は異なる。メルボルンに着いた時に、“同じ飛行機だから乗ったままでもいいのかな。でもシート番号は違うし、掃除をしたりもするだろうから降りたほうがいいのかな。”など色々考えながらも飛行機を降りる。カンタスの職員にどこで待てばいいか聞こうと思い、メルボルン-ホバート間の搭乗券を見せると、“着いて来い”と言う。発着案内のテレビで確認し“ゲイト9”と言い、延々と歩かされる。もう1つのQF453の発着時間はあと5分に迫っていて足早で歩く。駆けようと思うが何年も駆けたことがないから駆けられない。しかし同じ便名だから、別の飛行機だとは全く想像しなかった。飛行機はだんだんと小さくなっている。
聞いてよかった。聞かなければ同じ飛行機と思い込んでいるから、そのままそこで待っていて大変な事になっていただろう。
ホバート空港でハーツレンタカーが用意してくれた車は韓国現代のグランデュー。日本で俗に言う3ナンバーの大きさがある。走行距離は2,000kmの新しい車。レンタカー大手は比較的新しい車を貸し出してくれる。ある程度走ったら中古車市場に出すようだ。グランデューは走っていてとても静か。驚くほどだ。
タスマニアではレンタカーが多いが現代製が目に付く。道路は日本と同じ左側通行なので違和感は全くない。ただ制限速度が広い道で110km、普通の道で100km、街中で60kmとなる。
ホバートでのホテルはレストポイント ホテル&カジノ。空港から20km、街中から3km程はずれている。円形の建物で海岸沿いにありすぐ横にはヨットハーバー。玄関入って正面にエレベーター。エレベーターは円のほぼ中央を上下している。その左側がレセプション、右側はカジノの入り口。レセプションでスモーキングかノースモーキングか聞かれる。ノースモーキングと答えキーを受け取るが部屋にはバスタブがない。
レセプションまで行き部屋の交換を申し込むが、スモーキングの階にしか空きがないと言う。なーに1年半前までは私も吸っていたのだから何の問題もない。あれから1本も吸っていないが、たまにタバコを吸っている夢を見る。
夕食

折り鶴のあるレストラン街
折り鶴は街の中心部に近い港のそばにありタクシー代$8.5。19:00頃着くが予約なしだと1時間ほど待つと言う。今日は諦めて明後日、月曜日の19:00に予約を入れ(日曜日は休み)、同じ建物の2階にあるレストランに入る。
白ワイン1本、オイスター1ダース、クレイフィッシュ、ベイクトベジタブルを頼む。オイスターは日本の牡蠣より少しねっとりしている。ベイクトベジタブルはジャガイモ、ナス、キュウリ、ニンジン、しいたけなどを焼いた物。クレイフィッシュはどうであったかは忘れている。
カジノ-1
21:00頃ホテルに戻る。外はまだ薄明るい。奥さんは部屋に、私はカジノに。数あるオーストラリアのカジノの中で一番古い。入口を入ってスロープを下るとすぐに目当てのテーブルゲーム。ポーカー1台、ブラックジャック3台、奥にルーレット2台。
このテーブルゲームの左側、円の中心側にスロットマシーン40台程。入口スロープすぐ右側はトイレ。そして両替所、スロットマシーン60台程、それからバーになる。ここまではお客が一杯。
またこの先(円形の建物だから必然的に弧を描いている。左にカーブしている)にテーブルゲームが先程と同じだけあり、そしてビッグホイールが1台置かれている。この近辺はまだ人影がまばら。この奥に劇場がある。今日はバンド演奏をしていて客の入りもまあまあ。ステージは円の弧の外にはみ出している。
ブラックジャック3台はそれぞれミニマムが$5,$10,$20となっている。他と変わったルールでは、ラシャ上にPP(パーフェクトペアーズ)と染め抜かれた四角いマークがある。ここにいくらでもいいから賭けると、配られた2枚のカードが同じ数で異なる色だと6倍の配当、同じ色だと12倍の配当、同じ形だと25倍の配当が付く。
ミニマム$5,$10のテーブルを入ったり来たりで$1,000も負けてしまった。
今日の走行距離は20km。
1月7日 曇り時々小雨 ポートアーサーへ
9:30頃の出発でポートアーサー方面へ行く。ホバートを出てすぐに助手席の奥さんが、リッチモンドという街があってそこにはオーストラリア最古の石橋、最古のカソリック教会、最古の刑務所があると言う。A3号線をはずれリッチモンドへ向かう。街はこじんまりしていて一周するのに何分もかからない。それでも学校、ホテル、ベーカリー、土産物屋などはある。

リッチモンドの石橋
植民地アメリカが独立してしまい、流刑地に困ったイギリスは次の流刑地にオーストラリアを選ぶ。そして流刑囚の中のうち再犯者をタスマニアに再流刑したとある。極悪人ばかり集まったせいかタスマニアン・アボリジニは絶滅してしまっている。あとカリブ海の島国ジャマイカだと思ったが、やはり先住民は絶滅して現在住んでいるのはアフリカ系黒人ばかりという国がある。人類でも絶滅してしまうのだ。そしてオーストラリアの遺跡は何々刑務所ばかりになってしまう。
海の中の道路を走りソレルの町でA3に別れA9へと入って行く。タスマン半島の入り口イーグルホークネックは右側に海が見えたらすぐ左側にも海が見えるというような所。海は湖と間違うような狭さと静けさ。
イーグルホークネックの手前にLook Outの看板がある。指示通りに入っていくと車数台の駐車スペースに先客が2台。タスマン海が良く見渡せる。Look Outとはこのように景色が良く駐車スペースがあり写真撮影など出来るところ。ベンチがあったり、トイレ水道があったり、中にはバーベキューをするための電熱式鉄板を備えているところもある。
ハーツレンタカーがくれた道路地図にも、点を中心に八方へ光を放っている絵を縦に半分割りした図で表示されている。奥さんはピカピカと呼ぶ。
このピカピカから数分のところに広場がありキャンピングカーなど10数台の車が停まっている。砂浜より1段高く景色もまあまあ。ここで昼食にする。
食べた物は昨日の飛行機で出たサンドウィッチ。メルボルン-ホバート間のサンドウィッチが残っていたのだ。楕円のパンに野菜、ハムを挟んである。パンの皮が固い。フランスパンほどではないが結構固い。
子供の頃親の言う事を聞かず歯磨きをおろそかにした報いが今来ている。歯がぐらぐらして、パンをがぶっと噛んで引きちぎろうとすると歯が取れそう。全く情けない。

ピカピカからのタスマン海
イーグルホークネックから15分程でタスマニア・デビル・パーク。日本語の説明書によると、傷ついたり親からはぐれたりした動物の世話をしている。費用は全て入場料で賄い援助は受けていない。飼育している動物はタスマニア・デビルをはじめとしてタスマニアだけに生息しているもの、主としてタスマニアに生息しているもの10数種とある。
タスマニア・デビルは猫より大きく、小さい犬くらい。肉食。もっと大きくて羊あたりを狙っていたらとっくに絶滅させられていただろう。タスマニア・タイガーは絶滅している。入場料$13。
ポートアーサー ヘリテイジ サイトというのがあるので行ってみる。駐車場はほぼ満杯。テーマパークのようになっていて何々はいくらとか価格表がある。奥さんに入ってみるか聞くと、「いい」と言う。ポートアーサーの街を目指して進む。街らしい物は何もない。浜辺に10軒ほどの家が並ぶだけ。ナビゲーターをしている奥さんは、「地図上のポートアーサーは小さい丸が1つだよ。リッチモンドは2重丸だったからここがポートアーサーじゃないの。」と。どうもそうらしい。リッチモンドへ行く途中のケンブリッジも小さい丸1つで家が数軒だけだった。
帰りは奥さんの運転で私がナビ。ガイドブックを良く見ると、ポートアーサー ヘリテイジ サイトは昔の刑務所を中心にしたテーマパーク。ポートアーサーでの見所はここしか載っていない。
ホバートに戻って
ホバートの街に寄り繁華街サラマンカ プレイスを散歩。日曜日のため半分くらいの店は休み。何軒かの土産物屋に入るが何も買わない。一時集めていたスプーン(土地名をプリントした記念用)も置く場所がなくなってしまった。
スーパーにも入ってみる。バナナを4本購入。値段は忘れたが安かったのは確か。
夕食は中華が良いと、ホテルと1階でつながっているコンベンションセンター内にあるアジア・レストランへ行く。いやー驚いた、コンベンションセンターの1階は全部スロットマシーン。何百台かのスロットマシーンをかき分けてアジア・レストランに着くが、やはり休み。

サラマンカ プレイス
ホテル17階のリボルビング レストランへ行く。名前の通り回転する。ワインは赤。どんなワインがいいか、ライトかヘビーか聞くからヘビーと答える。酸味が強いのか、う~んちょっと違うか。それなりの味はする。
前菜はまたまた大好きなオイスター。生1皿(8個)、ベイクト1皿。ベイクトもオイスターそのものは生焼けでおいしかった。私はビーフ、奥さんはラム。そしてコーヒー。合計$135。
カジノ-2
カジノに日本女性2人組が来た。30歳過ぎか。テーブルの後ろで見ている。
椅子が空いたのでどうぞどうぞと促し、何か飲みますかと聞いてウェイトレスに注文しお金を払おうとすると、1人がソフトドリンクはただですと言う。話をしてみると、観光客ではなくてここホバートで働いていると言う。日本企業の支社とかではなく、地元企業だと言う。当然英語はペラペラ。賭け方も玄人はだしだ。
「なんだプロじゃない。」
ワーキングホリデーではなくて、海外で働き活躍する日本人(特に女性)はもっと増えてくるだろう。日本での活躍の場が余りにも狭過ぎる。$300の負け。
今日の走行距離280km。
1月8日 曇りのち晴れ ヘイスティングス洞窟へ
9:15出発でヘイスティング洞窟を目指す。最初に寄ったのはホテルのすぐ裏にあるピカピカ、ネルソン山。山というより丘で廻りは住宅街。
この後A6を南下。途中リンゴ博物館というのがあるので入ってみる。館長みずからリンゴ皮剥き機を操作し説明してくれる。皮を剥きながら芯も取れる。他の客が来ると館長は切符売りから切符切りにまで変身する。皮を剥いたリンゴをくれるが味はいまいち。リンゴも小さく直径6~7cm。奥さんいわく「そのまま食べるのではなくて加工用じゃないかしら。ジャムとかジュースの。」入場料は忘れた、ただではない。
途中休憩しながら写真を撮りながら13:00頃ヘイスティングス洞窟の切符売り場に到着。$13.2/人。切符をくれる時に何か言っている。どうも大事な事のようだ。リンゴ皮むき機の説明などは、目の前に機械があるから、フンフンと聞いていれば良かったが、今度は違うようだ。一所懸命聞いて分かった事は、洞窟の入口は森の奥でここから5km先だ。ツアーは14:00からだから13:50までに入口へ行けという事だ。I see。ここには売店がありサンドウィッチを売っているので昼食にする。昨日買ったバナナと一緒に。

原生林の中の歩道
もう12,3人の客が待っている。ガイドの指示に従い狭い階段を昇り降りする。照明の電球が切れたら交換するのが大変だな、など思いながら見学。
子供の多くがバスタオルを抱えている。切符売り場の裏に温泉プールがあるのだ。Thermal Springsとある。水温28℃、気温20℃。こちらの人は皆半袖だが私たちには寒く感じられる。子供たちは元気に水遊びをしている。
ウェリントン山
帰り道地図を見るとハーツ山にピカピカがある。運転している奥さんにそこへ行くように指示。ギーブソンという町で左に折れC631を15km程進み、また左に折れC632を進む。
登り坂を行けども行けども着かない。道はもうとっくに砂利道に変わっている。幅は5,6m、両側は30~40m級の原生林。1台の車ともすれ違わない。動くのを見たのは鳥が2羽だけ。
奥さんが不安にかられ怒り出した。車が故障したり、脱輪したりして動けなくなったら一巻の終わりだから。引き返すことにする。
ヒューオンビルの道路沿いのワインショップに入る。タスマニアワインは地元だから安いんじゃないかと思ったがそうではなかった。通常のオーストラリアワインは$10からあるのに、TASMANIAと入っている物は$28から。$30以上が多い。しかしせっかく来たのだからとタスマニアワインを赤白1本ずつ購入。
ホバートの西側にウェリントン山というのがあってやはりピカピカマークが付いている。よし、今度はここに挑戦しよう。
A6からB64に入るように指示。
ウェリントン山はホバートに近いせいか沢山の車が行く。1車線で曲がりくねっているので追い越しが出来ず、我々の車の後ろは数珠繋ぎ。でももうこれなら何があっても安心だ。
天気は快晴。そのせいか頂上には一杯の人。ホバートの街も良く見える。とても標高1,270mとは思えない。もっと低い感じがするが、植生を見ると低い木ばかりで高さを実感する。

ウェリントン山で 左下ホバートの街
折り鶴
山を降りホバートの街へ。時間調整をしてから折り鶴へ。揚げ出し豆腐と例によりオイスター。ビールと日本酒1本ずつ。日本酒は燗酒が出てくる。そして刺身、寿司の盛り合わせセット。カリフォルニアロールみたいな逆巻きの物をタスマニアロールと呼んでいる。切り口が悪く傾いている物もある。奥さん曰く「日本人の客が一番怖いでしょうね。」
でも気にしているかどうかは分からない。
現地人の客は多い。中には常連さんという雰囲気でおかみと話している人もいる。インターネットで見た時には、ダイビング好きのマスターが云々と出ていたので、夫婦でこぢんまりとやっているのかと思ったが、3,4人使って大繁盛だ。ビールを追加して$82.5。
カジノ-3
カジノでは日本人のおじさんが後ろから見ている。今度は観光客らしい。隣の椅子が空いたので、「やりませんか」と声を掛けるが、「良くわからないから見ているだけにします」と言う。
「な~に、お金を賭ければいやでも覚えますよ」と言うが乗って来ない。
ビールを頼むと$3。$5のポーカーチップで払ってお釣りが$2。これをPPに置くとダイアのキングが2枚来た。同じマークなので25倍の配当。$50ゲット。しかし後がだめで$400の負け。
走行距離 今日も280km。
ロス
9:15出発でローンセストンへ向かう。1号線を北上。11:00頃魔女の宅急便でおなじみのロスに到着。川があり、石の橋があり、教会があるところはリッチモンドと同じ。地図を見ると湖、川は沢山ある。山が多く木、水は豊富だ。道は当然曲がりくねっている。車の制限速度は110km、100kmだがとても出せない。レンタカーを借りるときに、速度違反取締りの監視カメラがあるので注意してくれと言っていたがとんでもない。目一杯頑張って80km/h。それ以上は怖くて出せない。
ロスのiで貰ったパンフレットによると、このパン屋兼旅館(Bakery Inn)は歴史が古く1832年に建てられたとある。3つある教会のうち一番古い物でも1868年の建立だ。オーブンはまだ当時の薪を燃料とした物を使っているとも書いてある。
ロスにはもう1つパン屋がある。街の南側から入ったが、手前にあるのは魔女の宅急便とは関係ないパン屋。先にあるのがお目当てのパン屋だ。ここでサンドウィッチとコーヒーを貰い、店の前のテーブルで昼食とする。ホバートやローンセストンはともかく小さい街にはレストランがない。あってもコーヒーショップ。お昼はどうしてもサンドウィッチになってしまう。選択肢がないのだ。どのサンドウィッチがいいか選んでいると日本語が聞こえる。卒業旅行か、若い4人組。やはりレンタカーで来ている。

パン屋の魔女さん
ローンセストン
1号線のローンセストン出口の1つ手前の出口にカントリー・クラブ・カジノの看板が出ている。それに従いホテルに14:00過ぎ到着。低層3階建て。1階と思っていたレセプションは2階で、地下と思っていたところが1階となる。
休憩後ローンセストンの街へ。街のすぐ横にカタラクト渓谷がある。谷の両側に遊歩道があるので少し歩いてみる。途中ロッククライミングの練習をしている人たちもいる。戻りに新婚さんらしい日本人とすれ違う。二人は手をつないでいる。
この遊歩道を1kmも進むとファースト・ベイソンという湖がある。湖の上にはチェアーリフトといって、昔のスキー場で使っていたような椅子だけのリフトがある。私たちは車で向かい、チェアーリフトに怖いけど乗りたい、乗りたいけど怖い、どうしようかななど考えていたが、着いてみると16:30に営業終了で乗れなかった。
渓谷入口横に火薬工場を利用したテーマパークがある。水車を動力源にして石臼をひいて火薬を細かく砕く装置を展示し、池に浮かべた海賊船の大砲に火薬を詰め時々ドーン、ドーンと撃っている。切符切りのお婆さんは土産物屋のレジも兼ねていて忙しそうだ。でもこれで$10/人はどう考えても高いよ。

火薬工場跡地のテーマパーク
夕食
夕食にはしつこく焼きそばが頭から離れない。これだけの街だから、日本食レストランはなくても中華料理屋はあるだろうと、車でうろうろする。赤い建物に漢字の看板、「お、あった」とばかりにそばへ行くが営業している雰囲気がない。ローンセストン最大のホテル、ノボテルにも行くがない。再度うろうろしているうちにイタリアレストランを見つける。スパゲッティーでいいや。
メニューにオイスターが出ているので注文するも、今日はないという返事。私は月並みにナポリタン($15)とビール。奥さんは他のスパゲッティーにサラダにビール。おいしく量もある。
メニューを眺めていると同じスパゲッティーでもコースの1部として頼むと値段が安い。量が少なくなっているのだろう。
カジノ-4
「こんな所まで日本人は来ないでしょう」と奥さんは言うがそうではない。ホテル カントリー・クラブ・カジノの部屋には日本語が氾濫している。ドアーのノブには「起こさないでください」、「掃除をしてください」の札が用意されているし、ランドリーバッグには英語の下に日本語訳が併記されている。
カジノには渓谷で会ったカップルがいた。渓谷から遊歩道を歩いて湖へ行きチェアーリフトに乗ったと言う。
ホテル入口を入って右側を見るとカジノの入口がある。入って右側に目立つように本田のRV車が飾ってある。
左側壁に沿ってバー。一見スロットマシーンだらけでスロットしかないのかと思うようだが、入口の対角線上反対側にテーブルゲームがある。ルーレット2台、ポーカー1台、ブラックジャック3台。ブラックジャックにはPPなどなくオーソドックスなもの。
手持ちがなくなり両替所に行く。米ドルを出し、オーストラリアドルを数えているおじさんに “Much more,Much more” と言うが、肩をすぼめるだけで多くはくれない。
うろうろしていると、さっき私をこてんぱんにやっつけてくれたお姉さんがおいでおいでをしている。でもやはり取られて合計$900の負け。これだけ負け続けだと、もうタスマニアには来ないにしようと思ってしまう。
このホテルは18ホールのゴルフ場を持っている。テニスコートも2面ある。ゴルフ目当ての客も結構いるようだ。帰り道シドニー空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手は、話をしていてホバート、ローンセストン、ストローンを廻って来たと言うと、ゴルフをやるのかと聞く。いやブラックジャックオンリーだと返事すると、しばらく笑っていた。
今日の走行距離は240km。
1月10日 晴れ ローンセストン近辺観光
10:00出発でビューティーポイントを目指す。出発前にキノを申し込むために本田のRV車の横の階段を降りる。1階は本当にスロットだらけ。あとはバーとバフェ。1ゲーム$2で25ゲーム申し込む。
テイマーヴァレーの西側のA7を北上。途中奥さんがもう1本ワインを買いたいというので、ガイドブックに出ているマリオンズで試飲、購入する。ビューティーポイントとは町の名前。だがどうという事はなく行き止まりの村グリーンズビーチまで足を伸ばす。行き止まりが海水浴場。海の中は子供だけ。大人は浜で監視役。
ビューティーポイントから20km程戻りテイマーヴァレー唯一の橋を渡りA8に出て北上、ジョージタウンを目指す。南部のホバート近辺では見かけなかったが、この辺りでは丸太を満載したトレーラーをよく見かける。キャビンは日本の大型車より縦も横も大きい気がする。これが目一杯のスピードで走っているから迫力はものすごい。

丸太を積んで疾走するトレーラー
橋のたもとに自分で栽培した果物を売っている人がいる。ライトバンのボンネットに果物を乗せシートで日除けを作って。桃、さくらんぼ、ブドウ、トマト。さくらんぼ$5、トマト$3.5を購入。共に1kg。さくらんぼは運転中になくなってしまった。
ジョージタウンで昼食。コーヒーショップでまたサンドウィッチ。こちらの人はカプチーノが好きなようで皆カプチーノを飲んでいる。我々もそれに倣ってカプチーノ。
A8を南下しローンセストンを目指す。ナビは私。ローンセストンの手前B81を北東に進むとリリデイルの滝がある。はいそこ左、そこは右と奥さんに指示を出していたが、いつの間にかローンセストンの街に入っている。
B81より南側にA3がある。A3途中少し右側にはずれたところにバロー山がありピカピカマークがある。よしまだ時間はたっぷりあるのでA3を通ってバロー山に寄りそれからその先のスコッツデイルへ行き、B81を逆に走りリリデイルの滝に寄り、ローンセストンに戻ってこよう。
バロー山にはA3からC404に入り山を登って行く。いい調子で登って行くが、途中キャタピラーつきの重機が木を伐採しているらしく道路を塞いでいる。作業をやめる様子はないので山頂は諦めUターン。木を伐採した跡は結構ある。中には道路の際20~30mの幅で木を残し、奥は全部伐採という所もある。自然保護派が大騒ぎするわけだ。

伐採はどんどん進んでいる
リリデイルの滝の入口の公園にはキャンピングカー2台、乗用車で来てテントを張っている人1組がいる。電気はないけれど水道、トイレはある。看板には公園から歩いて5分で1段目の滝、さらに5分で2段目の滝と書いてある。1段目の落差は5m程、2段目は3m程。歩道は整備されているが滝は自然のまま。倒木など除去せずにそのまま放置されている。18:30ホテル着。
夕食、カジノ-4
夕食はホテル3階のレストラン。白ワインに例によってオイスター。メインはサーモン。サーモンの下にマッシュポテトが2cmくらい、その下には茹でたほうれん草を敷いてある。奥さんはしょっちゅう塩鮭を食べているからと別の物を頼んでいる。
こちらでは今は夏。夏にオイスターがあるのだから多分1年中あるのだろう。コーヒーも頼んで$111.6。
明日はストローンに向かうので早起きする予定。カジノも早々に引き上げて$122.5の勝ち。半端の$2.5をチップとしてあげようとしたが受け取らなかった。チップ、チップと大騒ぎするカジノもあるが。キノは$18の戻り。
今日の走行距離は340km。
1月11日 晴れ ペンギン町を通ってストローン(Strahan)へ
今日は1番の長距離を走る予定なので早起き(6:30)をして8:00に出発。1号線をバーニー目指して走る。途中デヴォンポートからバーニーまではタスマニア島北側のバス海峡沿いを走る。この間にペンギンという町があるとナビ担当の奥さんが言うので、ここでトイレ休憩とする。
小さな駅は改装中。きれいなペンギン ホテルも建っている。街のお店全てがペンギンのマスコットを置いている。観光で売り出す努力が良くわかる。でも土産にたいした物がない。タスマニア全体にいえる事だが、いいなと思えるものはヒューオンパインの木工品しかない。(伐採しているのはこのヒューオンパイン。)特産品のウールで良い物は出来ないんだろうか。
昔ある人が言っていた。ウールの良い品物は日本とかヨーロッパへ行ってしまう。デザインも当然そちらの方がいい。だから生産国であってもオーストラリアやニュージーランドには買いたいウール製品なんてないんです、と。
以前ニュージーランドでオールブラックスのセーターを購入したが、2,3回洗濯したら着られないほど縮んでしまった。
でももうそれから10年近く経っている。藤井毛織はタスマニアの最高級ウールをもう29年間落札し続けている。このウールで作った背広は100万円を下らないそうだ。
最高級品でなくてもいいから、1級品でいいのだから良いデザインで購買意欲を高める商品を作れないだろうか。

ペンギン町で
ペンギン町を出てバーニーよりB18を南下。この道路も原木を積んだトレーラーが多い。トレーラーの後ろに付くと、原木が落ちてきたらどうなるんだろうと考えてしまう。追い越せたら追い越してなるべく後ろには付かないようにして走る。A10に合流してクレイドル山を左に見てなお南下。
当初の計画ではストローンではなくクレイドル・マウンテン・ロッジに1泊する予定で旅行社に手配を頼んだのだが、旅行社より「このロッジは2泊からしか受け付けない。1泊でもかまわないが料金は2泊分必要。」と連絡があった。1泊でツアーを組んでいる旅行社もあるから、客が気が付かないほど安い宿泊費なのだろう。でも納得がいかないのでストローンに宿泊する事にした。
峠を越し下りに入るところでサイクリングの一行とすれ違う。この下りは延々と続き10km以上あったと思う。サイクリングは逆向きだからずっと登ってきたのだ。感心してしまう。
ローズベリー町を過ぎるとモンテズマの滝がある。先も見えてきたので寄ることにする。A10からわき道に入り10分も行くと行き止まり。広くなっていて駐車できる。4台の先客がいる。
3台は無人。残りの1台からおじさんが降りてきて看板を見て立ち去った。その看板にはモンテズマの滝はここから5kmと書いてある。車は小さい川が道路を横切っていて入っていけない。山道で5kmというと頑張っても1時間半。往復3時間。1日がかりのピクニックの積もりで来ないととても行けない。
諦めてこの駐車広場で昼食。昨日ジョージタウンのコーヒーショップの裏にスーパーがあったのでバナナとヨーグルトを買っておいた。そして橋のたもとで買ったトマトも丸かじり。トマトは肉が固かったがおいしかった。
タスマニアではジャムが安い気がする。(気がするというのは日本では自分でジャムを買ったことがないから。)まあまあの大きさで$2。小さい物は$0.6。やはりスーパーで購入。今までで1番安いお土産だ。
ストローン到着
14:00ストローンに到着。今日の宿フランクリン・マナーにチェックイン。木造2階建て。おかみが出てきて説明してくれる。「今日は大変忙しい。ここがバーで向こうがワインセラー。飲みたい時にはいつでも好きな物を取って欲しい。ノートが置いてあるから名前と品名と数量を記入してくれればいいから。そしてあなた方の部屋はここではなく向こうのコッテージの1号室だ。」

フランクリン・マナー
ここの名物ゴードン川クルーズはもう終わっている。1日1回9:00出発しかないのだ。川のクルーズだから2時間おきにでもあるのかと思っていたがそうではなかった。翌日の半日クルーズに申し込む。9:00~14:00で$50/人。昼食は$3。
ヘリコプターや水上飛行機もある。これなら今日乗れるから奥さんに提案すると、「やだ。」
木製品の製造販売所がある。製材所の入口には木の切れ端が箱に入っていて$1の値段が付いている。売れればの話だが、ただ単に燃やしてしまうよりずっと良い。
コッテージはやはり木造2階建て。平屋部分もあるが私たちは2階建ての部屋。入口入って右側に簡単なキッチン。左側は壁を隔てて物置で清掃のおばさんたちが使っている。キッチンの奥は柱から柱まで壁際に板を渡してテーブルにしてある。スーツケースなどの重い物は置けないがリュックサックなどは置ける。
左側にはベッドが1つ。さらに奥が居間。バス、トイレは中2階にある。バスタブは大きく深く私好みだ。2階が寝室。ダブルベッドが1つにシングルベッドが1つ。この方式はホバートでもローンセストンでも同じ。
このコッテージには4人楽に寝られる。私はもちろんダブルベッド、縦に寝ても横に寝ても大丈夫、快適だ。
ビールでもと思い本館へ取りに行く。冷蔵庫を覗くと缶入りギネスがある。2本。ノートに記入。ノートを見ると本館には12部屋あるよう。コッテージには4部屋。
夕食はホテルで摂る。予約制。食堂に行く前にワインセラーに入ってみる。幅2m奥行き5m程の狭いところだが壁両面に作られた棚にはワインがびっしりと並んでいる。
どれでも好きな物をと言われても、何が良いのかさっぱり分からない。全ワインには値札が貼られているので、値段と相談しながら$28.5の赤ワインを選ぶ。ウェイトレスが値札をはがし、さっきのノートの私の欄に貼り付けている。(ウェイトレスはディナーの時だけ頼んでいるよう。)
前菜にはオイスターがないので蛸を選ぶ。メインは和牛。Wagyuと出ている。隣の人(日本人でない)も同じ物を食べているからWagyuはそれなりの地位を獲得しているようだ。でもレストポイントのオージービーフとの区別は付けられない。
奥さんは鴨料理。アイスクリームとコーヒーが付いて$42/人。食事はおいしく、泊り客でない人も来ている。
今日の走行距離は350km。
1月12日 晴れ ゴードン川クルーズ
鶏の声で目が醒める。5:20。まだ薄暗い。
8:30乗船、9:00出発。客は100人位か。子供も当然いるが、私たちと同じ年代かもっと上の人が多いよう。私の前に座っているおばさんはTASMANIAと書いたガイドブックを持っている。地元だとタスマニアで1冊の本になる。私のはオーストラリアで1冊、タスマニアでは16ページしかない。現地でガイドブックを買うのもいいかもしれない。ただし英語圏で。それでも時間はたっぷりとかかるが。
船は一度外洋に出てそれから反転してマコーリー湾奥深く進みゴードン川を目指す。揺れは全くない。がガイドブックにあるように水面が鏡のよう、とはいかない。
地図を見るとHeritage Landing Nature Walkという所がある。多分ここで上陸したのだと思う。原生林の中を5~6分の散歩。もっと奥にSir John Falls Nature Walkというのもある。1日クルーズだとここもコースに含まれるのだろうか。
昼食は船の中でバフェ。ホテルの朝食のバフェより良い。スモークサーモンもブリーチーズもある。コーヒーなどの飲み物は別だがこれで$3なら安い。

ゴードン川クルーズ
ホバートへ
14:15出発でホバートを目指す。B24を走りクイーンズタウンでA10に合流。クイーンズタウンは山の中の町だが、その山が異様な感じ。はげ山で地肌が色々な色をしている。赤、黄、紫もある。鉱物の影響だろうがどんな鉱物なのだろう。
1時間半も走ると眠くなってきた。昨日は21:00に寝たのに疲れが取れていないのだ。奥さんに交代してもらう。1時間も寝るとすっきりする。「歩いている人がいたよ。」と奥さん。こんな山の中を歩いていたら何キロも歩かないうちにテントを張らなければならなくなる。それともくたびれたらヒッチハイクでもするのだろうか。
クイーンズタウン-ホバート間のA10には結構ピカピカがある。ゴードン川クルーズが昨日でなく今日になり出発が遅くなってしまったので、わき道に入るピカピカには寄らず、道路わきにあるピカピカに休憩がてら寄ることにする。また私の運転に替わり道を急ぐ。ウェリントン山が見えたときにはほっとした。
ホバート到着
19:00ちょっと前にレストポイントホテル&カジノに着く。レセプションは前回と同じサッチャーさん似のおばさん。最初からバスタブ付きの部屋を頼んでみる。OK。そして前回は1階(Gはある)だったのでアッパーレベルも頼んでみる。OK。14階で目の前がヨットハーバー、その向こうがホバートの街で眺めは良い。サッチャーさんは言う。“Anything else?”
“Nothing,thank you.”
夕食はアジアレストラン。焼きそばが$25.5もする。これはきっと量が多いんだよ。焼きそば1皿にワンタンスープも1つ頼む。出て来たのはやっと1人前。ワンタンスープもおわん1杯。これでは足りないから他の料理も1皿頼む。味はまあまあ。こんなに高いのにお客はいっぱい。びっくりしてしまう。奥さんは「去年のオークランドの中華屋さんは安くておいしかったね。」と思い出している。
カジノにまた日本人女性2人組が来る。手を上げて挨拶。1時間ほど遊んで$200の負け。今回は大敗であった。しゃくに障るからいくら負けたかは計算しないにしよう。
今日の走行距離は300km。
1月13日 晴れ 帰国
8:30にホバート空港着。走行距離20km。合計1,830kmのドライブ。1月19日にはハーツレンタカーから請求書が届き、保険、税込みで$1,058でした。ツアー料金は(飛行機代、朝食込みのホテル代)¥231,000/人。
ワラビーズのジャンパーをいつも着ているのに誰も何も言わない。ようやくシドニーのフォーポインツ ホテルのポーターが興味を示し、ジャンパーのサインは誰のか聞く。よくぞ聞いてくれました、ちょっと古いけれどキャンピージーのサインです。
タスマニアの皆さん知っていますか。オーストラリアは前回のラグビーワールドカップで優勝したんですよ。
第22報終わり
タスマニア旅行日程表 | ||
1月5日 | 成田発 21:00 | |
1月6日 | シドニー着 8:30 JL771 | |
シドニー発 13:00 メルボルン経由 ホバート着 15:55 | ||
レストポイント ホテル&カジノ泊 | ||
1月7、8日 | ホバート滞在 | |
1月9日 | ローンセストンへレンタカーで移動、カントリー クラブ カジノ泊 | |
1月10日 | ローンセストン滞在 | |
1月11日 | ストローンへレンタカーで移動、フランクリン マナー泊 | |
1月13日 | ホバート発10:10 メルボルン経由 シドニー着13:20 | |
フォーポインツ ホテル バイ シェラトン泊 | ||
1月14日 | シドニー発 10:30 成田着 18:05 JL772 |

ベルテルスマン世界地図帳より拝借