マレーシア(ゲンティンハイランド)

1995年10月7日~10日  

10月7日
 ヘリコプターが着いたのは標高2,000mの雲の上だった。気温は17℃。クアラルンプールは34℃だったのに。初めてのヘリコプターは快適だった。音を除けば。
 10:30にマレーシア航空で成田を出発し16:30にクアラルンプールに着く。7時間のフライトで時差は1時間。同行者は中村さん。茨城県の神栖町で鉄工所を経営。朝8:00に空港そばの旅行者用駐車場ザ・パーキングで待ち合わせ。日本旅行のカウンターで手続き後DCカードのラウンジへ行く。このラウンジも以前はすいていたが最近は混むようになった。DCカードのゴールド会員になっていると本人、同行者1名は無料で利用できる。コーヒー、紅茶、ビール、クッキーなどが置いてありセルフサービスだ。
 飛行機はほぼ満員。クアラルンプールのスバン空港でウィスキーを1本購入。ここは入国時にも免税品を買える珍しい空港だ。
 税関を抜けると細身の中国人らしき若い人が、TAMANIWA,NAKAMURA と書いた看板を持って待っていてくれた。さっそく挨拶し迎えのバスで空港の端のヘリポートへ行く。
 今回の旅行は少しデラックスにした。行き先から飛行機、ホテルの手配はすべて私の役目。飛行機はエコノミーだが空港からホテルの往復はヘリコプター。部屋は一人部屋。朝食3回付きで一人\164,000。車で1時間半のところヘリコプターだと20分。ビクトリアフォールズでヘリコプターに乗れなかった恨みがあるのかもしれない。
 上から見るとクアラルンプールの郊外にはたくさん造成しているところがあり赤い屋根、青い屋根がある。ガイドのエドモンド氏が言うには、赤い屋根は住宅で青い屋根は工場だそうだ。飛行機から見えた露天掘りについてたずねたが、意味がわからなかったようで返事がなかった。宿泊するゲンティンホテルにはまず日本人は来なく、ましてヘリコプターで来る日本人は初めてだそうだ。
 ホテルに到着。チェックインはエドモンド氏がやってくれる。がデポジットとして100マレーシアドル預けてくれと言う。(M$1≒¥40)でもM$100では部屋から国際電話はかけれません、もっと必要ですと言う。国際電話も国内電話もかけるつもりがないからM$100だけ渡す。両替は空港でしておいた。
 部屋に入り一風呂浴びてから早速カジノに出かける。このカジノではネクタイは要らないが上着は必要だった。民族衣装のパディック(ろうけつ染めの開襟シャツ)を着ていれば上着も要らない。入ってみて驚いた。ものすごく広く人もいっぱいだ。韓国ウォーカーヒルの2倍くらいの広さだ。でもここはスモーキングエリアでカフェテリアの向こうに同じ広さのノンスモーキングエリアがある。どのテーブルも座っている人より(椅子に限りがある)立って賭けている人のほうが多い。日本人らしい人は見かけない。日本人は賭け事が好きというがマレー人の方がもっと好きなようだ。
 中村さんがルーレットより大小の方がいいと言うので大小に移る。(大小は3つのサイコロを使う。出目の合計が10以下なら小、11以上なら大。その他いろいろな賭け方がある。)しかし全然付かないので私だけルーレットに戻る。こちらでもちょぼちょぼとしか付かない。
 ここのルーレットはジンバブエのビクトリアフォールズと同じで0しかない。当る確立は37分の1で、0,00のある韓国の38分の1よりいいはずだがうまくいかない。ミニマムはM$1だがM$2のテーブルのほうが多い。
 20:00頃食事に行く。ゲンティンホテルの中に竹葉亭という日本料理屋があったので入る。八分位の入。ビールと上寿司を頼む。トロはない。うに、イクラもない。海老はあった。あとは忘れた。中村さんは湯豆腐、イカの塩焼き、ニューメンを頼んでいた。価格は日本と同じくらいか。以前はなるべく現地のものを食べるようにしていたが、最近は外国で日本料理を食べ比べするのもいいなと思うようになった。
 食後またカジノへ行く。今度はまっすぐルーレット。でもやはり駄目で今日両替したM$1,000分のポーカーチップはなくなっている。私のルーレットのスタイルは決まっていて、赤が出たらまた赤が出ると考えるのを基本にしている。次に今まで出ている赤の数字の何箇所かに賭ける。だからまったく新しい数字が出ると負けてしまう。23:00今日はこれでおしまい。
10月8日
 7:30起床。朝食時中村さんとクアラルンプール市街へ行こうと決める。8:30頃タクシーで市街へ向い繁華街のブキットビンタン通りへ着く。10:00だが店はどこも開いていない。ISETANもその先のKLプラザも開いていない。聞くと開店時間は10:30とのこと。KLプラザやISETANをぶらぶら。ISETAN別館で中村さんがサングラスを購入。ガイドブックに出ている屋台街へ行ってみるが昼間は一軒の屋台も出ていなかった。
ブキットビンタン通りの宝飾店を覗く。22Kや24Kの話に乗りピアス、ネックレスを購入。最近は娘への土産は金製品が多い。“大人なってから食うに困ったらこれを売りな。一月分の米代くらいになるだろうから。”と言いながら渡すことにしている。
日本人は18Kが好きだが、こちらの人(特に中国人)は24Kや22Kが好きとのこと。ピアス、ネックレス合計でM$470。マレーシアは金製品が有名だ。金そのものは国際的にg当りの単価が決まっているが、加工賃が安いうえ加工技術もかなり高いようだ。
 チャイナタウンに行き昼食。現地の人が食べているものを頼む。またヌードルスープも頼むが出てこず、肉、白菜を煮込んだものとご飯が出てきただけ。連れてきてくれた運転手は一番おいしい店だと言っていたがあまりおいしくなかった。チャイナタウンというのがいけなかったようだ。横浜の中華街やオーストラリアの中華街は観光客目当ての中華料理屋ばかりだが、マレーシアのチャイナタウンは裕福ではない中国人の住宅街。日本人の口に合う中華料理屋はチャイナタウンなどにはなく繁華街にあると思った。
 帰る途中、バツーの洞窟というのがあったので寄ってみる。300段近い階段を登り頂上に着く。いたるところに猿がいて子供の持っているお菓子を袋ごと奪い取ったりする。乞食もいる。頂上にある洞窟の奥は上が抜けていて空が見える。ヒンドゥー教の聖地らしい。
 ホテルの案内にスパ、サウナを備えたヘルスクラブがあるというので出かけるがどこにあるのかわからない。ホテルの従業員に聞くとあっちだと言う。その方向に進むがわからない。別の従業員に聞くと向こうだと指差す。看板など探してうろうろする。とにかく人が多い。2,000mの山の上に3つのホテルがあり、カジノと遊園地がある。
ガイドブックにはゲンティンハイランド・リゾートと書いてあるがリゾートの落ち着いた雰囲気はない。日曜日の後楽園遊園地と同じで子供連れが多い。そういえば今日は日曜日だ。ヘルスクラブはあきらめ部屋の風呂に入る。
 シャンプーをする日なのでルームサービスにヘアードライヤーを貸して欲しいと頼むと、デポジットでM$50必要と言う。何なんだこのホテルは。歯ブラシもドライヤーもミニバーも何もない。あるのはコップを壊したらM$5、灰皿を壊したらM$5、タオルがなくなったらM$10とか弁償金額を書いた紙だけだ。
 夕食は韓国レストランがあるから骨付きカルビにしようと決まった。このレストランもまた見つからない。バーの従業員に聞くとあそこだと指差す。そこは竹葉亭。裏側にでもあるのかと捜すがない。竹葉亭で聞くとアワナホテルという別のホテルにあると言う。ゲンティンホテルと経営者が同じらしくホテルのガイドブックに載せていたのだ。
ドアーボーイに聞くと1kmと言う。“中村さん1kmらしいから歩いても行けるけどガスが出てきたからタクシーで行きましょう。”タクシーで行ったがなかなか着かない。どんどん下っていく。ワンとテンを聞き間違えるわけないし。ここには韓国の菜っ葉サンチュはないようで代わりにレタスが出てきた。
 食後はまた当然ながらカジノ。ルーレットをやるがやはり駄目。気分なおしにうろうろ散歩。いろいろな賭け事がある。ボールを落してどこに落ちるか、立てかけてある円盤をまわしてどこに止まるか、など種類も数も多い。スロットマシーンをやってみる。1単位20セント。大当たりは1,000倍。一度に5枚まで入る。しばらくやっていたが何万回かに1回大当たりで1,000倍になっても元は取れないなと思いやめにした。(こう考えると博打は出来なくなるけど。)
 何か飲みたいが、周りを見ると飲んでいる人はいない。賭けているテーブルに飲み物を持ってくるサービスはないようだ。カフェテリアで飲まなければいけないようだ。このカジノでは大当たりしてもチップの要求はない。韓国ではちょっと当ってもチップ、チップとチップを欲しがる。マカオでは勝手にチップ分を差し引いてしまう。
 ここには正規の銀行が店を構え24時間営業している。ホテルのレセプションで両替を頼むとカジノへ行けと言われる。私が両替しているときに、カードでお金を借りている人がいた。M$4,000借りている。\160,000だ。現地の人にとっては大金だ。(日本人でも大金だけど。)こんな大金借りてまで博打をしなくても、と人ごとながら心配してしまう。私もM$2,000目に入ってきている。手持ちは少しずつ減ってきている。遅くなったからもう寝よう。残っているポーカーチップはまた明日使えばいい。
10月9日
8:00起床。今日はゲンティンホテルの周りを散策する予定だったが、中村さんがまたクアラルンプールへ行くと言う。昨日バッグを買わなかったからと。そんなものホテルの売店で売っているでしょ、と言ったのだがいい物がないと言う。天気は良くなくガスが濃い。仕方ないまた車で1時間半だ。
 10:30出発。最初にチャイニーズレストランへ行ってもらった。昨日食べ損なったヌードルスープとビール。ワゴンいっぱいのセイロに入った点心が回ってきた。シュウマイ、餃子、その他を取る。この点心がおいしかった。ヌードルスープはいまいち。
 アンパン・ショッピングコンプレックス、ヤオチュンプラザ、ヒルトンホテル等うろうろして、ヒルトンホテル内のグッチで中村さんはバッグを購入。ヴィトンやロエベなどもヒルトンにはあった。私は何も買わない。
 夕食前に一勝負したが駄目。昨日の残りもなくなり追加したM$500もなくなってしまった。
 夕食は、肉類を食べたくなかったので、また竹葉亭に行く。今日は片言ながら日本語を話す人がいた。日本人は来るかと聞くと、初めてだと言う。
 日本食レストランで日本人が初めてというのには驚いた。クアラルンプールの本店には結構来ると言う。ビール、冷奴、鍋焼きうどん他を頼む。豆腐は絹ごし、鍋焼きは薄味だが悪くない。麺にもうちょっと腰があったらなお良かったのに。
 さあ最後の晩だ、がんばろう。と思いはするがルーレットは相変わらず駄目。ブラックジャックは他人の間に入ってもうまくいかない。下手すると、なぜそんなところでカードを引くんだ、など言われ喧嘩になる。大小をやることにする。中村さんを捜し隣に座る。今日は月曜日なのでいくらかすいて来た。それでもやっと座れるくらい。
 両替したM$1,000は残り少なくなったが4,5,6が当り30倍になる。4,5,6は何回か出ていて待ち受けていた目だ。隣の女性も同じところに賭けていて、やったねと二人で握手。同じ目が出るようになると私のペースだ。30倍、50倍が当るようになってきた。一時は手持ちがM$7,000になった。
 ルーレットと違い大小では賭けているポーカーチップが皆同じ色なので、何箇所かに置くと忘れてしまうときがある。もう24:00を過ぎている。くたびれてきたのだ。
 4のぞろ目にM$5をずっと置いてきたが、他の数字に気を取られ置くのを忘れた瞬間4のぞろ目が出た。置いてあれば150倍のM$7,500になったはず。でも置いていなかったから出したのだろうと思う。ディーラーは狙った目をかなりの確率で出せると私は考えている。いつも狙っているわけではないだろうが。少し落ち目になってきた。01:30。これで終わりにしよう。手持ちはM$5,500。元手はM$3,500だからM$2,000の勝ちだ。
よかった、よかった。
10月10日
 朝食のときにエドモンド氏来る。ヘリコプターはOKですよと言う。荷物を整理し、借りたヘアードライヤーも返しチェックアウト。デポジットで渡したM$100とM$50は明細書にきちんとホチキスで留めてあり、針をはがして返してくれた。最初は変なホテルと思っていたが、かえってあっさりしていて悪くないと思うようになった。
 チェックアウトしているときに係員が来てヘリコプターが飛ばなくなったと言う。ガスが出始めたせいかなと私は思い、中村さんは風が強いからじゃないかと言う。エドモンド氏はヘリコプターの調子が悪いからと言う。一機しかないらしい。リムジンで送ります、と言ったってベンツの2,300ccだ。差額を返せと言うと、エドモンド氏はベンツは高いですからと言ったきり何もしない。
 11:30マレーシア航空MH70便出発。帰りは6時間で成田に着く。成田で迎えのバスに乗ると、玉庭さんと声がかかった。お得意先の小貫さんだ。大羽さん山川さんもいる。プーケットに社内旅行で行った帰りと言う。山川さんはバンジージャンプをしてきたと言う。私より年上のはずだ。股関節など大丈夫だろうか。

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